大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問34 (第4問(漢文) 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(国語)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問34(第4問(漢文) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、唐の杜牧(とぼく)(803—852)の【詩】「華清宮(かせいきゅう)」とそれに関する【資料】Ⅰ〜Ⅳである。これを読んで、後の問いに答えよ。なお、設問の都合で返り点・送り仮名を省いたところがある。

(注1)華清宮 ―― 都長安の郊外にある、驪山(りざん)の温泉地に造営された離宮。
(注2)繡成堆 ―― 綾絹(あやぎぬ)を重ねたような驪山の山容の美しさをいう。
(注3)次第 ―― 次々と。
(注4)紅塵 ―― 砂煙。
(注5)妃子 ―― 楊貴妃(ようきひ)のこと。唐の皇帝玄宗(げんそう)(685―762)の妃(きさき)。
(注6)茘枝 ―― 果物のライチ。中国南方の特産物。
(注7)『天宝遺事』 ―― 唐の天宝年間(742―756)の逸話を集めた書。王仁裕(おうじんゆう)著。
(注8)涪州 ―― 中国南方の地名。
(注9)馬逓 ―― 早馬の中継による緊急輸送。公文書を運ぶのが本来の目的。
(注10)『畳山詩話』 ―― 詩の解説・批評や詩人の逸話を載せた書。謝枋得(しゃぼうとく)著。
(注11)明皇 ―― 玄宗を指す。
(注12)『遯斎閑覧』 ―― 学問的なテーマで書かれた随筆集。陳正敏(ちんせいびん)著。
(注13)唐紀 ―― 唐の時代についての歴史記録。
(注14)『甘沢謡』 ―― 唐の逸話を集めた書。袁郊(えんこう)著。
(注15)誕辰 ―― 誕生日。
(注16)駕 ―― 皇帝の乗り物。
(注17)小部音声 ―― 唐の宮廷の少年歌舞音楽隊。
(注18)長生殿 ―― 華清宮の建物の一つ。
(注19)南海 ―― 南海郡のこと。中国南方の地名。

波線部(ウ)「因」のここでの意味として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • そのために
  • やむをえず
  • ことさら
  • とりあえず
  • またもや

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

そのためにです。漢文のは原因・契機を受けて「それによって/それをきっかけに」という因果のつながりを示します。資料でも、出来事Aを受けて出来事Bが行われる流れで使われており、「そのために」と解するのが自然です。

選択肢1. そのために

因=よって・それによりという基本義です。前文の事実を受けて次の行動が生じる、という原因→結果の関係を表します。

選択肢2. やむをえず

不得已・無可奈何などの語で表す内容です。自体に「仕方なく」という不得已のニュアンスはありません。

選択肢3. ことさら

故・偏・特などが該当します。特別に・わざとを示す語ではありません。

選択肢4. とりあえず

姑且・且・姑などの語で表します。暫定・当座の意味はありません。

選択肢5. またもや

復・又・更などの反復を示す語が用いられます。は反復の意味ではありません。

まとめ

は漢文で頻出の因果をつなぐ語で、基本は「それによって」「その結果」と訳します。文脈でも、前の事情を受けて次の行為が行われるため、そのためにが最も適切です。

参考になった数0