大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問58 (倫理(第4問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問58(倫理(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生GとHが交わした次の会話を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのGとHは各々全て同じ人物である。

G:すごい豪邸…、こんなaに生まれた子どもは運がいいね。不平等だな。
H:生まれた家とか国とか、b個人が選べないもので差があるのは、不平等だとしても変えられないよ。与えられた環境の中で頑張ることが大事だよね。この家の子どもだって、c社会で成功できるかどうかは本人次第だと思う。
G:いや、その子どもも、家が裕福なおかげでいい教育を受けて、将来お金を稼げるようになったりするでしょ。運の違いが生むd格差は、社会が埋め合わせるべきだよ。
H:それって、幸運な人が持つお金を不運な人に分け与えるということ?運の違いなんて、そもそも社会のあり方と関わる問題だとは思えないけど。
G:そう?例えば、運よく絵の上手な人が漫画家としてお金を稼げるのは、漫画を高く評価するe文化が社会にあるおかげでしょ。人のf才能も、社会のあり方によって、運よくお金になったり運悪くお金にならなかったりするよ。
H:なるほど。けど、才能を成功に結び付けるのは社会だけじゃないよ。漫画家も才能を磨いてプロになるわけでしょ。そうしたg努力については、個人を評価するべきじゃない?
G:一理あるね。ただ、努力の習慣が身に付くのも運による面はあるよ。地元の学校が「褒めて伸ばす」方針で、何事も頑張って取り組むようになったとか。努力できるようになるかどうかは、h社会の仕組みや構造に左右されると思う。
H:それはそうかも。ただ、同じ境遇でも、苦学して立派になる人もいればそうでない人もいるし…。最終的には、努力は個人の問題じゃないかな。
G:するとHは、運の違いが生む格差は全て、個人が努力で乗り越えるべきだと言うの?幸運な人と同じだけ努力した不運な人が、格差のせいで幸運な人に追い付けないようだと、不運な人の努力は評価されていないとも言えるよ。
H:確かに…。ただ、努力も全て運次第だからという理由で、努力する人がしない人と同じ扱いを受けるとしたら、それはやっぱり不公平じゃないかなあ。
G:そうだよね…。次の倫理の授業が終わったら、先生にも聞いてみようか。

下線部dに関して、次のア・イは、貧富の差に関わる思想や問題についての説明である。その正誤の組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

ア  センは、経済の発展を促す国家の機能に着目し、その機能の集合である潜在能力を拡大させていくことで、貧しい途上国が自立できると説いた。
イ  途上国の貧困層が飢餓に苦しむのは、その国の農業が、先進国に輸出するための商品作物の生産を優先していることが一因である。
  • ア:正  イ:正
  • ア:正  イ:誤
  • ア:誤  イ:正
  • ア:誤  イ:誤

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