問題
このページは問題閲覧ページです。正解率や解答履歴を残すには、 「条件を設定して出題する」をご利用ください。
[ 設定等 ]
次の対話は、根抵当権の当事者の変更に関する教授と学生との対話である。教授の質聞に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
教授 : 元本の確定前に、根抵当権者から被担保債権の範囲に含まれる債権を譲り受けた者は、その債権について当然に根抵当権を行使することはできませんが、その債権について根抵当権者の有する根抵当権を行使するため、根抵当権者から当該根抵当権の一部譲渡を受けた上で、その被担保債権の範囲を変更するという方法が考えられます。この根抵当権の一部譲渡をするときに、根抵当権設定者の承諾は、必要となりますか。
学生 : ア 根抵当権の一部譲渡がされたとしても、根抵当権設定者に不利益は生じませんので、根抵当権設定者の承諾は、不要です。
教授 : では、元本の確定前に、根抵当権の被担保債権の範囲に含まれる債権について債権者の交替による更改がされた場合には、新たな債権者は、更改によって生じた債権について根抵当権を行使することができますか。
学生 : イ 債権者の交替による更改がされた場合には、更改の当事者の合意によって、更改前の債務の担保として設定されていた根抵当権を更改後の債務に移すことができ、これによって根抵当権を行使することができます。ただし、第三者が根抵当権を設定していた場合には、その承諾を得なければなりません。
教授 : 次に、根抵当権の被担保債権の範囲に含まれる債権に係る保証人が元本確定前に保証債務を履行した場合について検討しましょう。この場合に、保証人は、法定代位によって、その債権について根抵当権を行使することができるでしょうか。
学生 : ウ この場合には、保証人は、元本の確定前に債務者に代わって弁済をした者に当たりますから、その債権について根抵当権を行使することはできません。
教授 : 続いて、元本の確定前に、根抵当権者が死亡し、相続が開始した場合について検討しましょう。この場合に、根抵当権は、どの範囲の債務を担保することになりますか。
学生 : エ 根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続開始の後に取得する債権を担保することになります。もっとも、この合意について相続の開始後6か月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなされます。
教授 : 最後に、元本確定後の当事者の変更について検討しましょう。同一の根抵当権によって甲債権と乙債権とが担保されており、当該根抵当権の元本が確定した後、乙債権のみを保証していた保証人が乙債権の全額を弁済したとします。この場合において、根抵当権が行使されたとき、保証人の受け取ることができる売却代金の配当の額は、どのようになるのでしょうか。
学生 : オ 保証人は、被担保債権の一部を弁済したにすぎないので、一部弁済による代位の場合と同様に、債権者である根抵当権者が保証人に優先して根抵当権の実行による売却代金の配当を受領した上で、保証人が残額を受領することになると考えられます。
教授 : 元本の確定前に、根抵当権者から被担保債権の範囲に含まれる債権を譲り受けた者は、その債権について当然に根抵当権を行使することはできませんが、その債権について根抵当権者の有する根抵当権を行使するため、根抵当権者から当該根抵当権の一部譲渡を受けた上で、その被担保債権の範囲を変更するという方法が考えられます。この根抵当権の一部譲渡をするときに、根抵当権設定者の承諾は、必要となりますか。
学生 : ア 根抵当権の一部譲渡がされたとしても、根抵当権設定者に不利益は生じませんので、根抵当権設定者の承諾は、不要です。
教授 : では、元本の確定前に、根抵当権の被担保債権の範囲に含まれる債権について債権者の交替による更改がされた場合には、新たな債権者は、更改によって生じた債権について根抵当権を行使することができますか。
学生 : イ 債権者の交替による更改がされた場合には、更改の当事者の合意によって、更改前の債務の担保として設定されていた根抵当権を更改後の債務に移すことができ、これによって根抵当権を行使することができます。ただし、第三者が根抵当権を設定していた場合には、その承諾を得なければなりません。
教授 : 次に、根抵当権の被担保債権の範囲に含まれる債権に係る保証人が元本確定前に保証債務を履行した場合について検討しましょう。この場合に、保証人は、法定代位によって、その債権について根抵当権を行使することができるでしょうか。
学生 : ウ この場合には、保証人は、元本の確定前に債務者に代わって弁済をした者に当たりますから、その債権について根抵当権を行使することはできません。
教授 : 続いて、元本の確定前に、根抵当権者が死亡し、相続が開始した場合について検討しましょう。この場合に、根抵当権は、どの範囲の債務を担保することになりますか。
学生 : エ 根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続開始の後に取得する債権を担保することになります。もっとも、この合意について相続の開始後6か月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなされます。
教授 : 最後に、元本確定後の当事者の変更について検討しましょう。同一の根抵当権によって甲債権と乙債権とが担保されており、当該根抵当権の元本が確定した後、乙債権のみを保証していた保証人が乙債権の全額を弁済したとします。この場合において、根抵当権が行使されたとき、保証人の受け取ることができる売却代金の配当の額は、どのようになるのでしょうか。
学生 : オ 保証人は、被担保債権の一部を弁済したにすぎないので、一部弁済による代位の場合と同様に、債権者である根抵当権者が保証人に優先して根抵当権の実行による売却代金の配当を受領した上で、保証人が残額を受領することになると考えられます。
1 .
アイ
2 .
アオ
3 .
イエ
4 .
ウエ
5 .
ウオ
( 平成25年度 司法書士試験 午前の部 問15 )