看護師の過去問
第104回
午前 問94

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問題

看護師国家試験 第104回 午前 問94 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(52歳、男性)は、5年前に健康診断で高血圧を指摘されていたが、そのままにしていた。5年ぶりに健康診断を受けたところ尿蛋白+で、内科を受診し腎機能障害を指摘された。Aさんは、身長160cm、体重56kgであり、体温36.1℃、呼吸数18/分、脈拍64/分、整で、血圧166/96mmHgであった。血液検査データは、Hb9.3g/dL、アルブミン3.6g/dL、クレアチニン2.3mg/dL、HbA1c5.6%、K3.9mEq/L、推算糸球体濾過量〈eGFR〉25mL/分/1.73m2であり、特に自覚症状はなく、浮腫はみられない。

腎機能の悪化によるものと考えられるデータはどれか。
  • 体重
  • 血清カリウム値
  • ヘモグロビン値
  • 血清アルブミン値

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この過去問の解説 (3件)

01

答えは3です。

1.Aさんは体重56kg、身長160cmです。
BMI:56÷1.6÷1.6=21.8
正常値です。


2.血清カリウム値の正常値:3.5~5.0 mEq/l

腎機能の悪化でカリウムは上昇するので、重要な検査項目ですが、現在の値は正常値です。


3.ヘモグロビン値の正常:13~16 g/dl(男性)
             11~14 g/dl(女性)
Aさんのヘモグロビン値は9.3 g/dlなので、貧血です。

腎臓ではエリスロポエチン(赤血球の生産を促すホルモン)が作られていますが、腎機能低下によりエリスロポエチンも減少し、貧血になります。


4.アルブミン値の正常:3.5~5.5 g/dl

腎機能の悪化でアルブミンは上昇するので、重要な検査項目ですが、現時点では正常値です。

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02

正解:3. ヘモグロビン値

腎臓は、エリスロポエチンを分泌し、赤血球を作るよう骨髄に働きかけています。
腎機能が低下すると、エリスロポエチンの分泌量が減り、赤血球を作るよう骨髄への指令がいかず、赤血球とともにヘモグロビン数も減少するため、貧血になります。
Aさんは、Hb9.3g/dL(男性の正常値:13~16g/dl)で貧血状態です。


1. →腎機能が悪化し、浮腫を伴う時に体重増加がみられることがありますが、Aさんの体重は正常範囲です。

2. →腎機能低下により、老廃物や水分の排出能が低下するため、電解質バランスが崩れます。
そのため、血清カリウム値は重要な検査項目ですが、Aさんのカリウム値は正常範囲です。

4. →腎機能が低下すると、アルブミンが尿中に排泄されるため、血清アルブミン値は低下します。
腎機能を評価するのに重要な検査項目ですが、Aさんの血清アルブミン値は正常範囲です。

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03

正解は3です。

1.誤り。体重は標準体重(56.3kg)です。

2.誤り。血清カリウム値は正常値です。

3.正解。ヘモグロビン値は9.3g/dl(男性の正常値は13〜16g/dl)で貧血です。腎不全が進行すると、造血を促進するホルモンであるエリスロポエチンの分泌が現象することで、腎性貧血をきたします。

4.誤り。血清アルブミン値は正常値です。

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