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司法書士の過去問 令和4年度 午前の部 問11

問題

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次の対話は、担保物権の性質に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

教授: まず、民法の規定する担保物権全般について聞きます。民法の規定する担保物権のうち、留置権以外にも、留置的効力を有するものはありますか。
学生:ア  質権にも留置的効力があります。
教授: 民法の規定する担保物権には、付従性がありますか。
学生:イ  民法の規定する担保物権には、全て付従性があります。
教授: 民法の規定する担保物権のうち、存続期間の経過によって被担保債権から独立して消滅するものはありますか。
学生:ウ  不動産質権は、その設定が更新されないまま存続期間を経過した場合には、被担保債権の弁済期に関係なく、被担保債権から独立して消滅します。
教授: 次に、民法の規定する担保物権のうち約定担保物権について聞きます。民法の規定する約定担保物権には、優先弁済的効力がありますか。
学生:エ  民法の規定する約定担保物権には、全て優先弁済的効力があります。
教授: 民法の規定する約定担保物権は、債権を目的とすることができますか。
学生:オ  民法の規定する約定担保物権は、全て債権を目的とすることができます。
   1 .
アイ
   2 .
アエ
   3 .
イオ
   4 .
ウエ
   5 .
ウオ
( 令和4年度 司法書士試験 午前の部 問11 )
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この過去問の解説 (3件)

11

担保物権の性質に関する問題です。

選択肢3. イオ

アは正しいです。「質権者は、前条に規定する債権の弁済を受けるまでは、質物を留置することができる。」(347条本文)と明文で認められています。

イは誤りです。根抵当権を思い出せるかがポイントでしょう。付従性のある(普通の)抵当権では日々の取引ごとに抵当権を設定しなければならなくなってしまいます。それをしなくて済むのが根抵当権です。根抵当権の特徴について398条の2〜の各条文とテキストを確認しておきましょう。

ウは正しいです。不動産質権が「被担保債権から独立して消滅」した後は一般債権となります。存続期間として「不動産質権の存続期間は、十年を超えることができない。設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十年とする。」(360条)と定められていることも覚えておきましょう。

エは正しいです。約定担保物権は質権(342条以下)と抵当権(369条以下)で、どちらも優先弁済的効力があります(342条、369条1項)。

オは誤りです。約定担保物権は質権(342条以下)と抵当権(369条以下)で、質権には債権を目的とすることができる「権利質」(362条)がありますが、抵当権は不動産、地上権、永小作権に限定されています(369条)。

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7

 担保物権の性質に関する問題です。

 このような問題を解くときに,根抵当権のことも念頭においておきましょう。

 そうでないと間違える場合もあります。

 各自がお持ちのテキストに担保物権の一覧表が記載されていることが多いと思いますので,それらの表を確認してみましょう

選択肢1. アイ

ア・・正しいです。

 質権は,担保物権の中で唯一留置的効力と優先弁済的効力の両方を持っています。

 質権の留置的効力については,民法347条に規定されています。

イ・・誤りです。

 留置権,先取特権,質権,抵当権は付従性があります。

 確定前の根抵当権のみ付従性がありません

 問題文に根抵当権を除くと書かれていないので,誤りです。

選択肢2. アエ

ア・・正しいです。

 質権は,担保物権の中で唯一留置的効力と優先弁済的効力の両方を持っています。

 質権の留置的効力については,民法347条に規定されています。

エ・・正しいです。

 約定担保物権とは,質権と(根)抵当権のことをいいます。

 これに対し,法定担保物権とは,留置権と先取特権のことをいいます。

 質権も(根)抵当権も優先弁済的効力があるので,本肢は正しいです。

 根抵当権も優先弁済的効力があります(民法398条の2第1項,369条1項)。 

選択肢3. イオ

イ・・誤りです。

 留置権,先取特権,質権,抵当権は付従性があります。

 確定前の根抵当権のみ付従性がありません

 問題文に根抵当権を除くと書かれていないので,誤りです。

オ・・誤りです。

 民法の約定担保物権のうち債権を目的とすることができるのは,質権のみです(民法362条1項参照)。債権質というのがあります。

 抵当権は債権を目的とすることができません。 

選択肢4. ウエ

ウ・・正しいです。

 不動産質権の存続期間は,民法360条で,最長10年,更新の時から10年を超えることができない旨規定されています。

 したがって,不動産質権は存続期間が満了すれば,独立して消滅します。

 このような規定が設けられている趣旨は,不動産質権を長期間存続させることができるとすれば,その間は不動産の改良がされず,不動産の活用という点から好ましくないからです。

 なお,存続期間が満了すると,質権が消滅し,被担保債権は,無担保債権となり,また,不動産を設定者に返還することを要します(大判大正7年1月18日)。 

エ・・正しいです。

 約定担保物権とは,質権と(根)抵当権のことをいいます。

 これに対し,法定担保物権とは,留置権と先取特権のことをいいます。

 質権も(根)抵当権も優先弁済的効力があるので,本肢は正しいです。

 根抵当権も優先弁済的効力があります(民法398条の2第1項,369条1項)。 

選択肢5. ウオ

ウ・・正しいです。

 不動産質権の存続期間は,民法360条で,最長10年,更新の時から10年を超えることができない旨規定されています。

 したがって,不動産質権は存続期間が満了すれば,独立して消滅します。

 このような規定が設けられている趣旨は,不動産質権を長期間存続させることができるとすれば,その間は不動産の改良がされず,不動産の活用という点から好ましくないからです。

 なお,存続期間が満了すると,質権が消滅し,被担保債権は,無担保債権となり,また,不動産を設定者に返還することを要します(大判大正7年1月18日)。 

オ・・誤りです。

 民法の約定担保物権のうち債権を目的とすることができるのは,質権のみです(民法362条1項参照)。債権質というのがあります。

 抵当権は債権を目的とすることができません。  

まとめ

 以上から,誤りは,イとオになります。 

1

担保物権に関する問題です。

選択肢3. イオ

アは正しいです。

留置的効力を有するのは質権と留置権のみです。

イは誤りです。

確定前の根抵当権には付従性はありません。

ウは正しいです。

不動産質権には存続期間があり、存続期間が経過すると不動産質権は消滅します。

更新することも可能ですが更新後の存続期間についても10年を超えることはできません。

エは正しいです。

典型担保の約定担保物権についてはすべて優先的弁済効力があります。

オは誤りです。

債権を目的とできるのは質権のみとなってます。

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