司法書士の過去問
平成30年度
午後の部 問48
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この過去問の解説 (3件)
01
ア ならない 仮処分債権者が所有権の移転の登記と同時に申請する、所有権の処分禁止の仮処分に後れる所有権の移転の登記抹消の登記原因は、仮処分による失効であり、日付は登記事項とはなりません(記録例707)。
イ なる 相続による共有持分移転登記の結果、同一の不動産につき、住所を同じくする同名義人の共有者が併存することとなるような場合、当該申請者に住所、氏名のほか、生年月日を記載して登記の申請があったときは、生年月日の登記をするのが相当です(昭45.4.11 民甲1426 記載例630)。
ウ なる 二人以上の相続人による相続を登記原因とする賃借権の移転の登記の申請において、相続人ごとの持分は登記事項となります(記録例303)。
エ ならない 相続財産管理人が申請する相続人不存在を登記原因とする所有権登記名義人の氏名の変更の登記は、「亡甲某相続財産」と記録され、相続財産管理人の氏名は登記事項とはなりません(記録例195)。あくまで代理人です。
オ なる 買収記録の前提である代位登記と買収登記の嘱託申請が同時になされる場合でも、代位登記の代位原因及び代位者の登記記録への記録は省略できません(昭41.7.18民甲1878)。
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02
ア:登記事項とはならない
所有権について処分禁止の登記がされた後、当該処分禁止の登記に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登記義務者とする所有権の登記(仮登記を除く。)を申請する場合においては、当該登記と同時に申請する場合に限り、当該債権者は、当該処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができます(不登111Ⅰ)。当該申請の場合、登記原因は「仮処分による失効」であり、登記原因の日付は要しません。
イ:登記事項となる
所有権移転の登記において、同一不動産について、住所を同じくする同名異人が共有者として存在することとなる場合には、各人を特定するために生年月日が登記事項となります(昭45.4.11民甲1426号)。
ウ:登記事項となる
賃借権の登記申請をする場合、賃借権の登記名義人となる者が二人以上の場合、各人の持分が登記事項となります(不登59④)。
エ:登記事項とはならない
所有権の登記名義人が死亡し、相続人がいない場合は、相続財産法人名義とする登記名義人の氏名変更の登記を申請しますが、相続財産管理人の氏名は登記事項とはなりません。
オ:登記事項となる
官公署が所有権の登記名義人に代位して登記を嘱託する場合であっても、代位者があるときの登記事項に関し不動産登記法第59条第7号が適用されます。したがって、代位原因は登記事項になります。
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03
正解:1
<解説>
ア:登記事項となりません。
不動産登記法111条1項は、仮処分の登記に後れる登記の抹消について、処分禁止の登記に係る仮処分の債権者は、処分禁止の登記に後れる登記の抹消を単独で申請することができると定めています。
仮処分の債権者は、勝訴の確定判決に基づいて、自己のためにする所有権移転登記の申請と同時に、所有権の処分禁止の仮処分の登記に後れる所有権の移転登記の抹消登記を申請する場合、その登記原因は「仮処分による失効」です(昭44・6・3民三576号)。
このことから、権利に関する登記の登記事項の一つに「登記原因及びその日付」(不動産登記法59条⑶)がありますが、登記原因の日付は、この場合には不要です。
したがって、本肢第2欄は、第1欄の登記事項となりません。
イ:登記事項となります。
第1欄のような場合、その生年月日を申請情報の内容として登記申請があったときには、生年月日も登記事項とすることが相当であるとしています(昭45・4・11民甲1426号)。
したがって、本肢第2欄は、第1欄の登記事項となります。
ウ:登記事項となります。
不動産登記法は、登記に係る権利の登記名義人が二人以上であるときは、当該権利の登記名義人ごとの持分も登記事項として定めています(不動産登記法59条⑷)。
したがって、本肢第2欄は、第1欄の登記事項となります。
エ:登記事項となりません。
本肢第1欄の登記申請書には、申請人として相続財産管理人の氏名及び住所を記載しなければなりませんが、その氏名は登記事項とはなっていません。
したがって、本肢第2欄は、第1欄の登記事項となりません。
オ:登記事項となります。
不動産登記法は、権利に関する登記の登記事項として、代位者があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因も登記事項として定めています(不動産登記法59条⑺)。
この規定は、国が代位して嘱託する場合にも該当します。
したがって、本肢第2欄は、第1欄の登記事項となります。
以上により、登記事項とはならないものは肢ア・エであり、正解は1となります。
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