看護師の過去問
第110回
午後 問240
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問題
看護師国家試験 第110回 午後 問240 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん( 88歳、男性)は、10年前に脳梗塞( cerebral infarction )を発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。
身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。
バイタルサインは、体温 37.5℃、呼吸数 20/分、脈拍 100/分、血圧 140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2> 98%( room air )。
検査所見:赤血球 410万/μL、白血球 6,800/μL、Ht 50%、総蛋白 6.5g/dL、尿素窒素 25mg/dL、Na 150mEq/L、K 3.8mEq/L、血糖値 110mg/dL、CRP 0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。
入院から1週が経過し、Aさんのバイタルサインなどは正常となり、食事も摂取できるようになった。Aさんの妻は「先生からそろそろ退院できるといわれましたが、夫はほとんどベッド上で過ごしており、トイレまで歩けそうにありません。これで退院できるか不安です」と看護師に話した。現在のAさんの日常生活動作<ADL>は、起立時にふらつきがみられ、歩行は不安定である。ポータブルトイレを使用して排泄している。
現在のAさんの状況から、退院に向けて看護師が連携する者で適切なのはどれか。2つ選べ。
身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。
バイタルサインは、体温 37.5℃、呼吸数 20/分、脈拍 100/分、血圧 140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2> 98%( room air )。
検査所見:赤血球 410万/μL、白血球 6,800/μL、Ht 50%、総蛋白 6.5g/dL、尿素窒素 25mg/dL、Na 150mEq/L、K 3.8mEq/L、血糖値 110mg/dL、CRP 0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。
入院から1週が経過し、Aさんのバイタルサインなどは正常となり、食事も摂取できるようになった。Aさんの妻は「先生からそろそろ退院できるといわれましたが、夫はほとんどベッド上で過ごしており、トイレまで歩けそうにありません。これで退院できるか不安です」と看護師に話した。現在のAさんの日常生活動作<ADL>は、起立時にふらつきがみられ、歩行は不安定である。ポータブルトイレを使用して排泄している。
現在のAさんの状況から、退院に向けて看護師が連携する者で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 薬剤師
- 民生委員
- 管理栄養士
- 理学療法士
- 介護支援専門員
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この過去問の解説 (3件)
01
入院前のAさんは杖歩行はできていましたが、現在は「起立時にふらつきがみられ、歩行は不安定である。ポータブルトイレを使用して排泄している」状態までADLが低下していると判断できます。
この状況でAさんにとって必要なことは「可能な限りADLを向上させるためのリハビリ」と「退院後に必要な介護サービスを調整すること」です。
退院後の生活を見据えた調整には多くの職種が関わります。どの職種がどのような役割を果たすのか知っておく必要があります。
薬剤師は、医薬品全般について、幅広い知識を持つ「薬」の専門家です。薬局や医療機関で処方箋に基づいた調剤や患者への服薬説明を行うほか、医療用医薬品から一般用医薬品まで、すべての薬を販売したり、相談にのることができます。
問題文よりAさんは内服状況の変化や薬剤に対する問題点があるとは言えず、退院までには連携が必要な職種の1つですが、現在のAさんや妻にとって必要な職種ではありません。
民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、行政をはじめ適切な支援やサービスへの「つなぎ役」としての役割を果たすとともに、高齢者や障がい者世帯の見守りや安否確認などにも重要な役割を果たしています。
Aさんは訪問介護との連携をしており、早急に必要な職種とは考えにくいです。
管理栄養士は、病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行います。
現在のAさんは、食事を摂取できるようになり、食事について問題なく退院できると判断できるため、連携する職種ではありません。
理学療法士は、怪我や病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。
現在のAさんはADLが低下しており、退院までに基本動作の回復が望まれるため、連携が必要な職種と言えます。
介護支援専門員はケアマネージャーとも呼ばれます。介護サービスの利用調整や関係者間の連絡などをすることで、利用者の心身の状況にあわせて自立した日常生活を営むことができるよう支援をします。
現在のAさんはADLが低下していることから、 介護サービスの利用調整が必要となると見込まれるため連携が必要です。
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02
「4」「5」が正解です。
「4」の理学療法士は、起立時のふらつきや、不安定な歩行を改善するためのリハビリテーションに関して、連携することが考えられます。適切なリハビリテーション計画をたて、退院まで実施することで、ADLを向上させ退院後の生活の質を上げることが期待できます。
「5」の介護支援専門員は、入院前に利用していた介護保険サービスの内容を調整する必要があることから、連携が必要です。介護支援専門員は要支援、要介護者の相談や家族状況を踏まえ、相談者に必要な介護サービスを組み合わせた居宅サービス計画を作成します。ケアマネージャーとも呼ばれます。
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03
1.退院時の服薬指導は薬剤師から患者と家族へ説明することは必要ですが、妻の不安の訴えとは直接関係していません。
2.民生委員は地域の社会福祉に関しての相談と援助を行っていますが、1と同様、妻の不安の訴えとは直接関係していません。
3.食事に関しては問題がないため、必要はないと思われます。
4.正解です。妻はADLに関して不安を訴えています。今後のリハビリについて、運動療法を行う理学療法士と相談することが望ましいです。
5.正解です。介護支援専門員はケアマネージャーとも呼ばれ、要支援、要介護者の相談に応じ、必要な介護サービスの計画を作成し、介護サービス事業者(デイサービス、訪問看護など)と連携をはかります。
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