大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問50 (倫理(第3問) 問3)
問題文
次の会話は、ある日の放課後に、高校生EとFが交わしたものである。
E:次回の倫理の授業では「哲学対話」をするって先生が言ってたね。いつもと違うことするのかなあ。趣旨は授業で説明してもらえるみたいだけど。
F:少し調べてみたんだけど、哲学対話は主体的に考えるための練習なんだって。小グループで輪になって話すみたい。
E:「主体的」か…。私、人前で話すのって苦手だな。発言する前に自分にa 偏見がないかどうか気になっちゃって。聴いている方が好きなんだよね。
F:倫理の話題ってデリケートな内容も多いしね。そういう話題だと、ますます話しづらい雰囲気になりそう。
E:人前で堂々と自分の考えを話せる人とか、何でも積極的に参加できる人って羨ましい。私も主体的になれたらなあ。
F:うーん、でもEさんって、いつも倫理の授業をしっかり聴いているし、誰かの深い話にも耳を傾けてくれるよね。そんなEさんは今一つ主体性に欠ける人ってことなの?分からなくなってきた。
E:確かに。b 今ここにいる私はそのままでも主体だよね?それなのに「主体性がない」とか、これ以上「主体的になれ」って言われると、この私が否定されて、なんだか私自身とは疎遠な「主体」に振り回されてる感じがする。
F:前に授業で習ったc フランクフルト学派の考え方っぽい。けど、哲学者はともかく、先生や他の人たちは、主体性って何だと思っているんだろうね。
E:気になる。
F:私たちが今しているみたいな、答えも出そうにない話、哲学対話でしてみてもいいのかなあ。
E:どうかな。私はやっぱりみんなの前でこういう話をするの、不安かも。
下線部cに関して、次のア〜ウは、ホルクハイマーとアドルノの思想の説明である。その正誤の組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
ア 人間が自由な主体となるために理性を行使することで自然支配を行ってきた結果、自らが構築した合理的なシステムがかえって人間から主体性を奪う逆説に陥っていることを指摘した。
イ 科学の進歩は事実の積み重ねによって構築されるのではなく、その時代の科学者集団に共通の規準と認められている理論的枠組みの転換によって、革命的に変化すると主張した。
ウ 既存の社会を支配する、いかなる目的にも奉仕する道具や手段としての道具的理性という近代的理性の性格について、合理化された社会における人間のあり方だと批判した。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問50(倫理(第3問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
次の会話は、ある日の放課後に、高校生EとFが交わしたものである。
E:次回の倫理の授業では「哲学対話」をするって先生が言ってたね。いつもと違うことするのかなあ。趣旨は授業で説明してもらえるみたいだけど。
F:少し調べてみたんだけど、哲学対話は主体的に考えるための練習なんだって。小グループで輪になって話すみたい。
E:「主体的」か…。私、人前で話すのって苦手だな。発言する前に自分にa 偏見がないかどうか気になっちゃって。聴いている方が好きなんだよね。
F:倫理の話題ってデリケートな内容も多いしね。そういう話題だと、ますます話しづらい雰囲気になりそう。
E:人前で堂々と自分の考えを話せる人とか、何でも積極的に参加できる人って羨ましい。私も主体的になれたらなあ。
F:うーん、でもEさんって、いつも倫理の授業をしっかり聴いているし、誰かの深い話にも耳を傾けてくれるよね。そんなEさんは今一つ主体性に欠ける人ってことなの?分からなくなってきた。
E:確かに。b 今ここにいる私はそのままでも主体だよね?それなのに「主体性がない」とか、これ以上「主体的になれ」って言われると、この私が否定されて、なんだか私自身とは疎遠な「主体」に振り回されてる感じがする。
F:前に授業で習ったc フランクフルト学派の考え方っぽい。けど、哲学者はともかく、先生や他の人たちは、主体性って何だと思っているんだろうね。
E:気になる。
F:私たちが今しているみたいな、答えも出そうにない話、哲学対話でしてみてもいいのかなあ。
E:どうかな。私はやっぱりみんなの前でこういう話をするの、不安かも。
下線部cに関して、次のア〜ウは、ホルクハイマーとアドルノの思想の説明である。その正誤の組合せとして正しいものを、後の回答選択肢のうちから一つ選べ。
ア 人間が自由な主体となるために理性を行使することで自然支配を行ってきた結果、自らが構築した合理的なシステムがかえって人間から主体性を奪う逆説に陥っていることを指摘した。
イ 科学の進歩は事実の積み重ねによって構築されるのではなく、その時代の科学者集団に共通の規準と認められている理論的枠組みの転換によって、革命的に変化すると主張した。
ウ 既存の社会を支配する、いかなる目的にも奉仕する道具や手段としての道具的理性という近代的理性の性格について、合理化された社会における人間のあり方だと批判した。
- ア:正 イ:正 ウ:誤
- ア:正 イ:誤 ウ:正
- ア:正 イ:誤 ウ:誤
- ア:誤 イ:正 ウ:正
- ア:誤 イ:正 ウ:誤
- ア:誤 イ:誤 ウ:正
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