看護師の過去問
第104回
午前 問92
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問題
看護師国家試験 第104回 午前 問92 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(54歳、男性)は、10年前に心筋梗塞(myocardial infarction)を発症し、2年前に慢性心不全(chronic heart failure)と診断され外来受診を続けてきた。1週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、4日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、Aさんは定期受診のため来院し、心不全(heart failure)の増悪と診断され入院した。入院時、体温36.3℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整で、血圧124/72mmHgであった。心エコー検査で左室の駆出率28%であった。体重は1週間で4kg増加し下肢の浮腫がみられる。
Aさんの咳嗽を軽減する方法で最も適切なのはどれか。
Aさん(54歳、男性)は、10年前に心筋梗塞(myocardial infarction)を発症し、2年前に慢性心不全(chronic heart failure)と診断され外来受診を続けてきた。1週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、4日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、Aさんは定期受診のため来院し、心不全(heart failure)の増悪と診断され入院した。入院時、体温36.3℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整で、血圧124/72mmHgであった。心エコー検査で左室の駆出率28%であった。体重は1週間で4kg増加し下肢の浮腫がみられる。
Aさんの咳嗽を軽減する方法で最も適切なのはどれか。
- 起坐位を保つ。
- 腹式呼吸を促す。
- 部屋の湿度を30%に保つ。
- 超音波ネブライザーを使用する。
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この過去問の解説 (3件)
01
左心不全により、肺うっ血が生じることで咳嗽がみられています。
心不全の場合、起座位をとることで、横隔膜が下がり、呼吸面積が広がるため、肺の伸展がしやすくなります。
また、下肢や腹部の静脈に血液がたまり、心臓に戻ってくる血液が減少するので、肺うっ血が軽減され、呼吸がしやすくなります。
2. →COPDなどの呼吸器疾患の患者には、腹式呼吸が有効です。
3. →室内の乾燥により咳嗽が誘発される場合は、加湿することで症状の軽減を図ることが出来ます。
心不全の場合は、症状の軽減はあまり期待されません。
4. →喘息や喀痰が困難な場合は、ネブライザーを使用することで症状の緩和を図ることが出来ます。
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02
1.正解。A氏の咳嗽や息苦しさは左心不全により、肺に血液が鬱滞するために起きるものです。したがって、起坐位を保ち心臓に戻る血液の量(静脈還流量)を減少させることで呼吸苦を軽減させることができます。
2.誤り。
3.誤り。室内空気の乾燥による咳嗽の場合、湿度を60〜70%とすることで軽減されますが、この場合は心不全による咳嗽であることから、室内環境の調整での改善は見込まれません。
4.誤り。ネブライザーは喘息症状がある患者に対し、液体の吸入薬を霧状にし、喀痰の排出を促す場合に使用します。
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03
左心の機能低下
↓
右心への静脈還流の増加
↓
肺血流の増加
↓
肺うっ血
↓
息苦しさや咳嗽、ピンクの泡沫痰
この場合、起坐位を保つことで静脈還流を減少させることができるので、呼吸器症状の緩和が期待できます。
正解は1.起坐位を保つ。です。
2,3,4はいずれも呼吸器疾患がある場合に、症状の緩和が期待できます。
Aさんは呼吸器疾患についての記述がないので、心不全による呼吸器症状だと考えます。
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