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司法書士の過去問 平成27年度 (旧)平成27年度 問26

問題

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強盗罪に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア Aは、人気のない夜道でBにナイフを示して脅迫し、現金を要求したが、畏怖したBがナイフの刃を手でっかんだので、Bの手を離すためにナイフを動かしたところ、Bが手に切り傷を負った。この場合、Aには、強盗致傷罪が成立する。

イ Aは、飲食店で包丁を示して店員Bを脅迫し、レジにあった現金を奪って逃走したが、数日後、その飲食店から5キロメトル離れた路上で、たまたまBに出会って声を掛けられたので、Bを殴って逃走した。この場合、Aには、事後強盗罪が成立する。

ウ Aは、金品を奪おうと考え、帰宅途中のBの背後から歩いて近づき、Bが持っていた手提げカバンをつかんで引っ張ったところ、Bがすぐにカバンから手を離したので、それを持って逃走した。この場合、Aには、強盗罪が成立する。

エ Aは、B宅に侵入し、Bに拳銃を突き付けて脅迫し、金品を要求したが、Bが畏怖して身動きできなくなったので、自らB宅内を物色し、Bが気付かないうちに、B所有の腕時計をポケットに入れて逃走した。この場合、Aには、強盗罪が成立する。

オ Aは、無賃乗車をするつもりでタクシに乗車し、自宅付近でタクシを停めると、料金を支払わずに車外に出たが、運転手であるBから料金の支払を要求されたため、Bを殴り倒して逃走した。この場合、Aには、事後強盗罪が成立する。
   1 .
アウ
   2 .
アエ
   3 .
イウ
   4 .
イオ
   5 .
エオ
( 平成27年度 司法書士試験 問26 )
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この過去問の解説 (4件)

12
正解は 2 です。

正しい選択肢はアとエなので、2が正解です。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 判例は、強盗犯人が侵入した家屋の表入り口から逃走するにあたり、追跡した家人をその入り口付近において日本刀で突き刺し死に至らしめた事案において、刑法240条後段の強盗殺人罪は、強盗犯人が強盗をなす機会において他人を殺害することにより成立する罪である、としています。従って、AがBの手を離すために、ナイフを動かした行為によって、BがAに切り傷を負った場合、その致傷の結果は、強盗の機会に生じたものと言えるから、Aには強盗致傷罪が成立します。従って、本選択肢は正しいです。

イ. 判例は、事後強盗罪が成立するためには、暴行・脅迫が窃盗の機会の継続中になされる必要がある、としています(最高裁平成16年12月10日判決)。Aの暴行は、窃盗の機会の継続中になされたものとは言えないので、Aに事後強盗罪は成立しません。従って、本選択肢は誤りです。

ウ. 「ひったくり」行為は、その過程で暴行が加えられることも多いが、強盗罪ではなく、単に窃盗罪が成立するにすぎない、と解されています。従って、本選択肢は誤りです。

エ. 判例は、暴行・脅迫とそれに伴う被害者の犯行の抑圧が生じた以上、犯行が抑圧された被害者が気づかない間に財物を持ち去った場合も「強盗」に当たるとされます(最高裁昭和23年12月24日判決)。従って、本選択肢は、正しいです。

オ. Aは、無賃乗車をするつもりでタクシーに乗車し、料金を支払っていないため、詐欺罪(刑法246条)に問われることはあっても、窃盗ではない。事後強盗罪の主体は窃盗なので、Aには事後強盗罪は成立せず、従って、本選択肢は誤りです。

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6
ア 〇
 Aには、傷害の故意がありませんので、強盗致傷罪が成立します。

イ ×
 事後強盗罪が成立するためには、Bを殴るという行為が窃盗の機会に生じたと評価されなければなりませんので、Aには、事後強盗罪は成立しません。

ウ ×
 AはBの反抗を抑圧する程度の暴行を用いたとは評価されませんので、窃盗罪が成立します。

エ 〇
 Bが気づかないうちに、AはBの腕時計を盗んでいますが、強盗罪が成立するために、窃盗に対するBの認識は必要ありません。よって、Aには強盗罪が成立します。

オ ×
 無賃乗車は詐欺に当たり、Aの行為は窃盗の着手があったとはいえないため、Aには事後強盗罪は成立しません。

6
ア○

強盗致傷罪は、強盗の機会に傷害が発生すれば、財物を自分に移転しなくても、ただちに強盗致傷罪が成立します。
ポイントは強盗の機会に、人が怪我を負ったら強盗致傷罪が成立するという事を覚えておきましょう。

イ×
窃盗の犯人が逮捕を免れるため、財物の返還を免れるために、暴行、脅迫を加えても強盗罪が成立します。
ただし、窃盗が行われてからの暴行、脅迫が行われた時間、場所などを総合的に考慮して、継続性がなければなりません。
本件は、窃盗を行ってから数日後に、暴行を加えているため継続性が無いと判断されます。
当日であれば、成立する判例がありますので、覚えておきましょう。

ウ×
強盗罪の暴行、脅迫は最狭義と呼ばれています。
つまり、反抗を抑圧するほどの暴行、脅迫によって、財物を奪うことで成立します。
本件は、カバンを掴んで引っ張っただけで、被害者が離したに過ぎず、窃盗罪が成立するだけです。

エ○
強盗罪の成立要件として、犯行を行った際に、被害者が財物を奪われたという認識は不要です。

オ×
事後強盗罪成立要件として、犯人の客体は、窃盗犯人であることが必要です。
本件は、タクシーを無賃で乗る行為は窃盗罪が成立しないのです。
したがって、窃盗犯人ではないため、事後強盗罪は不成立です。
ただし、強盗利得罪は成立します。




4
ア正
強盗の機会に行われた切り傷であり故意もあるので強盗致傷罪が成立します。

イ誤
窃盗の機会に行われた暴行でないため事後強盗は成立しません。

ウ誤
強盗罪の要件に暴行又は脅迫があります。事例の場合は暴行又は脅迫がありませんので強盗罪は成立しません。

エ正
脅迫があるため強盗罪が成立します。相手が盗取することを認識していたかは関係ありません。

オ誤
タクシーの無賃乗車は強盗に該当しません。事後強盗は強盗の実行に着手した者でなければなりません。従って、事後強盗は成立しません。

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