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司法書士の過去問 令和4年度 午前の部 問26

問題

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窃盗罪に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  Aは、スーパーマーケットの店内で、ガムを万引きしようと考え、商品であるガム1個を自己の上着の内ポケットに入れた。Aがそのガムを店外に持ち出す前に犯行を目撃した警備員に捕まった場合、Aには窃盗未遂罪が成立し、窃盗罪は成立しない。
イ  Aは、Bが違法に所持しているけん銃を領得しようと考え、B宅を訪れた際に、B に無断で、Bが押し入れに隠していたけん銃を自分の鞄の中に入れてB宅外に持ち出した。この場合、Aには窃盗罪が成立する。
ウ  Aは、ゴルファーが誤ってゴルフ場の人工池に打ち込んで放置したいわゆるロストボールを領得して業者に売却しようと考え、周囲をフェンスで囲まれた甲ゴルフ場に忍び込んだ上、甲ゴルフ場内の人工池の底から多数のロストボールをすくい取り、これを甲ゴルフ場外に持ち出した。甲ゴルフ場では、いずれそのロストボールを回収して再利用することが予定されていた場合、Aには窃盗罪が成立する。
エ  Aは、Aとは別居している祖父Bがその友人Cから依頼されてCが所有する宝石を預かっていることを知ったことから、その宝石をBから窃取した。AとCとの間には親族関係がない。この場合、Aは窃盗罪による刑が免除される。
オ  Aは、同居人のBと共有し、共同して占有していたテレビを、Bに無断で持ち出し、質に入れた。この場合、Aには窃盗罪は成立しない。
   1 .
アウ
   2 .
アエ
   3 .
イウ
   4 .
イオ
   5 .
エオ
( 令和4年度 司法書士試験 午前の部 問26 )
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この過去問の解説 (3件)

7

窃盗罪に関する問題です。

選択肢3. イウ

アは誤りです。どのタイミングで窃盗が既遂となるかは財物の大きさや占有者の支配の程度などが影響するといわれますが、スーパーのガムであれば懐に入れた時点で既遂といえるでしょう。靴下について同様の判例があります(大判大12.4.9)。

イは正しいです。拳銃や麻薬などの禁制品も対象となります。

ウは正しいです。本肢のようなロストボールはゴルフ場の管理者に占有があります。

エは誤りです。窃盗罪は「配偶者、直系血族又は同居の親族との間」では刑が免除されます(244条1項)が、「窃盗犯人が所有者以外の者の占有する財物を窃取した場合において、刑法244条1項が適用されるためには、同条1項所定の親族関係は、窃盗犯人と財物の占有者との間のみならず、所有者との間にも存することを要する」とされています(最決平6.7.19)。

オは誤りです(最判昭25.6.6)。共同占有の場合、本肢のような行為は他の占有者の占有を侵害したことになります。

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5

窃盗罪の成否、既遂時期及び親族相盗例について基本的な知識を問う問題です。

選択肢3. イウ

ア・・誤りです。

行為者が財物である商品を懐中に収めたときは、店外に出なくても事実上の支配を得たとされ、窃盗罪(235条)の既遂となります(大判大正12年4月9日)。店外に出たり、レジを通過しないと既遂にならないわけではありません。

イ・・正しいです。

財物が禁制品(所持自体が法律違反になるもの)であっても、財産犯の客体となります。禁制品であっても法律上保護される利益があるからです。けん銃以外でも、麻薬や覚せい剤は所持自体が禁じられていますが、それらを盗んでも窃盗罪は成立します(最判昭和24年2月15日)。したがって、AがBのけん銃を盗んでも窃盗罪が成立します。

ウ・・正しいです。

ゴルファーが誤って人工池にボールを打ち込んでしまえば、ゴルフ場がロストボールに対する占有を失うのではないかという点が問題となっています。しかし、本問のように、ロストボールの再利用が予定されていれば、ゴルフ場はロストボールに対する占有を失っていないので、ロストボールを盗めば、ロストボールに対するゴルフ場の所有及び占有を侵害することになり、窃盗罪が成立します。

エ・・誤りです。

親族相盗例(244条)は、行為者と目的物の占有者・所有者の両方に親族関係があることを要求しています(最決平成6年7月19日)。本肢では、宝石の占有者は、同居の親族である祖父Bですが、所有者は、友人Cであり、Aとの間に親族関係がないので、Aが宝石を盗めば窃盗罪が成立し、親族相盗例の適用はありません。

オ・・誤りです。

財物について共同で占有している場合、占有者の1人が他の占有者の同意を得ないで、質入れすれば、他者の占有を侵害するので、窃盗罪が成立します(最判昭和25年6月6日)。

まとめ

以上から、イとウが正しい記述になります。

1

窃盗罪についての問題です。

選択肢3. イウ

ア 誤りです。

スーパーマーケット等の店頭にある商品を手にして懐に収めたということは、ガムを自己の支配内に移したものと言えるため、たとえ即座に発見されてガムを取り戻されたとしても、窃盗罪は既遂になります。(大判大正12.4.9)

イ 正しいです。

けん銃などの所有してはいけない物を盗んだとしても窃盗罪は成立します。

ウ 正しいです。

ゴルフ場のロストボールの占有はゴルフ場にあるので窃盗罪が成立します。

エ 誤りです。

親族相盗例についての問題です。親族相盗例は、配偶者、直系血族及び同居の親族の間において刑が免除されますが(必要的免除)財物の所有者と占有者が異なる場合は犯人と所有者及び占有者両方との間に、親族関係が必要となります。今回Bは直系血族ですがCとの間に親族関係がないため親族相盗例には該当しません。(最決平6.7.19)

オ誤りです。

共同してする占有に関しては共同占有者の1人が勝手に処分する行為は窃盗罪にあたります。(最判昭25.6.6)

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