大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問37 (倫理(第1問) 問7)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問37(倫理(第1問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

次の資料は、授業で先生が示したものである。Aと先生が交わした後の会話を読み、会話中のa・bに入る記述の組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。

資料 プラトン『プロタゴラス』におけるソクラテスの発言
知識とは立派なものであり、人間を支配する力を持つのであって、仮に人が善きことと悪(あ)しきことを知ったなら、他の何かに左右されて知識が命じる以外のことをなすなどということは決してない。……しかし、多くの人が主張するには、最善のことを知りながら、そうしようとせずに他のことをする人が沢山いるというのだ。

A:資料におけるソクラテスの主張は、( a )ということです。
先生:そして、授業でも紹介したように彼の弟子のプラトンは、行為を導く原理としての魂を、( b )からなるとしました。例えば、なすべき行為をなさなかったといった過ちは、魂の部分間の調和が取れていないこととして説明することができます。
  • a 多くの人は、知識が行為に及ぼす力を過信している
    b  理性・気概・欲望
  • a 善いことを本当に知っているならば、人は善い行為をとる
    b  理性・信仰・欲望
  • a 最善のことを知りながら、それを行わないという事態があり得る
    b  理性・気概・欲望
  • a 知というものは、本来その所有者の行為を必然的に決定する力を持つ
    b  理性・信仰・欲望
  • a 最善のことを知りながら、それを行わないという事態はあり得ない
    b  理性・気概・欲望
  • a 知識以外の何らかの力が、知識よりもその人の行為を決定する
    b  理性・信仰・欲望

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この過去問の解説 (1件)

01

プラトン『プロタゴラス』は、ソフィスト(徳の教師)とされるプロタゴラスとソクラテスの対話が描かれた書籍です。

資料中のソクラテスの主張は「知識とは立派なものであり、人間を支配する力を持つのであって、仮に人が善きことと悪(あ)しきことを知ったなら、他の何かに左右されて知識が命じる以外のことをなすなどということは決してない。」という部分です。

 

ソクラテスの弟子、プラトンは、人間の知識を3つの性質(理性・気概・欲望)に分ける考え方魂の三分説」を提示しました。

選択肢1. a 多くの人は、知識が行為に及ぼす力を過信している
b  理性・気概・欲望

不適当

a…不適切です。過信しているとは書いてありません。

b…適切です。魂の三分説と呼ばれています。

選択肢2. a 善いことを本当に知っているならば、人は善い行為をとる
b  理性・信仰・欲望

不適当

a…適切です。

b…不適切です。信仰ではなく気概です。

選択肢3. a 最善のことを知りながら、それを行わないという事態があり得る
b  理性・気概・欲望

不適当

a…不適切です。最善のことを知りながら、それを行わないという事態は決してないと書かれています。

b…適切です。魂の三分説と呼ばれています。

選択肢4. a 知というものは、本来その所有者の行為を必然的に決定する力を持つ
b  理性・信仰・欲望

不適当

a…適切です。

b…不適切です。信仰ではなく気概です。

選択肢5. a 最善のことを知りながら、それを行わないという事態はあり得ない
b  理性・気概・欲望

適当

a…適切です。

b…適切です。魂の三分説と呼ばれています。

選択肢6. a 知識以外の何らかの力が、知識よりもその人の行為を決定する
b  理性・信仰・欲望

不適当

a…不適切です。知識が命じる以外のことをなすなどということは決してないと書かれています。

b…不適切です。信仰ではなく気概です。

まとめ

魂の三分説イデア論など、プラトンの思想について理解を深めておきましょう。

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