司法書士の過去問
平成31年度
午後の部 問39

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問題

平成31年度 司法書士試験 午後の部 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

民事訴訟における証人尋問及び当事者尋問に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、どれか。

ア  裁判所は、弁論準備手続の期日において、当事者尋問をすることができる。
イ  証人尋問は、当事者が期日に出頭しない場合においても、することができる。
ウ  証人尋問が実施される前に当事者が当該証人尋問の申出を撤回した場合には、その当事者は、その審級において、同一の証人について証人尋間の申出をすることは許されない。

工  裁判所は、主要事実について当事者間に争いがある場合において、相当と認めるときは、職権で証人尋問をすることができる。
オ  当事者本人を尋問する場合において、その当事者が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、尋間事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
  • アウ
  • アオ
  • イエ
  • イオ
  • ウエ

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:4

ア:誤
民事訴訟法(170条2項)は「裁判所は、弁論準備手続の期日において、証拠の申出に関する裁判その他の口頭弁論の期日外においてすることができる裁判及び文書(第231条に規定する物件を含む。)の証拠調べをすることができる」と定め、弁論準備手続期日においてすることができる証拠調べは、文書に限定しています。
したがって、弁論準備手続の期日において、当事者尋問をすることはできません。
よって、誤った記述です。

なお、民事訴訟法231条は「この節の規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する」という規定です。

イ:正
民事訴訟法183条は、「証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合においても、することができる」と定めています。
よって、正しい記述です。

ウ:誤
証拠の申出に関しては、当事者の自由が認められ、証拠の撤回も証拠調べが実際に行われるまでは、いつでもすることができます。そして、証人尋問を申し出たが、撤回したという場合に、その審級において、同一の証人について証人尋問の申出をすることを制限する規定はありません。
よって、誤った記述です。

エ:誤
弁論主義により、当事者間に争いのある事実について証拠調べをするときは、当事者の申し出た証拠に拠らなければなりません。これは、原則として、職権証拠調べが禁止するものです。証人尋問も証拠調べですので、裁判所が相当と認めたからといって、職権ですることはできません。
よって、誤った記述です。

オ:正
民事訴訟法208条は、「当事者本人を尋問する場合において、その当事者が、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる」と定めています。
よって、正しい記述です。

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02

正解:4

ア:誤
裁判所は、弁論準備手続の期日において、証拠の申出に関する裁判その他の口頭弁論の期日外においてすることができる裁判及び文書(第231条に規定する物件を含む。)の証拠調べをすることができます(民訴170Ⅱ)。当事者尋問をすることはできません。

イ:正
証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合においても、することができます(民訴183)。

ウ:誤
証拠の申出は、証拠調べが開始されるまでは、当事者は自由に撤回できます。たとえ撤回したとしても、当事者は同一の証拠の申出をすることができます。

エ:誤
当事者間で争いのある事実認定は、原則として当事者が申し出た証拠によらなければなりません(弁論主義:職権証拠調べの禁止)。よって、職権で証人尋問をすることはできません。

オ:正
当事者本人を尋問する場合において、その当事者が、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができます(民訴208)。

参考になった数4

03


正解 4

ア 誤り
裁判所は、弁論準備手続の期日において、証拠の申出に関する裁判その他の口頭弁論の期日外においてすることができる裁判及び文書の証拠調べをすることができます(民事訴訟法170条2項)。
よって、当事者尋問をすることはできません。

イ 正しい
証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合においても、することができます(民事訴訟法183条)。
よって、当事者が期日に出頭しない場合においても、証拠調べとして証人尋問をすることができます。

ウ 誤り
当事者は、証拠調べが開始されるまでは、証拠の申出を自由に撤回することができます。
このことは、その当事者が、その審級において、同一の証拠の申出をすることを妨げないと解されています。

エ 誤り
裁判所は、主要事実について当事者間に争いがある場合、事実認定において、当事者の申し出た証拠のみによらなければなりません(弁論主義の第3テーゼ)。
よって、この場合、職権で証人尋問をすることはできません。

オ 正しい
当事者本人を尋問する場合において、その当事者が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができます(民事訴訟法208条)。

以上から、正しい選択肢はイとオとなり、4が正解となります。

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