司法書士の過去問
令和2年度
午前の部 問35

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問題

令和2年度 司法書士試験 午前の部 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

匿名組合に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、どれか。

ア  匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する。
イ  匿名組合員は、労務をその出資の目的とすることができる。
ウ  匿名組合員は、営業者の業務を執行することはできない。
エ  匿名組合員は、重要な事由があるときは、いつでも、裁判所の許可を得て、営業者の業務及び財産の状況を検査することができる。
オ  匿名組合契約は、匿名組合員が破産手続開始の決定を受けたことによっては終了しない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:3

<解説>

ア:正しいです。

匿名組合員の出資は、営業者の財産に属します(商法536条①)。

したがって、本肢は正しいです。

イ:誤りです。

匿名組合員は金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができます(商法536条②)。

それゆえに、労務をその出資の目的とすることはできません。

したがって、本肢は誤りです。

ウ:正しいです。

匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することはできません(商法536条③)。

したがって、本肢は正しいです。

エ:正しいです。

匿名組合員は、重要な事由があるときは、いつでも、裁判所の許可を得て、営業者の業務及び財産の状況を検査することができます(商法539条②)。

したがって、本肢は正しいです。

オ:誤りです。

匿名組合員が破産手続開始の決定を受けたことも、匿名組合契約が終了する事由の一つとしています(商法541条⑶)。

したがって、本肢は誤りです。

以上により、誤っているものは肢イ・オであり、正解は3となります。

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02

ア 〇 匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する。(商536Ⅰ)

条文知識そのままです。

イ × 匿名組合員は、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。(商536Ⅱ)

なぜなら、匿名組合は、資本参加を目的とするものだからです。

よって、労務を出資することはできません。

ウ 〇 匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することができない。(商536Ⅱ)

本肢も条文知識そのままです。

エ 〇 匿名組合員は、重要な事由があるときは、いつでも、裁判所の許可を得て、営業者の業務及び財産の状況を検査することができる。(商539Ⅱ)

本肢も条文知識そのままです。

オ × 匿名組合契約が終了する事由は以下の4つです。

1.匿名組合契約の解除

2.匿名組合の目的である事業の成功又はその成功の不能

3.営業者の死亡又は営業者が後見開始の審判を受けたこと

4.営業者又は匿名組合員が破産手続き開始決定を受けたこと

参考になった数6

03

正解は3です。


ア…正しいです。匿名組合員の出資は、営業者の財産に属します(商法536条1項)。


イ…誤りです。匿名組合員は、金銭その他の財産のみを出資の目的とすることができます(商法536条2項)。しかし、労務のみを出資の目的とすることはできません。


ウ…正しいです。匿名組合員は、営業者の業務を執行し、または営業者を代表することはできません(商法536条3項)。


エ…正しいです。匿名組合員は、重要な事由があるときは、いつでも、裁判所の許可を得て、営業者の業務及び財産の状況を検査することができます(商法539条2項)。


オ…誤りです。匿名組合契約は、営業者または匿名組合員が破産手続開始の決定を受けたことによって終了します(商法541条3号)。

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