看護師の過去問
第103回
午後 問225

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問題

看護師国家試験 第103回 午後 問225 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

A君(8歳、男児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に病院を受診した。1か月前に扁桃炎(tonsillitis)に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎(tonsillitis)は抗菌薬を内服し軽快した。血液検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎(poststreptcoccal acute glomerulonephritis)と診断されて入院した。入院時、A君は体温36.8℃、呼吸数20/分、脈拍は80/分、整で血圧132/80mmHgであった。

入院後2週間が経過した。症状は軽快したが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、A君はイライラして母親をたたくこともある。A君の母親は、毎日昼食後から夕食後まで面会をしている。
A君のストレスに対する看護師の対応で適切なのはどれか。
  • 「家にすぐ帰れるから頑張ろう」
  • 「お母さんにずっといてもらおう」
  • 「好きなだけテレビを観ていいよ」
  • 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、4です。

1 治療の基本は、安静臥床です。腎機能を回復するためには、約1~2ヶ月の入院が必要です。A君は、症状は軽快しているが、入院の必要があります。そのため、看護師の対応は、適切ではありません。

2 A君の母親は、毎日昼食後から夕食後まで面会をしています。A君は、イライラから母親を叩くこともあります。これ以上、面会時間を長くするのは、母親の負担が大きくなると考えられます。

3 テレビを見ることで、A君のストレスが軽減できるは、言えないです。他の方法を考えるべきです。

4 環境を変え、プレイルームに行くことで、A君のストレスが軽減できる可能性があります。他の患児とのふれ合いも大切です。

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02

正解は4です。

1:糸球体腎炎は、急性期を過ぎれば軽快に向かいますが、完治するまでに数か月かかります。急性期中は安静臥床が必要であり、腎機能の回復を待って1~2か月で離床をします。

2:すでに母親は午後から夕食後まで面会に来ていますし、Aくんはイライラして母親を叩くこともあるとあります。長期療養が必要なため、面会時間を増やすことで、母親も体調を崩してしまう可能性もあります。

3:Aくんは8歳であり、動きたがる年齢でもあります。長期療養になるため、テレビを見てもストレス発散できるとは考えられません。

4:安静臥床が必要なため、ベッド移動になってしまいますが、病室から出ることにより気分転換も図れますし、他の病児とも話すことができるため、ストレス発散につながると考えられます。

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03

正解は 4 です

1:急性腎炎は慢性腎炎に比べれば、急性期を脱したのち症状が軽快していくまでの期間は短いですが、血尿やタンパク尿が見られなくなるまでは、1〜3ヶ月ほどかかります。
入院2週間目では「すぐ帰れる」という表現は適切ではなく、8歳の児童に対して、その場しのぎの嘘をつくのはその後のスタッフとの信頼関係の構築にあたっても望ましくありません。


2:すでに母親は午後のほとんどの時間を付き添っており、その上Aくんは八つ当たりで母親を叩いたりもしています。
これ以上の面会時間の延長は親子の関係性の構築にも悪影響を及ぼす可能性が高く、その上母親が体調を崩しかねません。


3:活動性が出てきている8歳の児童が、テレビを見るだけでストレスを解消できるとは考えられないため、この選択肢も誤りです。


4:ベッドごととは言え、病室の外に出て普段と違う風景や空気を感じたり、遊びにきている他の児童と触れ合ったりすることは同室の児が退院してしまい、退屈しているAくんには良い刺激となるでしょう。
その際は悪化を防ぐため、カードゲームや折り紙など活動性の少ない遊びをするようにAくん本人にも、また周囲の児童にも説明する必要があります。

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