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司法書士の過去問 令和4年度 午後の部 問2

問題

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訴訟記録の閲覧等に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  和解調書については、当事者及び利害関係を疎明した第三者でなければ、裁判所書記官に対し、その閲覧を請求することができない。
イ  公開を禁止した口頭弁論に係る訴訟記録については、当事者及び利害関係を疎明した第三者でなければ、裁判所書記官に対し、その閲覧を請求することができない。
ウ  利害関係のない第三者は、裁判所書記官に対し、訴訟記録の謄写を請求することができない。
エ  訴訟記録の閲覧の請求を拒絶した裁判所書記官の処分に対しては、即時抗告をすることができる。
オ  判決書については、当事者の私生活についての重大な秘密が記載されており、かつ、第三者が当該秘密が記載された部分の閲覧等を行うことにより、その当事者が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがある場合であっても、当該秘密が記載された部分の閲覧の請求をすることができる者を当事者に限ることはできない。
   1 .
アウ
   2 .
アオ
   3 .
イウ
   4 .
イエ
   5 .
エオ
( 令和4年度 司法書士試験 午後の部 問2 )
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この過去問の解説 (3件)

8

訴訟記録の閲覧等に関する問題です。

選択肢3. イウ

アは誤りイは正しいウは正しいです。何人も、裁判所書記官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができます(91条1項)。公開を禁止した口頭弁論に係る訴訟記録については、当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り、請求をすることができます(同条2項)。当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、訴訟記録の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は訴訟に関する事項の証明書の交付を請求することができます(同3項)。

エは誤りです。秘密保護のための閲覧等の制限(92条)に同様の規定があります(同4項)が、「訴訟記録の閲覧の請求を拒絶した裁判所書記官の処分」は含まれていません。

オは誤りです。「訴訟記録中に当事者の私生活についての重大な秘密が記載され、又は記録されており、かつ、第三者が秘密記載部分の閲覧等を行うことにより、その当事者が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあること」につき疎明があった場合には、裁判所は、当該当事者の申立てにより、決定で、当該訴訟記録中当該秘密が記載され、又は記録された部分の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製の請求をすることができる者を当事者に限ることができます(92条1項1号)。

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8

訴訟記録の閲覧等(民事訴訟法91条,92条)について問う問題です。

この問題については,条文を知っていれば解けますが,あまりなじみがない条文だと思われますので,難問といえます。

ですから,不正解でもやむを得ません。この問題が不正解だったから他の受験者に差をつけられて不合格になるということはありません。むしろ,他の基本的な問題で失点しないようにすることが大事です。

なお,訴訟記録は,訴訟ごとにバインダーなどに綴られています。

選択肢3. イウ

ア・・誤りです。

民事訴訟法91条1項において「何人も,裁判所書記官に対し,訴訟記録の閲覧を請求することができる。」旨規定していますので,誤りです。

和解調書も訴訟記録の一部だからです。

本文中に「公開を禁止した口頭弁論に係る訴訟記録」という限定があれば,「当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り,閲覧を請求できる。」(民事訴訟法91条2項)となります。

しかし,本肢には,そのような例外的な場面についての記載がないので,原則どおり,閲覧の請求があった場合には,裁判所書記官は,和解調書の閲覧をさせなければなりません。

イ・・正しいです。

前述の民事訴訟法91条2項を参照してください。

ウ・・正しいです。

本肢は,訴訟記録の「閲覧」ではなく,訴訟記録の「謄写」ですので,何人でも謄写できるわけではありません。謄写できる人について裁判所は限定したい考えだからです。

民事訴訟法91条3項において,謄写ができる対象者について「当事者及び利害関係を疎明した第三者」と限定しています。

したがって,利害関係のない第三者は,裁判所書記官に対し,訴訟記録の謄写を請求できません。

エ・・誤りです。

即時抗告については,法が認める限り,許されます。しかし,裁判所書記官が閲覧を拒絶したからといって,即時抗告は許されませんし,そのような規定もありません。

理由については,後記の「解説のまとめ」欄に詳しく書きましたので,ご参照ください。

オ・・誤りです。

民事訴訟法92条1項1号に「裁判所は,当該当事者の申立てにより,決定で,当該訴訟記録中当該秘密が記載され,又は記録された部分の閲覧若しくは謄写,その正本もしくは抄本の交付またはその複製の請求をすることができる者を当事者に限ることができる。」旨規定しています。

詳細は,後述の「解説のまとめ」欄をご参照願います。

まとめ

本問のように難しい問題については,立法趣旨から考えたほうが正解に近づきやすいです。

民事訴訟法91条と92条によれば,裁判所は,原則として公開裁判の書類については,誰にでも閲覧させる必要がありますので,閲覧はさせますが,公開を禁止した裁判については,当事者及び関係者のみに閲覧を認めています。

ただ,謄写(コピーをとること)は証拠が残るから,裁判所は,その証拠書類等が出回って当事者のプライバシーなどが侵害されたという事態が起きれば,裁判所が訴えられるなどのおそれがあるので,そのような事態を回避するために誰にでも謄写はさせたくないから,謄写ができる者についてはできるだけ限定したいという方向で考えていると思われます。

前述の立法趣旨に照らして考えるとイは正しい選択肢と判断できます。そうすると,残る選択肢はウとエになります。ウは上記の趣旨から正しいだろうと推測がつきます。

エについては,主な理由が2点あります。

1つ目は,訴訟記録の閲覧の請求について裁判所書記官が拒絶したことで,即時抗告をされたら,裁判所書記官の事務が停滞し,円滑な事務の遂行が困難になることにあります。

2つ目は,裁判所書記官が正当な理由なく閲覧を拒絶したら,不服申立てをされたときに裁判所書記官の勝ち目がないので,裁判所書記官が閲覧を拒絶する場合には何らかの正当な理由があるはずということです。

そうすると,仮に即時抗告が認められても不服申立てをしても申立者に勝ち目はないと考えれられますので,エは,誤りの肢であると判断できます。

以上の考え方から,イとウが正しい選択肢と判断できます。

2

訴訟記録の閲覧等についての問題です。

選択肢3. イウ

アは誤りです。

訴訟記録はだれでも裁判所書記官に対し訴訟記録の閲覧を請求することができます(91条)

イは正しいです。

公開を禁止した口頭弁論に係る訴訟記録については当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り、裁判所書記官に対し、その閲覧を請求することができます(91条)

ウは正しいです。

当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、訴訟記録の謄写を請求することができます。(91条)

エは誤りです。

訴訟記録の閲覧の請求を拒絶した裁判所書記官の処分に対しては、即時抗告をすることができるという規定はありません。(92条)

オは誤りです。

秘密保持のための閲覧等の制限があります。当事者の申立てにより閲覧もしくは謄写、その正本もしくは抄本の交付またはその複製の請求をすることができる者を当事者に限定することができます。(92条1項1号)

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