大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問54 (倫理(第3問) 問7)
問題文
別の日の放課後、EとFは、授業で行った哲学対話の振り返りをした。
E:哲学対話、やってみてどうだった?
F:哲学者の理論ありきではなくて、あえてd 自分で考えてみるっていうのが新鮮だった。もやもやした思考を言葉にするのは難しかったけどね。でも、自分の経験に即して話すから地に足が着いてる感じがした。
E:分かる。e 対話って、討論とか普段の会話とは違うんだなって思った。対話の場にいる自分も、いつもの自分とは違う感じがした。ちょうどこの間の放課後、主体性について話したでしょ。対話をしたら、主体性をどう考えたらいいのか、少し見えた気がするんだ。
F:そうなんだね。主体性について、今はどんな風に考えてるの?あと、対話前に、Eさんは不安だって言ってたよね。それは大丈夫だった?
E:最初は不安だったけど、ひたすら話を聴いて考えているうちに楽しくなった。それで、主体性については二つ発見したことがあるよ。一つは、いろんな考え方やあり方を共有する対話の場に、「私たち」っていう共同の主体が現れているんじゃないかってこと。でも、その中で「私」っていう個人の主体性は消えてしまうわけじゃなくて、むしろ私らしく存在してた。聴くのが好きな自分をいつも以上に実感できたから。
F:Eさんは、自分を含めた対話の輪そのものが主体だと感じたんだね。面白い。この間の授業で習ったf ヘーゲルの思想を思い出すなあ。…それで、もう一つは?
E:主体性って何なのか、まだ分からないんだけど、ちょっと広い視野で考えられるようになったってことだよ。
F:それってどういうこと?
E:対話のおかげで主体性に関する問いが増えて、今後何をどう考えればいいのか、その地図を手に入れたような感じがするっていうこと。
F:分からなさをポジティブに捉えられるようになったんだね。
E:そう。授業前は対話とか気が進まなかったけれど、今は、新しい問いでもっと対話をしてみたいなって思う自分がいるんだよね。
下線部fに関して、ヘーゲルの「絶対精神」の説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問54(倫理(第3問) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
別の日の放課後、EとFは、授業で行った哲学対話の振り返りをした。
E:哲学対話、やってみてどうだった?
F:哲学者の理論ありきではなくて、あえてd 自分で考えてみるっていうのが新鮮だった。もやもやした思考を言葉にするのは難しかったけどね。でも、自分の経験に即して話すから地に足が着いてる感じがした。
E:分かる。e 対話って、討論とか普段の会話とは違うんだなって思った。対話の場にいる自分も、いつもの自分とは違う感じがした。ちょうどこの間の放課後、主体性について話したでしょ。対話をしたら、主体性をどう考えたらいいのか、少し見えた気がするんだ。
F:そうなんだね。主体性について、今はどんな風に考えてるの?あと、対話前に、Eさんは不安だって言ってたよね。それは大丈夫だった?
E:最初は不安だったけど、ひたすら話を聴いて考えているうちに楽しくなった。それで、主体性については二つ発見したことがあるよ。一つは、いろんな考え方やあり方を共有する対話の場に、「私たち」っていう共同の主体が現れているんじゃないかってこと。でも、その中で「私」っていう個人の主体性は消えてしまうわけじゃなくて、むしろ私らしく存在してた。聴くのが好きな自分をいつも以上に実感できたから。
F:Eさんは、自分を含めた対話の輪そのものが主体だと感じたんだね。面白い。この間の授業で習ったf ヘーゲルの思想を思い出すなあ。…それで、もう一つは?
E:主体性って何なのか、まだ分からないんだけど、ちょっと広い視野で考えられるようになったってことだよ。
F:それってどういうこと?
E:対話のおかげで主体性に関する問いが増えて、今後何をどう考えればいいのか、その地図を手に入れたような感じがするっていうこと。
F:分からなさをポジティブに捉えられるようになったんだね。
E:そう。授業前は対話とか気が進まなかったけれど、今は、新しい問いでもっと対話をしてみたいなって思う自分がいるんだよね。
下線部fに関して、ヘーゲルの「絶対精神」の説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
- 絶対精神は、世界を包括し歴史を動かす当のものであり、世界史の中では「世界精神」として働き、ある人物や民族の行為を通じて全ての人の自由を実現しようとする。
- 現実の社会は絶対精神に支配され、必然的な法則に基づいて歴史的に発展していくため、人間は個人の自由を制限して、その法則に従わなければならない。
- 歴史の発展は、全ての人の自由を実現するという理想のために苦闘する個人の自覚と努力によるのであり、そうした個人の強固な主体性が絶対精神と呼ばれる。
- 絶対精神は、歴史を根本で支配する精神であるが、常に理性的で自由な人間の行為によってその支配が覆される、「理性の狡知」と呼ばれる可能性を秘めている。
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