大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問55 (倫理(第3問) 問8)
問題文
別の日の放課後、EとFは、授業で行った哲学対話の振り返りをした。
E:哲学対話、やってみてどうだった?
F:哲学者の理論ありきではなくて、あえてd 自分で考えてみるっていうのが新鮮だった。もやもやした思考を言葉にするのは難しかったけどね。でも、自分の経験に即して話すから地に足が着いてる感じがした。
E:分かる。e 対話って、討論とか普段の会話とは違うんだなって思った。対話の場にいる自分も、いつもの自分とは違う感じがした。ちょうどこの間の放課後、主体性について話したでしょ。対話をしたら、主体性をどう考えたらいいのか、少し見えた気がするんだ。
F:そうなんだね。主体性について、今はどんな風に考えてるの?あと、対話前に、Eさんは不安だって言ってたよね。それは大丈夫だった?
E:最初は不安だったけど、ひたすら話を聴いて考えているうちに楽しくなった。それで、主体性については二つ発見したことがあるよ。一つは、いろんな考え方やあり方を共有する対話の場に、「私たち」っていう共同の主体が現れているんじゃないかってこと。でも、その中で「私」っていう個人の主体性は消えてしまうわけじゃなくて、むしろ私らしく存在してた。聴くのが好きな自分をいつも以上に実感できたから。
F:Eさんは、自分を含めた対話の輪そのものが主体だと感じたんだね。面白い。この間の授業で習ったf ヘーゲルの思想を思い出すなあ。…それで、もう一つは?
E:主体性って何なのか、まだ分からないんだけど、ちょっと広い視野で考えられるようになったってことだよ。
F:それってどういうこと?
E:対話のおかげで主体性に関する問いが増えて、今後何をどう考えればいいのか、その地図を手に入れたような感じがするっていうこと。
F:分からなさをポジティブに捉えられるようになったんだね。
E:そう。授業前は対話とか気が進まなかったけれど、今は、新しい問いでもっと対話をしてみたいなって思う自分がいるんだよね。
この翌日、Eは、自主的に哲学対話の会を開こうと思い立ち、他の生徒たちへの呼び掛けとして、次の趣旨説明を作成した。以上の会話も踏まえて、趣旨説明の( a )に入る記述として最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
趣旨説明
〇月〇日の放課後に、哲学対話の会を開きたいと思います。哲学対話は、日々の生活の中で気になる様々な事柄について、みんなで一緒に問い、考え、語り、聴くという活動です。
この会を開催するに及んだきっかけは、先日、倫理の授業で哲学対話をして、その前後で「主体性」について自分なりに考えた経験です。対話後に、私は、( a )と考えました。そこで、自分でもっと対話の場を作ってみたいと思いました。気になる問いを共有し、対話で深め、一緒に探究する楽しさを共有しませんか?
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問55(倫理(第3問) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)
別の日の放課後、EとFは、授業で行った哲学対話の振り返りをした。
E:哲学対話、やってみてどうだった?
F:哲学者の理論ありきではなくて、あえてd 自分で考えてみるっていうのが新鮮だった。もやもやした思考を言葉にするのは難しかったけどね。でも、自分の経験に即して話すから地に足が着いてる感じがした。
E:分かる。e 対話って、討論とか普段の会話とは違うんだなって思った。対話の場にいる自分も、いつもの自分とは違う感じがした。ちょうどこの間の放課後、主体性について話したでしょ。対話をしたら、主体性をどう考えたらいいのか、少し見えた気がするんだ。
F:そうなんだね。主体性について、今はどんな風に考えてるの?あと、対話前に、Eさんは不安だって言ってたよね。それは大丈夫だった?
E:最初は不安だったけど、ひたすら話を聴いて考えているうちに楽しくなった。それで、主体性については二つ発見したことがあるよ。一つは、いろんな考え方やあり方を共有する対話の場に、「私たち」っていう共同の主体が現れているんじゃないかってこと。でも、その中で「私」っていう個人の主体性は消えてしまうわけじゃなくて、むしろ私らしく存在してた。聴くのが好きな自分をいつも以上に実感できたから。
F:Eさんは、自分を含めた対話の輪そのものが主体だと感じたんだね。面白い。この間の授業で習ったf ヘーゲルの思想を思い出すなあ。…それで、もう一つは?
E:主体性って何なのか、まだ分からないんだけど、ちょっと広い視野で考えられるようになったってことだよ。
F:それってどういうこと?
E:対話のおかげで主体性に関する問いが増えて、今後何をどう考えればいいのか、その地図を手に入れたような感じがするっていうこと。
F:分からなさをポジティブに捉えられるようになったんだね。
E:そう。授業前は対話とか気が進まなかったけれど、今は、新しい問いでもっと対話をしてみたいなって思う自分がいるんだよね。
この翌日、Eは、自主的に哲学対話の会を開こうと思い立ち、他の生徒たちへの呼び掛けとして、次の趣旨説明を作成した。以上の会話も踏まえて、趣旨説明の( a )に入る記述として最も適当なものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
趣旨説明
〇月〇日の放課後に、哲学対話の会を開きたいと思います。哲学対話は、日々の生活の中で気になる様々な事柄について、みんなで一緒に問い、考え、語り、聴くという活動です。
この会を開催するに及んだきっかけは、先日、倫理の授業で哲学対話をして、その前後で「主体性」について自分なりに考えた経験です。対話後に、私は、( a )と考えました。そこで、自分でもっと対話の場を作ってみたいと思いました。気になる問いを共有し、対話で深め、一緒に探究する楽しさを共有しませんか?
- 対話によって、多様な考え方を包み込んだ共同的な主体性が実現し、一人で抱えていた問いの答えも明確に分かるようになる
- 対話による共同探究において人々の思考が交わることで、共同的な主体性が生まれ、個々の考える主体も活性化する
- 主体性は、「私」という個人に備わるものではなく、人々が集まって対話的に探究を行う場に現れる「私たち」という共同的な次元に宿るものだ
- 対話での主体的なあり方とは、ただ傾聴するのではなく、共同探究の発展に貢献するために、自分の思考を自分の言葉で積極的に表現することだ
正解!素晴らしいです
残念...
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