大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問34 (第4問(漢文) 問4)
問題文
波線部(イ)の解釈として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(国語)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問34(第4問(漢文) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
波線部(イ)の解釈として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

- 比類のない見識を発揮して
- 自己の知識を誇示して
- 孤高の賢人を模倣して
- 自分の知恵だけを用いて
- 独特の見解をしりぞけて
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この過去問の解説 (2件)
01
波線部(イ)を含む一文の句読点までを書き下し文にすると、
「苟も誠を以て賢と与にせずして其の独智を役して以て天下に先だてば、」となります。
「賢」は「ともにせず」という表現をされていることから「賢い人」と解釈します。
そして賢い人とともにしないということから「独」は「ひとり」という意味で、
「智」は「知識」という意味です。
「役」は「使う」という意味であるため、
波線部(イ)は「その一人(君主)の知識を使って」という意味になります。
以上のことを踏まえて各選択肢を検討していきましょう。
「比類のない見識」という部分が不適です。
「智」を見識とすることはできるかもしれませんが、
「独」は比類のないという意味ではありません。
「誇示して」という部分が不適です。
誇示するという意味の語がありません。
「模倣して」という部分が不適です。
「役」に模倣するという意味はありません。
適切です。
自分一人の知識だけを使ってという意味であり、
直訳した意味に近いです。
「独特の見解」という部分が不適です。
「独」は独特を意味する語ではありません。
また、
「しりぞけて」を意味する語もありません。
それぞれの漢字の意味が分かっていれば、
書き下し文にしてその順番通りにつなげるだけでも十分文章になります。
その文章に最も近い選択肢を選びましょう。
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02
「役其独智」の「独智」をどう解釈するかがこの問題の鍵となります。
波線部の前にある「苟不…与賢」を、見ると、「賢と与(とも)ニセズシテ」と読むため、ここでの「賢」を「賢い人」と、「与」を「協力して」と解釈しましょう。そして、「不」があるので、その打消ですから、「自分一人で」のような意味になると解釈できるのではないでしょうか。
よって、正解は上の解釈に最も近い「自分の知恵だけを用いて」となります。
「独智」を「比類のない見識」と解釈する点が誤りです。特に「独」を比類のないと訳すのは不適です。
「自己の知識」の部分は概ね妥当ではありますが、「独」の一人、~だけというニュアンスがなく、また誇示の意味も見受けられませんので、不適です。
「独智」を「孤高の賢人」と訳すのは漢字だけで見れば間違いとも言えないですが、「役シテ」の部分を「模倣して」とするのは誤りです。
「独」を「独特の」としてしまった点が不適です。また「役」を「しりぞけて」としている点も誤りです。
漢字一字ごとの解釈が出来れば、答えが出しやすいはずです。そして、漢字の意味は現代文の漢字・語彙の勉強をやることで鍛えられるものですので、現代文・古典ともに気を抜かずに勉強していきましょう。
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