看護師の過去問
第104回
午前 問12
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問題
看護師国家試験 第104回 午前 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
最も緊急性の高い不整脈(arrhythmia)はどれか。
- 心房細動(atrial fibrillation)
- 心室細動(ventricular fibrillation)
- Ⅰ度房室ブロック(first degree atrioventricular block)
- 完全右脚ブロック(complete right bundle branch block)
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この過去問の解説 (3件)
01
心房細動(atrial fibrillation)は心房内で電気刺激がバラバラに起きる不整脈です。内服薬や点滴で不整脈をコントロールしていきます。
2 . ○
心室細動(ventricular fibrillation)は心室内で電気刺激がバラバラに発生し、正常に収縮することができず、ぶるぶる震えている状態です。ほおっておくと死に至ります。すぐに胸骨圧迫、除細動が必要です。
3 . ✖️
房室ブロックとはP波が心室にスムーズに伝わらない不整脈です。Ⅰ度房室ブロック(first degree atrioventricular block)は房室結節内での伝導が遅れることを言います。
4 . ✖️
右脚ブロックは右脚の刺激伝導系が障害された状態です。完全右脚ブロック(complete right bundle branch block)はHis束からの刺激が完全に伝わらない状態で、左脚の刺激が左室を通して右室に伝わります。
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02
1:×
心房細動とは、心臓を上下左右4つの部屋として区別した場合の上2つ、左右の心房のどこかしらが異常(本来のリズム外)な電気的興奮を発してしまい、心室全体が痙攣のように拍動することを言います。
心室だけが拍動するだけならば、多少心室に送られる血液量が少なくなるだけで済むのですが、ここで問題なのはこの異常な電気的興奮を、心室に電気興奮を伝達する役目を持つ房室結節が拾ってしまい、異常な拍動が心室にも及んでしまうことが問題なのです。
そうすると、心臓全体が細かく拍動し、拍出される血液量は減り、重症化した場合、血圧低下や脳の酸素不足などが引き起こされます。
また、心房が痙攣することで心房内の血流が滞り、血栓ができやすくなることも心筋梗塞や肺塞栓の危険性を上げてしまいます。
ただし、心房細動が起こっている患者のほとんどは自覚症状がなく、発生してすぐに心室にまで異常興奮が伝達するわけではないため、緊急性はそこまで高くありません。
2:○
心室細動はもっとも危険な不整脈のひとつで、心臓内では大きな割合を占める心室が細かく痙攣している状態です。
一般的には1分間に300回以上の痙攣をいい、こうなることで全身に血液を送り出す役目の左心室からの血液の駆出が極端に減少し、全身および脳へ運ばれる酸素量が低下し、血圧低下や意識消失を引き起こします。
そうなると、即座に命に関わる危険性もあります。
心室細動にははじめから一気にそれが起こる場合と、心室頻拍(心室を原発とする頻脈)が発生してからしばらくして、心室細動に移行する場合とがあります。
どちらにしても、直ちに電気的除細動を行い、正常なリズムに引き戻す必要があります。
3:×
Ⅰ度房室ブロックは、房室ブロックの種類の中でも軽度で、スポーツ選手や若年層にも見られる症状で、迷走神経の緊張が高まっている場合に発生します。
心臓の電気的興奮の伝わる順序を簡単に述べると洞結節→房室結節→ヒス束→左脚・右脚となりますが、このヒス束→左脚・右脚(心電図でいうとP派→Q派が始まるまで)の間隔が通常より長い状態です。
心房で発生した興奮が心室に伝達するまでの時間が延長するのですが、脈拍の欠損はほとんどなく、多少拍動が遅れる程度で他の疾患に比べ、緊急性は高くありません。
4:×
完全右脚ブロックとは、電気信号伝達順序の最後の部分である右脚に電気信号が流れない状態をいいます。
だからといって、右心室が拍動しないということはなく、左脚から伝播する形で電気的興奮は受け取ることができるため、多くは自覚症状を伴わず心室細動ほど緊急性は高くありません。
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03
×1 . 心房細動(atrial fibrillation)
文字のとおり、心房が小刻みに震えるため、心室から送り出される血液量が減って循環動態が悪化したり、血栓ができやすくなります。
脳梗塞や心筋梗塞の原因疾患となりやすく、治療を要しますが、緊急性を要する状態とまではいきません。
○2 . 心室細動(ventricular fibrillation)
心筋細胞が無秩序に動いている状態であり、心臓が機能していない状態。意識喪失、全身痙攣を起こし無呼吸であることが多い。
速やかにAED(除細動器)を使用することが望ましく、早期対応が遅れると致死率が高くなる。
×3 . Ⅰ度房室ブロック(first degree atrioventricular block)
心房から心室への刺激伝道に障害がある状態です。
ブロックにはⅠ度~Ⅲ度があり、数字が大きくなるにつれて重症度は増します。
Ⅰ度房室ブロックはこの中では軽症であり、原疾患がある場合を除き、通常は治療を要しません。
×4 . 完全右脚ブロック(complete right bundle branch block)
右脚ブロックの中には、突然死を招くブルガダ症候群を疾患としてもつ人もいるが、健常者でみられる右脚ブロックは原則として治療を要しません。
自覚症状がない人もいます。
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