大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問33 (第4問(漢文) 問3)
問題文
波線部(ア)の解釈として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(国語)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問33(第4問(漢文) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
波線部(ア)の解釈として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

- めでたいことに自らの家で事業を成し遂げた
- 天寿を全うして自らの家でこの世を去った
- 人々に祝福されて自らの家で余生を過ごした
- 長寿の親のために自らの家で力を尽くした
- 民の幸せを願いながら自らの家で節義を貫いた
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この過去問の解説 (2件)
01
波線部(ア)を書き下し文にすると、
「寿を以て家に終わる」となります。
「寿」は「寿命」や「おめでたいことを祝う」という意味です。
以上のことを踏まえて各選択肢を検討していきましょう。
「事業を成し遂げた」という部分が不適です。
事業を成し遂げるという意味の語はありません。
加えて、
波線部の前の文章はワシントンが任期を満了し、
後は故郷に帰って世間の目につかないように暮らしたという意味です。
適切です。
「寿」が「天寿」と解釈されそのままの意味になっています。
「家に終わる」と記述されていることから、
「自らの家でこの世を去った」という解釈は自然です。
「人々に祝福されて」という部分が不適です。
波線部の前の文章にワシントンが任期を満了し、
後は故郷に帰って世間の目につかないように暮らしたという意味の文章があります。
よって人々に祝福されるようなことを避けたと考えられます。
「長寿の親のため」という部分が不適です。
親についての記述が本文にはありません。
「民の幸せを願い」という部分が不適です。
「寿」に幸せを願うという意味はありません。
また、
「家に終わる」という部分を「節義を貫いた」と解釈するのは不自然です。
難しい漢字が含まれない文章であったため、
意味を理解するのも難しくないと思います。
解釈に迷ったら、
問題の文章の近くの文章から推測することも可能です。
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02
「以て」は手段や理由、動作の発生する時、動作行為に関係した対象などを示す前置詞として用いるのが通例です。この文章は「以寿」なので、「寿で」のようにひとまず考えておきます。
また、于は置き字の「於」と同じ意味を持つ字ですので、場所などを表す言葉の前についている、と考えられます。
これらをまとめると、「家で終わる」と「寿で」が組み合わさった文、ということになり、その解釈で最も適当なのは「天寿を全うして自らの家でこの世を去った」になるでしょう。
「以寿」を「めでたいことに」と解釈するのは不適です。この時点でまだ判断できないとしても、次の「終」を「事業を成し遂げる」と訳すのは漢字の意味からしてあまりに遠いと言わざるを得ません。
「以寿」を「人々に祝福されて」と訳すのは「寿」の漢字だけ見れば良いかもしれません。ただ。解釈の中にある「~されて」という受身訳にあたる部分は問題の箇所には見当たらず、その点で誤りの可能性があると予想することが重要です。
また、その後の「終」を「余生を過ごす」と解釈するのはやや不適です。
これらのことから総合的に判断して、この選択肢は誤りです。
「長寿の親」とありますが、親はどこにも問題文内に出て来ていませんので誤りです。
「寿」を「民の幸せ」と解するのはかなり強引です。そこを看過して次に進むとしても「終」を「節義を貫く」と解するのは誤りです。
「終」に「何を」の部分がないため、これは他動詞「~を終わらせる」ではなく、自動詞「~が終わる」と解さなくてはなりません。「節義を」に当たる部分がないため、この選択肢は誤りです。
「以」の使い方、「于」の意味などが問題を解くカギとなっています。結局はこうした基本的な知識がすぐに頭から引き出せて使えるか、というところにかかっています。
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