司法書士の過去問
平成30年度
午後の部 問52
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
平成30年度 司法書士試験 午後の部 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
登記記録に次のような記録(抜粋)がある甲土地について、次のアからオまでの記述のうち、第1欄の申請人が第2欄の登記を書面により申請した場合において、第2欄の登記の完了後に登記所が交付した第3欄の登記識別情報を記載した書面(以下「登記識別情報通知書」という。)及び登記完了証の通数が正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、第1欄の申請人は、第2欄の登記を申請するに当たって、第3欄の書面の交付に関する申出をしていないものとする。
なお、第1欄の申請人は、第2欄の登記を申請するに当たって、第3欄の書面の交付に関する申出をしていないものとする。
- アウ
- アエ
- イエ
- イオ
- ウオ
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正解 4
ア 誤り
登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、登記が完了したときは、申請人に対し、登記に係る登記識別情報が通知されます(不動産登記法21条)。
本肢では、持分の更正登記をすることによって、A及びBが登記名義人となるわけではないため、登記識別情報は通知されません。
次に、登記を完了したときは、申請人に対し、登記完了証を交付することにより、登記が完了した旨が通知されます(不動産登記規則181条1項)。
もっとも、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知されます(同項後段)。
本肢の場合、登記権利者であるBと登記義務者であるAが申請人であるため、それぞれに登記完了証が交付され、通数は2通となります。
イ 正しい
本肢では、信託を登記原因とする共有者全員持分全部移転の登記及び信託の登記によって、申請人であるD(登記権利者)が登記名義人となるため、Dに登記識別情報が通知されます。
また、登記権利者であるDと登記義務者であるA及びBが申請人であるため、Dに1通、A及びBのいずれかに1通の登記完了証が交付され、通数は2通となります。
ウ 誤り
本肢では、申請人であるE(登記権利者)が、確定判決に基づいて行う持分全部移転の登記によって、登記名義人となるため、Eに登記識別情報が通知されます。
また、申請人はEであるため、Eにのみ登記完了証が交付されます。
エ 誤り
本肢では、相続を登記原因とする抵当権の移転の登記によって、申請人であるF及びGが登記名義人となるため、F及びGに各1通の登記識別情報が通知されます。
また、申請人が二人以上で、いずれも登記権利者であるため、いずれか一方に登記完了証が交付されることになります。
オ 正しい
本肢では、弁済を登記原因とする抵当権の登記の抹消によって、登記名義人となる者はいないため、登記識別情報は通知されません。
また、登記権利者であるA及びBと登記義務者であるCが申請人であるため、A及びBのいずれかに1通、Cに1通の登記完了証が交付され、通数は2通となります。
よって、正しい肢はイとオとなり、4が正解となります。
参考になった数12
この解説の修正を提案する
02
正解:4
<解説>
ア:登記識別情報通知書の通数は正しいですが、登記完了証の通数が誤りです。
登記識別情報通知書については、共有者の持分を更正する登記の申請では登記識別情報は通知されませんので、本肢の場合には、不交付となります。
また、登記完了証については、登記の申請に基づいて登記を完了したときに、申請人に対して登記完了証が交付されるので(不動産登記規則181条①)、本肢の場合には、A及びBにそれぞれ登記完了証が交付されることになり、登記完了証は2通交付されます。
したがって、本肢は登記識別情報通知書の通数は正しいですが、登記完了証の通数が誤りです。
イ:登記識別情報通知書の通数も登記完了証の通数も正しいです。
登記識別情報通知書について、Dは申請人であり、その登記をすることによって登記名義人となるのであるから、Dに登記識別情報通知書1通が交付されます(不動産登記法21条)。
また、登記完了証については、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足ります(不動産登記規則181条①)。
これより、本肢の場合には、A及びBの登記義務者側に1通、登記権利者であるDに1通で、登記完了証は計2通交付されます。
したがって、本肢は登記識別情報通知書の通数も登記完了証の通数も正しいです。
ウ:登記識別情報通知書の通数は正しいですが、登記完了証の通数が誤りです。
登記識別情報通知書については、本肢はEが確定判決に基づいて単独申請するものであり、Eは申請人であり、その登記をすることによって登記名義人となるのであるから、Eに登記識別情報通知書1通が交付されます(不動産登記法21条)。
また、登記完了証については、登記の申請に基づいて登記を完了したときに、申請人に対して交付されるものであるから(不動産登記規則181条①)、本肢の場合には、申請人であるEにのみ登記完了証1通が交付されます。
したがって、本肢は登記識別情報通知書の通数は正しいですが、登記完了証の通数が誤りです。
エ:登記識別情報通知書の通数も登記完了証の通数も誤りです。
登記識別情報通知書については、本肢は共同相続人であるF及びGが申請人となり、その登記をすることによって登記名義人となるのであるから、F及びGに登記識別情報通知書がそれぞれ1通ずつ、計2通が交付されます(不動産登記法21条)。
また、登記完了証については、本肢は、申請人が二人以上でありながら共同申請でない登記に該当するので、1通交付すれば足ります(不動産登記規則181条①)。
したがって、本肢は登記識別情報通知書の通数も登記完了証の通数も誤りです。
オ:登記識別情報通知書の通数も登記完了証の通数も正しいです。
登記識別情報は、申請人が登記名義人となる場合に通知されるものであるから(不動産登記法21条)、本肢の場合は抵当権の抹消登記であり、これによって登記名義人となる申請人はおらず、登記識別情報通知書は交付されません。
また、登記完了証については、申請人が二人以上あるときは、その一人(登記権利者及び登記義務者が申請人であるときは、登記権利者及び登記義務者の各一人)に通知すれば足りるから(不動産登記規則181条①)、AまたはBに1通、Cに1通の計2通が交付されます。
したがって、本肢は登記識別情報通知書の通数も登記完了証の通数も正しいです。
以上により、登記完了後に交付される登記識別情報通知書及び登記完了証の通数が正しいものは肢イ・オであり、正解は4となります。
参考になった数5
この解説の修正を提案する
03
ア:誤
登記識別情報は、登記することによって申請人自らが登記名義人になる場合に、申請人(登記名義人)に通知されます(不登21)。また、登記完了証は、登記の申請に基づいて登記を完了したときに、申請人に対して交付されます(不登規181Ⅰ)。本肢について、持分の更正の登記がされた場合に新たに登記名義人になる者はおらず、登記することによって申請人自らが登記名義人になる場合に該当しないので登記識別情報は通知されません。また、登記完了証については、登記権利者及び登記義務者が複数人いる場合は、登記権利者及び登記義務者それぞれ各一人に交付されます(不登規181Ⅰ)ので、通数は2通となります。
イ:正
受託者Dが登記権利者、所有権登記名人A及びBが登記義務者となって信託を登記原因とする共有者全員持分全部移転の登記及び信託の登記を申請するので、登記識別情報は、登記名義人となる受託者Dに通知されます。また、登記完了証については、登記権利者及び登記義務者それぞれ各一人に交付されます(不登規181Ⅰ)ので、通数は2通となります。
ウ:誤
申請人である原告Eが登記権利者として、確定判決に基づき単独で、持分全部移転登記を申請します。よって登記識別情報については、登記することによって申請人自らが登記名義人となるEに対し通知されます。また、登記完了証についても申請人であるEに対してのみ交付されます。
エ:誤
相続人であるF及びGが共に登記権利者として、相続による抵当権移転の登記を申請しており、共に登記名義人となるので、登記識別情報については、登記することによって申請人自らが登記名義人となるF及びGに対し通知されます。また、登記完了証については、登記権利者たるF、Gのいずれか一方に対し交付すれば足ります。
オ:正
抵当権の登記の抹消は、登記することによって申請人自らが登記名義人になる場合に該当しませんので、登記識別情報は通知されません。また、当該申請は、A及びBが登記権利者、Cが登記義務者となって申請するので、登記完了証については、登記権利者たるA、Bのいずれか一方に対し1通、登記義務者Cに1通の計2通交付されます。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
前の問題(問51)へ
平成30年度問題一覧
次の問題(問53)へ