看護師の過去問
第105回
午後 問222

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第105回 午後 問222 (訂正依頼・報告はこちら)

Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb13.9g/dL、Ht44%、白血球9,500/μL、尿素窒素31mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na141mEq/L、K4.8mEq/L、Cl94mEq/L、随時血糖900mg/dL。動脈血ガス分析は、pH7.21、BE−12.3、HCO3−10.9mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。

Aちゃんは、インスリンの持続的な注入を開始し、3日後、血糖値が安定した。1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)と診断が確定しインスリン自己注射を始めることになった。ペン型注入器を用いて、毎食前に超速効型インスリンの皮下注射、21時に持効型溶解インスリンの皮下注射を行うという指示が出ている。

Aちゃん及び両親は、1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の療養生活に必要な知識や手技を順調に獲得した。血糖値が良好にコントロールされたため、退院に向けてAちゃんと両親、主治医、担当看護師および学校の関係者との間でこれからの学校生活について話し合った。
医療者から学校の関係者に伝える内容で最も適切なのはどれか。
  • 「長距離走や水泳の授業は見学させてください」
  • 「宿泊を伴う校外活動は保護者の同伴が必要です」
  • 「教室内にインスリン注射を行う場所を設けてください」
  • 「家庭科の調理実習は同級生と違う献立にしてください」
  • 「手指の震えや強い空腹感があるときはブドウ糖の補食が必要です」

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1 .× 「長距離走や水泳の授業は見学させてください」
→1型糖尿病で運動制限は必要ありませんが、低血糖症状等が出現した際等はブドウ糖を補給する等の対処が必要です。

2 .× 「宿泊を伴う校外活動は保護者の同伴が必要です」
→学校側が低血糖等に対する対応を理解し、対処が出来ていれば、保護者同伴でなくても宿泊は可能です。

3 . ×「教室内にインスリン注射を行う場所を設けてください」
→Aちゃんはインスリン依存性の1型糖尿病である為、インスリン皮下注射は必須ですが、必ずしも教室で行う必要はありません。

4 . ×「家庭科の調理実習は同級生と違う献立にしてください」
→1型糖尿病は、2型糖尿病と異なり、生活習慣病ではない為、食事制限は必要ないのでメニューは変えなくて良いです。

5 .○ 「手指の震えや強い空腹感があるときはブドウ糖の補食が必要です」
→手指の振戦や冷や汗、めまい等は低血糖症状です。低血糖症状を知り、ブドウ糖を補給するという対処を知っておくことは重要といえます。

参考になった数1

02

正解:5
1、長距離走や水泳の授業を見学する必要はありません。ただし、低血糖症状の出現には注意が必要です。

2、宿泊を伴う校外学習は、学校側に低血糖症上の出現に注意するように、症状が出た時の対処方法などを事前に伝え、理解を得ることができれば、保護者が同伴する必要はありません。

3、必ず教室で行う必要はありません。

4、調理実習の献立を違う献立にする必要はありません。

5、手の震えや空腹感は低血糖症状なので、注意が必要です。その際は補食の必要があります。このことを学校側に説明し、理解を得る必要があります。

参考になった数0

03

正解は5です。
1型糖尿病は生活習慣病ではないため、特別な食事や運動、その他、学校生活上の制限は不要です。しかし、空腹時や運動時など低血糖症状をきたす可能性があるため、低血糖症状とその対処方法(捕食)については学校側へ伝え、理解を得る必要があります。その他、療養行動であるインスリン注射が必要である旨を伝えておきます。

1.長距離や水泳の授業も普段どおり行って問題ありません。ただし、低血糖症状に注意し、低血糖時には捕食などの対応が必要であることを学校に理解してもらう必要があります。
2.宿泊を伴う校外活動は、低血糖症状に注意し、低血糖時の対応が必要であることの理解が得られれば、保護者の同伴は不要です。
3.インスリン注射はAちゃんのやりやすい場所で行えればよく、教室内に特別に設定する必要はありません。希望によっては保健室や職員室、校長室などで行っている例もあるようです。
4.給食や調理実習の献立も特別に設定する必要はなく、みんなと同じ献立で問題ありません。

参考になった数0