大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問4 (現代社会(第1問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問4(現代社会(第1問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

大学生のヤマモトさんは、大学で学んでいることについて、次のタイトルで、卒業した高校で講演を行った。

卒業生の話を聞いてみよう
「争い事の解決~国際社会の場合~」
高校での学びを通じて関心をもったことについて
屋根の下に自転車を停め損ねたある雨の日、授業でホッブズについて教わりました。その著書『( ア )』には、「もしだれかふたりが同一のものごとを意欲し、それにもかかわらず、ふたりがともにそれを享受することができないとすると、かれらはたがいに敵となる」とあります。
その日は、ホッブズと同じく、「契約」という概念を用いて国家の成立を説明した思想家の一人として、b 『エミール』の著者として知られるルソーについても学びました。ルソーについて特に面白いと思ったのは、ホッブズとは異なる自然状態の理解を前提に、( イ )こそがあるべき政治のかたちだと説いたところでした。
こうした西洋の思想に加えて、c 和辻哲郎や内村鑑三ら日本の思想家が、西洋の思想をどのように受け止め、また、いかに独自の思想を発展させてきたかにも興味をもっていました。

下線部cに関して、次のA~Cは、日本の思想家の著作の一部である。和辻哲郎と内村鑑三の著作の一部の組合せとして最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。

A
人間の複雑極りない生活の、何千年という久しい経歴を知ろうとする歴史は、幾(いく)ら知ってもまだ行く先があるということを、よくよく覚悟する必要がある。殊(こと)に今まで閑却されて居た常民大衆の歴史に於(おい)て殊に然(しか)りである。民間伝承の学問は、この歴史の欠陥を補うべく起った学問ともいえるのである。

B
我々は間柄を形成する個々の人を突き留めようとして、それが結局共同性のうちに消え去るのを見た。個々の人はそれ自身においては存しないのである。しかるに今やその共同的なるもの全体的なるものを突き留めようとして、逆にそれが個人の独立性の否定にほかならぬことを見いだした。全体者もまたそれ自身においては存しないのである。
……そうすれば個人と全体者とは、いずれもそれ自身において存せず、ただ他者との連関においてのみ存するのである。

C
私は青年時代に於て常に私の外国の友人に告げて曰(い)うた、私に愛する二個のJがある、其一はイエス(Jesus)であって、其他の者は日本(Japan)であると。イエスと日本とを較べて見て、私は孰(いづれ)をより多く愛するか、私には解らない。其内の一を欠けば私には生きて居る甲斐がなくなる。私の一生は二者に仕えんとの熱心に励されて今日に至った者である。
  • 和辻哲郎 ― A  内村鑑三 ― B
  • 和辻哲郎 ― A  内村鑑三 ― C
  • 和辻哲郎 ― B  内村鑑三 ― A
  • 和辻哲郎 ― B  内村鑑三 ― C
  • 和辻哲郎 ― C  内村鑑三 ― A
  • 和辻哲郎 ― C  内村鑑三 ― B

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、日本の思想家である和辻哲郎と内村鑑三の思想を抑えておく必要があります。

 

和辻哲郎の代表的な思想は、人は一人で存在しているのではなく、他人との関わりの中で存在しているとする「間柄的存在」を主張しました。

 

内村鑑三の代表的な思想は、日本のキリスト教思想家として、キリスト教の日本化を目指し、「二つのJ(JesusとJapan)」と表現しました。

 

 

選択肢1. 和辻哲郎 ― A  内村鑑三 ― B

不適切

 

A ×

和辻哲郎の代表的な思想は、人は一人で存在しているのではなく、他人との関わりの中で存在しているとする「間柄的存在」を主張しました。

 

B ×

内村鑑三の代表的な思想は、日本のキリスト教思想家として、キリスト教の日本化を目指し、「二つのJ(JesusとJapan)」と表現しました。

選択肢2. 和辻哲郎 ― A  内村鑑三 ― C

不適切

 

A ×

和辻哲郎の代表的な思想は、人は一人で存在しているのではなく、他人との関わりの中で存在しているとする「間柄的存在」を主張しました。

 

 

C 〇

内村鑑三の代表的な思想は、日本のキリスト教思想家として、キリスト教の日本化を目指し、「二つのJ(JesusとJapan)」と表現しました。

 

選択肢3. 和辻哲郎 ― B  内村鑑三 ― A

不適切

 

B 〇

『そうすれば個人と全体者とは、いずれもそれ自身において存せず、ただ他者との連関においてのみ存するのである。』より、和辻哲郎の代表的な思想の、人は一人で存在しているのではなく、他人との関わりの中で存在しているとする「間柄的存在」という主張を表しています。

 

A ×

内村鑑三の代表的な思想は、日本のキリスト教思想家として、キリスト教の日本化を目指し、「二つのJ(JesusとJapan)」と表現しました。

 

選択肢4. 和辻哲郎 ― B  内村鑑三 ― C

適切

 

B 〇

『そうすれば個人と全体者とは、いずれもそれ自身において存せず、ただ他者との連関においてのみ存するのである。』より、和辻哲郎の代表的な思想の、人は一人で存在しているのではなく、他人との関わりの中で存在しているとする「間柄的存在」という主張を表しています。

 

C 〇

内村鑑三の代表的な思想は、日本のキリスト教思想家として、キリスト教の日本化を目指し、「二つのJ(JesusとJapan)」と表現しました。

 

選択肢5. 和辻哲郎 ― C  内村鑑三 ― A

不適切

 

C ×

和辻哲郎の代表的な思想は、人は一人で存在しているのではなく、他人との関わりの中で存在しているとする「間柄的存在」を主張しました。

 

A ×

内村鑑三の代表的な思想は、日本のキリスト教思想家として、キリスト教の日本化を目指し、「二つのJ(JesusとJapan)」と表現しました。

 

選択肢6. 和辻哲郎 ― C  内村鑑三 ― B

不適切

 

C ×

和辻哲郎の代表的な思想は、人は一人で存在しているのではなく、他人との関わりの中で存在しているとする「間柄的存在」を主張しました。

 

B ×

内村鑑三の代表的な思想は、日本のキリスト教思想家として、キリスト教の日本化を目指し、「二つのJ(JesusとJapan)」と表現しました。

 

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