看護師の過去問
第109回
午前 問44

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問題

看護師国家試験 第109回 午前 問44 (訂正依頼・報告はこちら)

肝動脈塞栓術〈 TAE 〉の適応となる疾患はどれか。
  • 脂肪肝( fatty liver )
  • 急性A型肝炎( acute hepatitis A )
  • 肝細胞癌〈 HCC 〉( hepatocellular carcinoma )
  • アメーバ性肝膿瘍( amoebic abscess of the liver )

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この過去問の解説 (3件)

01

正答:3

解説:肝動脈塞栓術とは原発性肝がん(約90%:肝細胞がん、10%:胆管細胞がん)の治療法で、動脈へ抗がん剤や塞栓物質を注入し、肝細胞がんへの栄養を途絶し、がんを死滅させる治療法です。

1、脂肪肝:幹細胞中に中性脂肪(トリグリセリド)が過剰に沈着した状態で、減量と運動治療で予後は良好です。

2、急性A型肝炎:糞便を介した経口感染の肝炎ウイルスが幹細胞に急性炎症病変を来すもので、保存的治療で99%が治癒します。

4、アメーバ性肝膿瘍:赤痢アメーバの経口、性的接触感染により腸管から経門脈的に肝臓に移行し、肝膿瘍になったものです。治療方法は抗菌薬、抗原虫薬の投与で、予後は良好です。

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02

肝動脈塞栓術〈 TAE 〉とは、足の付け根の動脈(大動脈)に造影剤を注入しながらカテーテルを挿入し、肝臓の動脈まで進めていき目的の部位(腫瘍のすぐ近くの動脈)まで到達させたら、腫瘍を固める薬や腫瘍に栄養を運んでいる動脈を塞いでしまう薬をいれる治療法です。この治療は肝細胞から発生する肝細胞がんに行われます。
よって、3 .肝細胞癌〈 HCC 〉( hepatocellular carcinoma )が正解です。

1 .脂肪肝( fatty liver )とは、脂質のひとつである中性脂肪が肝臓内に多く蓄積する状態です。 治療として、アルコール摂取の減量や食事療法、運動療法での減量などが行われます。よって、×。
2 .急性A型肝炎( acute hepatitis A )とは、A型肝炎ウイルスに感染することで起きる急性疾患です。治療として、入院し安静を保って自然治癒を待ちます。食事療法や輸液などが行われます。劇症肝炎への移行を防ぐために早期にステロイドを投与する場合もあります。
4 .アメーバ性肝膿瘍( amoebic abscess of the liver )とは、腸管に感染したアメーバ原虫が腸壁より血行性に肝臓に移行することで形成されます。治療として、第一選択は抗原虫剤の内服です。腫瘍が破裂する危険性がある場合などでは、膿瘍ドレナージが必要になることがあります。

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03

正解:3
(解説)
肝細胞癌は、進行すると肝動脈の血流が豊富になり、腫瘍にも栄養を供給するようになるという特徴があります。肝動脈塞栓術(TAE)は、肝細胞癌に対する治療のひとつです。具体的には、鼠径動脈からカテーテルを挿入し、適宜カテーテルから造影剤を注入しながら、腫瘍の場所や腫瘍を栄養している動脈を見極め、カテーテルを進めていきます。肝臓内の腫瘍を栄養する細い動脈までカテーテルを進めたら、抗癌剤と塞栓物質を注入し、抗癌剤で腫瘍を攻撃+腫瘍を栄養している動脈の血流を遮断することで腫瘍細胞を壊死させる治療方法になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りになります。
1. 脂肪肝:中性脂肪が肝臓に蓄積する疾患です。原因は、アルコールの過剰摂取や肥満、生活習慣病などがあげられ、放置すると肝炎や肝硬変、肝臓がんに進行するリスクもあります。生活習慣の改善、場合によっては、肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ薬物を使用することもあります。
2. 急性A型肝炎:A型肝炎ウイルスによる疾患です。上下水道設備が不十分な地域や衛生環境が劣悪な地域での発生が多く見られます。原則としては、急性期には入院・安静加療を要し、特別な治療はなく、対症療法が中心です。
4.アメーバ性肝膿瘍:腸から体内に侵入した赤痢アメーバという寄生虫が、門脈の血流にのって、肝臓に膿の溜まりを作ることによって発症します。抗菌薬の投与のみで治療できることもありますが、場合によっては、膿を穿刺廃液またはドレナージすることもあります。

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