正解は 4 です
1:×
人は専門用語を用いて話されると、内容を理解していなくとも反射的にうなずいてしまったり、そもそも話を聞こうとする意欲が削がれるという傾向があります。
患者さんと話すときにはできる限り専門用語の使用を避け、わかりやすい説明をつけたり一般的な単語に直して話す必要があります。
また同様に、病状説明の際に医師が話した内容の理解度を確認し、必要があれば内容を噛み砕いて重ねて説明を行うのも看護師の重要な役割です。
医療の現状の問題点 - 国立国語研究所
https://www2.ninjal.ac.jp/byoin/teia
医療安全とコミュニケーション - 医療安全推進者ネットワーク
http://www.medsafe.net/specialist/71comunication.html
2:×
視線を合わせずに会話をすることは、もっとも避けなければならない行動のひとつです。
行動認知学の分野において、人間だけではなく多くの哺乳類は(もちろん例外はありますが)目を合わせない対象に対しては「なにかやましいことがあるのではないか」といった不信感や嫌悪感などの不快感情を抱きやすく、信頼関係の構築にマイナスの作用を及ぼすという結果が出ています。
患者ー看護師間でのコミュニケーションでは信頼感の確率が重要とされ、信頼関係が築けないままでは理解してもらえるはずの説明でも理解されず、聞き出せたはずの情報も聞き出すことができなくなります。
また、詳しくは後述しますが目を合わせないということは患者の表情を見る機会も減ってしまい、言葉には表現されない患者の感情や理解度を見逃してしまう危険性があります。
よってこの選択肢は4つのうち最も行ってはならない部類の行動です。
3:×
沈黙が生じた時点で会話が終了された場合を、自分が会話している場合に置き換えて想像してみると分かりやすいのではないかと思うのですが、一般的にこの様な行動を取られた患者さんは「忙しいのかな、それなら話しかけないでおこう」とか「自分に割く時間はあの看護師にはないのかな」と感じます。
そうなると根本的な信頼関係の構築であったり、患者さんからの質問やリアクションを妨げてしまい良好なコミュニケーションを図ることは難しくなります。
よってこの行動も不適切です。
4:◯
「非言語的な表現」とは、表情や顔色、姿勢、身振りなどの言葉にされない部分で表現されるコミュニケーションの方法のことです。
例えばなにか説明をした際に発語では「はい」と言いながらも首をかしげる仕草をしていたり、黙ったままの状態で両手を握りしめていたりということがあれば、一旦その時点でその会話は止めるべきかもしれません。もしくは、言葉を噛み砕いてみたり、なにか不安な点があればまずは話してみて欲しい、と気持ちの表出を促すことも有効な手段かもしれません。
そういった言葉だけではない患者さんの全ての反応を観察・分析し、看護師は円滑な治療を行うために必要な行動を導き出していく必要があります。