司法書士の過去問
平成26年度
午後の部 問59
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問題
平成26年度 司法書士試験 午後の部 問59 (訂正依頼・報告はこちら)
所有権の移転の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行としての処分禁止の登記が甲土地についてされている場合に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、以下、当該仮処分の債権者を「 債権者 」といい、当該仮処分の債務者を「 債務者 」という。
ア 債権者が債務者を登記義務者とする甲土地についての所有権の移転の訴訟を確定判決に基づき単独で申請する場合において、処分禁止の登記がされる前に設定の登記がされた抵当権が実行され、その差押えの登記が処分禁止の登記に後れてされているときは、当該差押えの登記の抹消を単独で申請することができる。
イ 債権者及び債務者が甲土地についての所有権の移転の登記を共同して申請する場合には、申請と同時にするときに限り、債権者は、処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる。
ウ 債権者が債務者を登記義務者とする甲土地についての所有権の移転の登記を申請する場合において、処分禁止の訴訟に後れる登記の抹消を単独で申議するときは、その旨をあらかじめ当該登記の登記名義人に対して通知したことを証する情報を提供しなければならない。
エ 債権者が債務者を登記義務者とする甲土地についての所有権の移転の登記を申請する場合において、処分禁止の登記に後れる抵当権の設定の登記の抹消を申請しなかったときは、当該所有機の移転の登記の申請は却下される。
オ 債権者が債務者を登記義務者とする甲土地についての所有権の移転の登記を申議する場合において、処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請するときは、登記原因証明情報として仮処分の決定書の正本を提供しなければならない。
なお、以下、当該仮処分の債権者を「 債権者 」といい、当該仮処分の債務者を「 債務者 」という。
ア 債権者が債務者を登記義務者とする甲土地についての所有権の移転の訴訟を確定判決に基づき単独で申請する場合において、処分禁止の登記がされる前に設定の登記がされた抵当権が実行され、その差押えの登記が処分禁止の登記に後れてされているときは、当該差押えの登記の抹消を単独で申請することができる。
イ 債権者及び債務者が甲土地についての所有権の移転の登記を共同して申請する場合には、申請と同時にするときに限り、債権者は、処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができる。
ウ 債権者が債務者を登記義務者とする甲土地についての所有権の移転の登記を申請する場合において、処分禁止の訴訟に後れる登記の抹消を単独で申議するときは、その旨をあらかじめ当該登記の登記名義人に対して通知したことを証する情報を提供しなければならない。
エ 債権者が債務者を登記義務者とする甲土地についての所有権の移転の登記を申請する場合において、処分禁止の登記に後れる抵当権の設定の登記の抹消を申請しなかったときは、当該所有機の移転の登記の申請は却下される。
オ 債権者が債務者を登記義務者とする甲土地についての所有権の移転の登記を申議する場合において、処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請するときは、登記原因証明情報として仮処分の決定書の正本を提供しなければならない。
- アウ
- アエ
- イウ
- イオ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正しい選択肢はイとウなので、3が正解となります。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 先例は、(抹消することができる)仮処分の登記に後れる登記とは、仮処分に対抗することができることが登記記録上明らかな登記(仮処分登記前に設定の登記のされた抵当権の登記名義人を申立人とする競売開始決定に係る差押えの登記等)を除いたものをいう、としています(平成2年11月8日民3.5000参照)。従って、本選択肢は誤りです。
イ. 先例は、処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権移転登記(仮登記を除く)を申請する場合において、これと同時に申請するときに限り、当該債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記を単独で申請することができます(平成2年11月8日民3.5000、不動産登記法111条1項、民事保全法58条2項参照)。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. 仮処分債権者が単独で仮処分登記に後れる第三者の登記を抹消するときは、抹消される登記の名義人に対して、その登記を抹消する旨を通知したことを証する情報を提供しなくてはなりません(民事保全法59条1項参照)。従って、本選択肢は正しいです。
エ. 仮処分債権者は、保全した登記請求権に係る所有権移転登記をするときに、処分禁止の登記に後れる登記を単独で抹消することができますが、必ず、抹消しなければならないというわけではありません(不動産登記法111条1項参照)。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 本選択肢のケースでは、登記原因証明情報の提供は不要です。それは、登記原因が存在しないためです。従って、本選択肢は誤りです。
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02
仮処分登記より前に設定された抵当権の実行は仮処分の登記におくれる登記ではありません。
イ正
その通り。当該記述の場合は債権者が単独で抹消登記を申請できます。
ウ正
その通り。抹消される登記の登記名義人にたいしてその旨の通知したことを証する情報を提供します。
エ誤
抹消登記をしなくても申請は却下されません。
オ誤
登記原因証明情報は不要です。
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03
ア 誤り
処分禁止の登記がされる前に設定の登記がされた抵当権が実行された場合、その差押えの登記が処分禁止の登記に後れてされた場合であっても、処分禁止の登記に優先します。
したがって、本肢において、債権者は当該差押えの登記の抹消を単独で申請することはできません。
イ 正しい
処分禁止の登記がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記を申請する場合においては、申請と同時にするときに限り、債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができます(不動産登記法111条1項)。
ウ 正しい
仮処分の債権者が処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請するときは、あらかじめ、その登記の権利者に対し、その旨を通知しなければなりません(民事保全法59条1項)。
エ 誤り
仮処分の債権者は、保全した登記請求権に係る所有権の移転の登記を申請する場合において、処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で抹消することができますが(不動産登記法111条1項)、これは任意であり義務ではありません。
オ 誤り
仮処分の債権者が、処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請するときは、登記原因証明情報を提供することを要しません。
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