大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問27 (現代社会(第4問) 問6)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問27(現代社会(第4問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

マキタさんは、現代社会の授業を受けるなかで自由貿易体制と豊かさの問題について関心をもち、先生と放課後に話をすることにした。次の会話文を読み、後の問いに答えよ。

会話文
マキタ:格差是正のために、身近でできることがありますね。しかし、自由貿易体制で世界が豊かになる一方で、深刻な格差が生じるのは、不思議です。GDPは世界全体で成長し続けてきたというのに…。
先生:良い着眼点ですね。確かに、経済的豊かさを測る際に、GDPがよく使われますが、これは豊かさのごく一面しか見ていません。d GDPの計算のルールだと、貨幣を介した取引しか、原則的にGDPに含まれないのです。
マキタ:それだと、GDPは、豊かさを測る指標として適切ではないのですか?
先生:少なくとも、完全ではありません。このことは、国・地域の内部での経済格差の把握においても重要です。格差は、付加価値の総額だけでは捉えられず、他の指標も見る必要があります。例えばe ジニ係数を見ると、所得の格差の現状が把握できます。そこから、その是正について多様な方策があることが分かるのです。
マキタ:複数の視点から豊かさを考えることが大事なのですね。
先生:どんな問題にも、こうした複眼的思考が必要です。そのために、ただ与えられた知識を受け取るだけではなく、主体的に学び、考え、行動することが必要です。こうした学びの実践は、f 日本でも過去の思想家によって提唱されてきたことでもあります。私たちの直面する問題の解決に向けてどのような姿勢が必要なのか、そのヒントを与えてくれるはずです。

下線部fに関して、マキタさんは先生から福沢諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石を教えてもらった。次のア〜ウは、これらの人々の本から抜き書きしたカードである。このなかで、新渡戸稲造と夏目漱石のカードの組合せとして最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。


武士道はかかる[知識それ自体を目的とする]知識を軽んじ、知識はそれ自体を目的として求むべきではなく、叡智(えいち)獲得の手段として求むべきであるとなした。それ故に、この目的にまで到達せざる者は、注文に応じて詩歌名句を吐きだす便利な機械に過ぎざるものとみなされた。かくして知識は人生における実践躬行(きゅうこう)と同一視せられ[た。]
(注1)実践躬行とは、知識の実践的適用のことである。
(注2)一部表現を改変している。以下のカードも同様である。


身分重くして貴ければ自(おの)ずからその家も富んで、下々(しもじも)の者より見れば及ぶべからざるようなれども、その本(もと)を尋ぬればただその人に学問の力あるとなきに由(よ)って、その相違も出来(いでき)たるのみにて、天より定めたる約束にあらず。諺(ことわざ)に云(いわ)く、天は富貴(ふうき)を人に与えずしてこれをその人の働きに与うるものなりと。……人は生れながらにして貴賤(きせん)貧富の別なし。


たとえば西洋人がこれは立派な詩だとか、口調が大変好(よ)いとかいっても、それはその西洋人の見る所で、私の参考にならん事はないにしても、私にそう思えなければ、到底受売(うけうり)をするべきはずのものではないのです。私が独立した一個の日本人であって、……これくらいの見識は国民の一員として具(そな)えていなければならない上に、世界に共通な正直という徳義を重んずる点から見ても、私は私の意見を曲げてはならないのです。
  • 新渡戸稲造 ― ア  夏目漱石 ― イ
  • 新渡戸稲造 ― ア  夏目漱石 ― ウ
  • 新渡戸稲造 ― イ  夏目漱石 ― ア
  • 新渡戸稲造 ― イ  夏目漱石 ― ウ
  • 新渡戸稲造 ― ウ  夏目漱石 ― ア
  • 新渡戸稲造 ― ウ  夏目漱石 ― イ

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