大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問54 (日本史B(第4問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問54(日本史B(第4問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

江戸時代の自然と人との関係について述べた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(資料は、一部省略したり、書き改めたりしたところがある。)

江戸時代は、現代に比べると手つかずの自然が多く残されていたが、それ以前から見れば「大開発時代」と呼ばれるほど、a自然の改変が進んだ時代であった。b産物や資源の調査も進み、それらを積極的に利用する議論も盛んになった。
人の手による自然の改変が特に目立ったのは山野においてであった。幕府・諸藩による建築用の樹木伐採のほか、c百姓たちによる生産や生活のための山野利用という二つの動きにより、全国の山野はその姿を大きく変えていった。その結果、17世紀後半には樹木が減少した山から大量の土砂が川に流出することが列島各地で問題になった。d河川流域を水害から守ることが、幕府や諸藩にとって重要な課題になっていく
このように17世紀は「乱伐の時代」であったが、18世紀以降、山野利用のあり方が見直され、e資源保全のあり方を意識的に考え始める時代に入った。

下線部eに関して、次の史料2は、1805年に秋田藩が、森林管理・経営の実務を担う役人に指示したものである。この史料2に関して述べた後の文a~dについて、最も適当なものの組合せを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

史料2
山林伐(き)り尽(つく)しに相成り候ては、田畑の荒廃、村居(注1)の衰えのみならず、急水の変、干ばつの憂い、川形の変地等に至り候ては、全く山林伐り尽しより相生じ、ならびに材木薪炭価の高低、御国中一統に相係り、一つとして軽からざる事に候、(中略)百姓共へ篤(とく)と申し含め、諸樹植え継ぎ山沢繁茂致し候様に精を入れ相務めらるべく候、(中略)種実苗木取り立て等、御入方(注2)は指し出さるべく候間、追々取り調べ申し聞けらるべく候(注3)。
(「六郡木山方以来覚」)

(注1)村居:村々の家屋やそこに住む人々。
(注2)入方:費用。
(注3)申し聞けらるべく候:申告しなさい。

a  山林伐採によって耕地の荒廃や災害が引き起こされたため、物価の引き下げを命じていると考えられる。
b  山林伐採が建築資材・燃料価格の変動をもたらし、藩領全体に影響すると認識していたと考えられる。
c  藩が経費を支出する意思を示して、植林や樹木の育成を奨励していると考えられる。
d  荒廃や飢饉が起きないよう、百姓を説得して天然林の保護を奨励していると考えられる。
  • a・c
  • a・d
  • b・c
  • b・d

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