大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問33 (第4問(漢文) 問7)
問題文
(注1)董思翁 ――― 明代の文人・董其昌(とうきしょう)(1555 ― 1636)のこと。
(注2)辛未 ――― 清・嘉慶16年(1811)。
(注3)瓜爾佳 ――― 満州族名家の姓。
(注4)空匣 ――― 空の箱。
(注5)壬申 ――― 清・嘉慶17年(1812)。
(注6)従容 ――― ゆったりと。
(注7)花事 ――― 春に花をめでたり、見て歩いたりすること。
(注8)坐輿可許子猷過 ――― 子猷は東晋・王徽之(おうきし)の字(あざな)。竹好きの子猷は通りかかった家に良い竹があるのを見つけ、感嘆して朗詠し、輿(こし)に乗ったまま帰ろうとした。その家の主人は王子猷が立ち寄るのを待っていたので、引き留めて歓待し、意気投合したという故事を踏まえる。
傍線部C「奈春何」の読み方として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(国語)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問33(第4問(漢文) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
(注1)董思翁 ――― 明代の文人・董其昌(とうきしょう)(1555 ― 1636)のこと。
(注2)辛未 ――― 清・嘉慶16年(1811)。
(注3)瓜爾佳 ――― 満州族名家の姓。
(注4)空匣 ――― 空の箱。
(注5)壬申 ――― 清・嘉慶17年(1812)。
(注6)従容 ――― ゆったりと。
(注7)花事 ――― 春に花をめでたり、見て歩いたりすること。
(注8)坐輿可許子猷過 ――― 子猷は東晋・王徽之(おうきし)の字(あざな)。竹好きの子猷は通りかかった家に良い竹があるのを見つけ、感嘆して朗詠し、輿(こし)に乗ったまま帰ろうとした。その家の主人は王子猷が立ち寄るのを待っていたので、引き留めて歓待し、意気投合したという故事を踏まえる。
傍線部C「奈春何」の読み方として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

- はるもいかん
- はるにいづれぞ
- はるにいくばくぞ
- はるをなんぞせん
- はるをいかんせん
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題を解答するポイントは以下の点です。
①再読文字、重要語はあるか。
「奈何:いかンセン」と読む疑問、反語の重要語です。
いかンとは読めていますが、送り仮名の「セン」が不足しているため、不適当です。
「奈何:いかンセン」が正しく読めていないので、不適当です。
「奈何:いかンセン」が正しく読めていないので、不適当です。
「奈何:いかンセン」が正しく読めていないので、不適当です。
重要語を正しく読めているので、正答です。
最初に提示したとおり、この問題を解答するポイントは以下の点です。
①再読文字、重要語はあるか。
「奈何:いかンセン」と読む疑問、反語の重要語です。
レ点を使用しているため、一見すると奈何がつながっていることを見落とす可能性がありますので、書き下し文の形に一度直してみると気が付きやすいです。
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02
選ぶべき読みは はるをいかんせん です。
「奈―何」は漢文で「いかんせん」と慣用的に読み、「…をどうしたらよいのか」「…をどうすることができようか」という嘆きや諦めを表します。ここでは「春」に対してその思いを向けているため、「春をいかんせん」と読むのが自然です。
「奈―何」を「いかん」とだけ読んでしまい、「せん」が欠けています。語法が整いません。
「いづれぞ」は「何ぞ」と通じますが、「奈―何」をこう読む例はなく、助詞「に」も不自然です。
「幾何(いくばく)」と混同しています。「奈―何=いかんせん」の意味・読みと合致しません。
「なんぞせん」は「奈何読」を崩した形ですが、一般には「いかんせん」と読むのが定型で、試験で求められる標準読みとは言えません。
「奈―何」は「いかんせん」と訓じるのが基本形です。「春をどうしたものか」と感慨をこめた句意にぴたりと合います。
「奈何」は古くから「いかんせん」と読み、嘆きを帯びた疑問を作ります。「奈春何」はその慣用を踏まえた表現で、正しい読みははるをいかんせんとなります。
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