大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問61 (倫理(第4問) 問7)
問題文
高校生Fが倫理の授業で行った次の発表と、それを受けて高校生Gと交わした議論を読み、後の問いに答えよ。なお、議論と問いのFとGは各々全て同じ人物である。
発表「高齢者の孤立」
少子化と高齢化と過疎化が進み、一人暮らしの高齢者が増えています。行政や施設だけでなくa 社会全体で支える必要があります。私は、孤立する人を出さないことが重要だと思います。「ひきこもり」はb 若者の問題に留(とど)まらず、中高年の間でも増加しています。衛生・健康・金銭の管理ができず、支援を拒否して孤立する人もいます。自宅で一人きりで亡くなり、何日も発見されない人は、年間で約3万人も出ています。孤立する人を放置するのは、c 人間の尊厳を顧みない冷たい社会ではないでしょうか。生産人口の減少とともに福祉を担う人も不足しています。介護ロボットやd 情報通信技術を活用した独居高齢者の見守りの仕方も開発しなければなりません。私は将来、そのような研究をしたいと考えています。
G:発表を聞いて孤立の深刻さが分かりました。でも支援を拒否する人の中には、一人でいることが好きな人もいるんじゃないでしょうか。倫理の教科書にも、e 孤高に思考せよと言う思想家が出ていたような気がしますね。
F:そうでしたか。具体的な名前は、今思い浮かびませんけど…。支援を拒否する人についてですが、中には遠慮する人や強がりを言う人もいます。一人でいたいという人もf 人間関係で問題を抱えている可能性があると思うんです。
G:そう決めつけるのはどうでしょうか。私の祖父はg 自然豊かな山村でほぼ自給自足で暮らしていて、一緒に住もうって言うと一人の方が気兼ねしないと言います。h 年配の人たちの一人暮らしの意味も色々だと思うんです。
F:でも、地域社会の人口が減少していて、体を壊したら孤立無援という人もいるでしょう。誰もが健康で文化的な生活を送れるようにしないと。
G:もし私が高齢者だったら、そんなの余計なお世話だと思うでしょうね。
下線部gに関連して、自然環境に関わる問題や取組みについての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問61(倫理(第4問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
高校生Fが倫理の授業で行った次の発表と、それを受けて高校生Gと交わした議論を読み、後の問いに答えよ。なお、議論と問いのFとGは各々全て同じ人物である。
発表「高齢者の孤立」
少子化と高齢化と過疎化が進み、一人暮らしの高齢者が増えています。行政や施設だけでなくa 社会全体で支える必要があります。私は、孤立する人を出さないことが重要だと思います。「ひきこもり」はb 若者の問題に留(とど)まらず、中高年の間でも増加しています。衛生・健康・金銭の管理ができず、支援を拒否して孤立する人もいます。自宅で一人きりで亡くなり、何日も発見されない人は、年間で約3万人も出ています。孤立する人を放置するのは、c 人間の尊厳を顧みない冷たい社会ではないでしょうか。生産人口の減少とともに福祉を担う人も不足しています。介護ロボットやd 情報通信技術を活用した独居高齢者の見守りの仕方も開発しなければなりません。私は将来、そのような研究をしたいと考えています。
G:発表を聞いて孤立の深刻さが分かりました。でも支援を拒否する人の中には、一人でいることが好きな人もいるんじゃないでしょうか。倫理の教科書にも、e 孤高に思考せよと言う思想家が出ていたような気がしますね。
F:そうでしたか。具体的な名前は、今思い浮かびませんけど…。支援を拒否する人についてですが、中には遠慮する人や強がりを言う人もいます。一人でいたいという人もf 人間関係で問題を抱えている可能性があると思うんです。
G:そう決めつけるのはどうでしょうか。私の祖父はg 自然豊かな山村でほぼ自給自足で暮らしていて、一緒に住もうって言うと一人の方が気兼ねしないと言います。h 年配の人たちの一人暮らしの意味も色々だと思うんです。
F:でも、地域社会の人口が減少していて、体を壊したら孤立無援という人もいるでしょう。誰もが健康で文化的な生活を送れるようにしないと。
G:もし私が高齢者だったら、そんなの余計なお世話だと思うでしょうね。
下線部gに関連して、自然環境に関わる問題や取組みについての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
- 環境や人々に大きな害を及ぼし得る行為は、因果関係がまだ科学的に証明されていなくても規制するべきだという原則を、他者危害原則と呼ぶ。
- 生態系を保護する目的で、自然界を生きる動物などを原告として、人間がそれらの代理人となって提起する裁判のことを、自然の権利訴訟と呼ぶ。
- 自然環境を維持するため、自国の国民から集めた募金を元手に景勝地を買い取って保護する活動のことを、グリーン・コンシューマー運動と呼ぶ。
- 他の生物に対する優越的地位を人類が共有するという発想に基づいて、人々が動物を食糧や実験台として搾取することを、共有地の悲劇と呼ぶ。
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この過去問の解説 (1件)
01
自然環境に関わる問題や取組みについての重要語句の理解度を問われている問題です。
不適当
予防原則についての説明です。
他者危害原則とは、「個人の自由に対する法的・社会的制限が許されるのは、他者に対する危害を抑止するのに必要なときに限られる」という考えのことです。
適当
自然の権利訴訟とは、自然保護を目的とした人間以外の自然物を原告とする訴訟のことです。
不適当
ナショナル・トラスト運動についての説明です。
グリーン・コンシューマー運動とは、環境に配慮した買い物をする消費者の活動のことです。
不適当
種差別(スピーシーシズム)についての説明です。
共有地の悲劇とは、多数者が利用できる共有資源が乱獲されることによって、資源の枯渇を招いてしまうことです。
コモンズの悲劇ともいいます。
自然環境に関わる問題や取組みについて、説明できるようにしておきましょう。
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