大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問32 (第4問(漢文) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(国語)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問32(第4問(漢文) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

次の【文章Ⅰ】は、江戸末期の儒学者安積艮斎(あさかごんさい)が書いたアメリカ合衆国初代大統領ワシントンの伝記「話聖東(ワシントン)伝」の一節であり、【文章Ⅱ】は、宋代の儒学者范祖禹(はんそう)が君主の道について述べた文章の一節である。これらを読んで、後の問いに答えよ。なお、設問の都合で返り点・送り仮名を省いたところがある。

空欄( Y )に入る語として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

空欄(Y)を含む一文を書き下し文にして見ると、
「人君は一人の身を以て、四海の広きを御し、万務のY応ず。」となります。
この書き下し文から、
この文章は「君主は一人で天下を制御し、あらゆる勤めに応じる」という内容であることが分かります。
さらに、
「一人の身」「四海の広き」という流れから、
Yは「万務」を表す漢字になると推測できます。
「万」は「すべて」や「あらゆる」という意味で、
「務」は「仕事」という意味です。
以上のことを踏まえて各選択肢を検討していきましょう。

選択肢1. 要

重要の「要」であり、
「大切なところ」という意味を持つ漢字です。
「万務」の意味とは異なります。
よって不適です。

選択肢2. 美

美しいの「美」であり、
「美しさ」や「立派な」という意味です。
「万務」の意味とは異なります。
よって不適です。

選択肢3. 対

「応える」や「ペア」を表す漢字です。
「万務」の意味とは異なります。
よって不適です。

選択肢4. 臣

臣下の「臣」であり、
「主君に仕える人」という意味です。
「万務」の意味とは異なります。
よって不適です。

選択肢5. 衆

大衆の「衆」であり、
「多い」や「多くの人々」という意味があります。
「万」の意味に近いため適切です。

まとめ

今回の文章は、
「一人の身」「四海の広き」「万務の衆」の文の流れの法則がヒントになる問題でした。
文章や漢字の意味だけでなく、
文脈にも注目しましょう。

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02

問題となっている箇所は「応万務【Y】」ですが、その上を見ると、「御四海広」とあります。

返り点のつく場所も同じですから、これは対句的な表現と考えても良いでしょう。

つまり、「広」に類似・対応するような何かが入ります。

「広」に対応する言葉として最も適当なものは「衆」です。「衆」は「おおい」とも読むように、数の多いことを表します。

選択肢1. 要

「要」は人が腰をおさえている様子からかたどられたと言われており、「大事なところ」「求める」などの意味で使われます。

しかし、「広」に対応しているとは言い難いのでこれは誤りです。

選択肢2. 美

美は「美しい」や「すぐれた」などの意味がありますが、これも「広」という字とは対応していないため、誤りです。

選択肢3. 対

「対」は「むかう、むきあう」のほか、「こたえる、応ずる」「ついのもの」などの意味でも使います。

ただ、「広」という字と対応しているかと言われると、これは誤りです。

選択肢4. 臣

「臣」は「家来」「たみ、人民」などの意味で用いられます。

漢文では位の低い者が一人称として、へりくだって臣と自分のことを呼ぶことはありますが、この文脈では不適です。

まとめ

「広」に対応すると考えると、自ずと一択に絞れるのではないでしょうか。漢文は畳みかけるように対句的な表現を使うことが多々ありますので、それをヒントにしましょう。

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