司法書士の過去問
平成29年度
午前の部 問30
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問題
平成29年度 司法書士試験 午前の部 問30 (訂正依頼・報告はこちら)
監査役設置会社である取締役会設置会社における取締役会に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 代表取締役は、3か月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならず、当該報告については、取締役及び監査役の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知することによって省略することができない。
イ 重要な財産の処分若しくは譲受け又は多額の借財についての取締役会の決議について、特別取締役による議決をもって行うことができる旨は、定款で定めることを要しない。
ウ 取締役会の決議について、特別取締役による議決をもって行った場合には、特別取締役の互選によって定められた者は、当該取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に加えて、監査役にも報告しなければならない。
エ 会計参与は、計算書類の承認をする取締役会に出席しなければならず、取締役会の議事録が書面をもって作成されているときは、出席した会計参与は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
オ 監査役は、取締役が不正の行為をするおそれがあると認めるときは、直ちに、取締役会を招集することができる。
ア 代表取締役は、3か月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならず、当該報告については、取締役及び監査役の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知することによって省略することができない。
イ 重要な財産の処分若しくは譲受け又は多額の借財についての取締役会の決議について、特別取締役による議決をもって行うことができる旨は、定款で定めることを要しない。
ウ 取締役会の決議について、特別取締役による議決をもって行った場合には、特別取締役の互選によって定められた者は、当該取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に加えて、監査役にも報告しなければならない。
エ 会計参与は、計算書類の承認をする取締役会に出席しなければならず、取締役会の議事録が書面をもって作成されているときは、出席した会計参与は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
オ 監査役は、取締役が不正の行為をするおそれがあると認めるときは、直ちに、取締役会を招集することができる。
- アイ
- アオ
- イエ
- ウエ
- ウオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正しい選択肢はアとイなので、1が正解です。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
ア 代表取締役は3か月に1回以上、自己の職務の執行状況を取締役会に報告しなければなりません。しかし、当該報告については、取締役及び監査役の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知した場合であっても、省略することはできません。従って、本選択肢は正しいです。
イ 重要な財産の処分もしくは譲受け又は多額の借財についての取締役会の決議について、特別取締役の議決をもって行うことができる旨は取締役会で定めることができ、定款の定めは不要です。従って、本選択肢は正しいです。
ウ 特別取締役の互選によって定められた者は、取締役会の決議について、特別取締役の議決をもって行われた場合には、特別取締役の取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなくてはなりません。監査役には報告する必要はないので、本選択肢は誤りです。
エ 取締役会議事録に署名又は記名押印しなければならないのは、取締役会に出席した取締役及び監査役であり、会計参与はこれに含まれないので、本選択肢は誤りです。
オ 取締役会設置会社における監査役は、取締役が不正の行為をするおそれがあると認められるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならず、この義務を履行するために必要があると認めるときは、監査役は取締役に対して、取締役会の招集を請求することができます。また、監査役からの招集請求日から5日以内に、その招集請求日から2週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集通知が発せられない場合には、取締役を招集請求した監査役は、取締役会を自ら招集することができます。従って、本選択肢は誤りです。
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02
正しい選択肢は、ア、イなので、1が正解となります。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア.会社法第363条によると、代表取締役は三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならず、同法372条第2項により、この報告は取締役及び監査役の全員に対して、取締役会に報告すべき事項を通知することによって省略することができません。従って、本選択肢は正しいです。
イ.会社法第373条によると、重要な財産の処分若しくは譲受け又は多額の借財についての取締役会の決議について、特別取締役による議決をもって行うことができる旨は、定款で定めることを要しないとされています。従って、本選択肢は正しいです。
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03
ア 正しい
代表取締役は、3か月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければなりません(会社法363条2項)。
当該報告については、取締役及び監査役の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知することによっても省略することはできません(同法372条2項)。
イ 正しい
取締役会設置会社が一定の要件を満たす場合には、取締役会の決議について、特別取締役による議決をもって行うことができますが(会社法373条1項)、その旨を定款で定めることを要するとする規定はありません。
ウ 誤り
特別取締役の互選によって定められた者は、取締役会の決議後、遅滞なく、当該決議の内容を特別取締役以外の取締役に報告しなければなりません(会社法373条3項)。
もっとも、監査役は、取締役会への出席義務を負っているため(同法383条1項)、監査役に対して報告する必要はありません。
エ 誤り
取締役会設置会社の会計参与は、計算書類の承認をする取締役会に出席しなければなりません(会社法376条1項)。
もっとも、会計参与には、取締役会議事録への署名等の義務はありません(同法369条3項)。
オ 誤り
監査役は、取締役が不正の行為をするおそれがあると認めるときは、取締役に対し、取締役会の招集を請求することができ(会社法383条2項)、請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合にはじめて取締役会を招集することができます(同条3項)。
直ちに、取締役会を招集できるわけではありません。
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