大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問53 (日本史B(第4問) 問4)
問題文
江戸時代は、現代に比べると手つかずの自然が多く残されていたが、それ以前から見れば「大開発時代」と呼ばれるほど、a自然の改変が進んだ時代であった。b産物や資源の調査も進み、それらを積極的に利用する議論も盛んになった。
人の手による自然の改変が特に目立ったのは山野においてであった。幕府・諸藩による建築用の樹木伐採のほか、c百姓たちによる生産や生活のための山野利用という二つの動きにより、全国の山野はその姿を大きく変えていった。その結果、17世紀後半には樹木が減少した山から大量の土砂が川に流出することが列島各地で問題になった。d河川流域を水害から守ることが、幕府や諸藩にとって重要な課題になっていく。
このように17世紀は「乱伐の時代」であったが、18世紀以降、山野利用のあり方が見直され、e資源保全のあり方を意識的に考え始める時代に入った。
下線部dに関連して、幕府は1720年、次の史料1のような法令を出して、国役の制度を整備し、治水工事などに対応しようとした。史料1を踏まえ、この時整備された国役制度に関して述べた後の文X・Yについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
史料1
諸国の堤防などの工事については、一国全体を支配しているか二十万石以上の所領を持つ大名は、これまで通り自力で行うこととする。それより小規模な領主で、自力で工事ができず、放置しては人が住めなくなるほどの大規模な案件の場合は、今後は国役で割り合って完成させ、幕府からも費用を差し加えるので、申告しなさい。ただし、二十万石以上の所領を持つ大名であっても、本国から離れた小規模な所領については、二十万石未満と同じ扱いとする。
(『御触書寛保集成』)
X 一国全体に及ぶ大名領については、国役による工事の対象にはならなかった。
Y 国役による工事が行われた場合、百姓は他の領主の所領における堤防工事にも費用か労働力を出すことがあった。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問53(日本史B(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
江戸時代は、現代に比べると手つかずの自然が多く残されていたが、それ以前から見れば「大開発時代」と呼ばれるほど、a自然の改変が進んだ時代であった。b産物や資源の調査も進み、それらを積極的に利用する議論も盛んになった。
人の手による自然の改変が特に目立ったのは山野においてであった。幕府・諸藩による建築用の樹木伐採のほか、c百姓たちによる生産や生活のための山野利用という二つの動きにより、全国の山野はその姿を大きく変えていった。その結果、17世紀後半には樹木が減少した山から大量の土砂が川に流出することが列島各地で問題になった。d河川流域を水害から守ることが、幕府や諸藩にとって重要な課題になっていく。
このように17世紀は「乱伐の時代」であったが、18世紀以降、山野利用のあり方が見直され、e資源保全のあり方を意識的に考え始める時代に入った。
下線部dに関連して、幕府は1720年、次の史料1のような法令を出して、国役の制度を整備し、治水工事などに対応しようとした。史料1を踏まえ、この時整備された国役制度に関して述べた後の文X・Yについて、その正誤の組合せとして正しいものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
史料1
諸国の堤防などの工事については、一国全体を支配しているか二十万石以上の所領を持つ大名は、これまで通り自力で行うこととする。それより小規模な領主で、自力で工事ができず、放置しては人が住めなくなるほどの大規模な案件の場合は、今後は国役で割り合って完成させ、幕府からも費用を差し加えるので、申告しなさい。ただし、二十万石以上の所領を持つ大名であっても、本国から離れた小規模な所領については、二十万石未満と同じ扱いとする。
(『御触書寛保集成』)
X 一国全体に及ぶ大名領については、国役による工事の対象にはならなかった。
Y 国役による工事が行われた場合、百姓は他の領主の所領における堤防工事にも費用か労働力を出すことがあった。
- X 正 Y 正
- X 正 Y 誤
- X 誤 Y 正
- X 誤 Y 誤
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説
前の問題(問52)へ
令和6年度(2024年度)追・再試験 問題一覧
次の問題(問54)へ