看護師の過去問
第106回
午後 問238
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問題
看護師国家試験 第106回 午後 問238 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(32歳、女性)は、営業で外出の多い業務を担当している。1か月前から発熱、倦怠感、関節痛および顔面の紅斑が出現し、近くの医療機関を受診したところ全身性エリテマトーデス〈SLE( systemic lupus erythematosus )〉と診断され治療目的で入院した。入院時所見は身長160cm、体重55kg。血圧142/80mmHg。血液検査データは、白血球4,400/μL、血小板17.5万/μL、Hb12.5g/dL、クレアチニン2.5mg/dL、抗核抗体は陽性であった。
Aさんはプレドニゾロン60mg/日のステロイド治療が開始となった。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。
Aさんはプレドニゾロン60mg/日のステロイド治療が開始となった。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。
- 「食事の制限はありません」
- 「倦怠感が強いときは薬の中止を検討します」
- 「薬の影響で気分が大きく変動するかもしれません」
- 「職場復帰に備えて天気の良い日は散歩しましょう」
- 「治療で病状が改善すると抗核抗体が陰性になります」
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この過去問の解説 (3件)
01
1.誤り。ステロイド薬の副作用に食欲増進があります。
2.誤り。ステロイド薬の中断は血圧低下や吐き気などのステロイド離脱症症候群を引き起こす場合があります。
3.正解。ステロイド薬の副作用に不眠や軽度のうつなどの精神症状が出現する場合があります。
4.誤り。全身性エリテマトーデスの蝶形紅斑は日光による暴露で悪化します。治療中は日光刺激は避けて生活することが望ましいです。
5.誤り。治療経過と抗核抗体に関連性はありません。
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02
薬物療法 ステロイド
体内の副腎で分泌されているホルモン(副腎皮質ホルモン)の働きに似せて合成された薬物です。
炎症や免疫反応を抑える働きに期待して、SLE治療の中心として使用されています。
ステロイド治療では、様々な副作用があります。
体重増加・ムーンフェイス・感染症・糖尿病・骨粗鬆症・不安・抑うつなどがあります。
ステロイドは、症状が改善すれば徐々に減量していきますが、急に中断すると症状が悪化して再び量を増やさなければならなくなります。
ステロイド治療で気分が大きく変動する可能性があることを、伝えておく必要があります。
1.腎機能が低下しているので、腎臓に負担のかからない低蛋白質の食事を摂取してもらいます。
消化の良いバランスの取れた食事が望ましいです。
ステロイドの副作用で食欲が亢進して食べ過ぎてしまう可能性があるので注意が必要です。
2.ステロイドは、症状が改善すれば徐々に減量していきますが、急に中断すると症状が悪化して再び量を増やさなければならなくなります。
薬の内服については、医師の指示に従うことを伝えます。
4.適度な運動は、ストレス解消や肥満予防になるので問題はありませんが、翌日に疲労が残らない程度が目安です。
光過敏症がある患者さんは、屋外に出る際は紫外線対策を十分に行っていくことを説明します。長時間紫外線を浴びないように伝えます。
5.抗核抗体は、全身性エリテマトーデスで血液中に出現します。治療を行って症状は軽快しても、抗核抗体が陰性になるとは限りません。
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03
以下、他の選択肢が不正解である理由です。↓
1 ステロイド内服により、食欲が亢進されますが、腎機能低下がみられているため、高たんぱくな食事を行うと腎負荷が生じるため、食事制限を考える必要があります。
2 ステロイド内服により、副作用で気分不快が生じる可能性があります。しかし、ステロイドを中止するとステロイド離脱症状があらわれることがあるため、中止の検討は第一選択とはなりません。まずは倦怠感への対処を考えることが優先と考えます。2は不正解です。
4 散歩を行うこと自体は問題はないですが、プレドニゾロン内服を行う上で、まず行うべき説明としては適切ではありません。プレドニゾロン内服にあたり、気をつける副作用は非常にたくさんありますので、まずは選択肢3のような説明を行うことが適切です。なお、エリテマトーデスでは日光過敏症がみられるため、日光を浴びるような行動を勧める発言も不適切です。
5 ステロイド治療で根治できるわけではありません。また病状が改善しても、抗核抗体が陰性になるとは言えませんので、5は不正解です。
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