大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問52 (倫理(第3問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問52(倫理(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

以下を読み、後の問いに答えよ。なお、会話と問いのEとFは各々全て同じ人物である。

別の日の放課後、EとFは、授業で行った哲学対話の振り返りをした。

E:哲学対話、やってみてどうだった?
F:哲学者の理論ありきではなくて、あえてd 自分で考えてみるっていうのが新鮮だった。もやもやした思考を言葉にするのは難しかったけどね。でも、自分の経験に即して話すから地に足が着いてる感じがした。
E:分かる。e 対話って、討論とか普段の会話とは違うんだなって思った。対話の場にいる自分も、いつもの自分とは違う感じがした。ちょうどこの間の放課後、主体性について話したでしょ。対話をしたら、主体性をどう考えたらいいのか、少し見えた気がするんだ。
F:そうなんだね。主体性について、今はどんな風に考えてるの?あと、対話前に、Eさんは不安だって言ってたよね。それは大丈夫だった?
E:最初は不安だったけど、ひたすら話を聴いて考えているうちに楽しくなった。それで、主体性については二つ発見したことがあるよ。一つは、いろんな考え方やあり方を共有する対話の場に、「私たち」っていう共同の主体が現れているんじゃないかってこと。でも、その中で「私」っていう個人の主体性は消えてしまうわけじゃなくて、むしろ私らしく存在してた。聴くのが好きな自分をいつも以上に実感できたから。
F:Eさんは、自分を含めた対話の輪そのものが主体だと感じたんだね。面白い。この間の授業で習ったf ヘーゲルの思想を思い出すなあ。…それで、もう一つは?
E:主体性って何なのか、まだ分からないんだけど、ちょっと広い視野で考えられるようになったってことだよ。
F:それってどういうこと?
E:対話のおかげで主体性に関する問いが増えて、今後何をどう考えればいいのか、その地図を手に入れたような感じがするっていうこと。
F:分からなさをポジティブに捉えられるようになったんだね。
E:そう。授業前は対話とか気が進まなかったけれど、今は、新しい問いでもっと対話をしてみたいなって思う自分がいるんだよね。

下線部dに関連して、「哲学の第一原理」を探究する中で「私は考える、ゆえに私はある」と説いたデカルトについての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • 物事について正しく判断し、その真偽を見極める良識は万人に等しく与えられているため、その良識に基づき、極端な意見を排し穏健な意見に従うというやり方によって、方法的懐疑を遂行することができると説いた。
  • 精神と身体を独立した存在とみなす心身二元論(物心二元論)の立場から、両者の関係を道徳的な実践の問題として捉えることは誤りだと批判し、人間の精神と身体の連動を認めないとした。
  • 生まれつき備わる生得観念は存在せず、全ての観念は経験から得られるとし、経験によって与えられる観念の組合せから理性が複雑な観念を作り、その観念に名前を与えることで言葉のやり取りが可能になると考えた。
  • 当初は中世スコラ哲学を学んでいたが、それらの説に疑問を抱き、学校で学問を修めるのみならず「世間という大きな書物」を学び、学問の基礎を発見することが重要だと考えた。

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