司法書士の過去問
令和5年度
午後の部 問8
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問題
令和5年度 司法書士試験 午後の部 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
司法書士又は司法書士法人に対する懲戒に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 何人も、司法書士又は司法書士法人に司法書士法又は同法に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、法務大臣に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる。
イ 法務大臣は、司法書士法人に対する懲戒処分として、当該司法書士法人の取り扱う業務のうちの一部に限って業務を停止する処分をすることはできない。
ウ 司法書士法人の社員である司法書士が当該司法書士法人の業務について司法書士法又は同法に基づく命令に違反する行為を行った場合には、当該行為について、当該司法書士法人が懲戒処分を受けることはあるが、当該行為を行った当該司法書士法人の社員である司法書士が重ねて懲戒処分を受けることはない。
エ 法務大臣は、司法書士に対し、戒告の処分をしようとする場合には、当該司法書士の聴聞を行わなければならない。
オ 司法書士又は司法書士法人がその所属する司法書士会又は日本司法書士会連合会の会則に違反する行為を行った場合には、これらの会則の遵守義務を定めた司法書士法違反を理由に懲戒処分を受けることがある。
ア 何人も、司法書士又は司法書士法人に司法書士法又は同法に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、法務大臣に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる。
イ 法務大臣は、司法書士法人に対する懲戒処分として、当該司法書士法人の取り扱う業務のうちの一部に限って業務を停止する処分をすることはできない。
ウ 司法書士法人の社員である司法書士が当該司法書士法人の業務について司法書士法又は同法に基づく命令に違反する行為を行った場合には、当該行為について、当該司法書士法人が懲戒処分を受けることはあるが、当該行為を行った当該司法書士法人の社員である司法書士が重ねて懲戒処分を受けることはない。
エ 法務大臣は、司法書士に対し、戒告の処分をしようとする場合には、当該司法書士の聴聞を行わなければならない。
オ 司法書士又は司法書士法人がその所属する司法書士会又は日本司法書士会連合会の会則に違反する行為を行った場合には、これらの会則の遵守義務を定めた司法書士法違反を理由に懲戒処分を受けることがある。
- アイ
- アエ
- イウ
- ウオ
- エオ
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この過去問の解説 (2件)
01
司法書士法に関する問題です。司法書士試験では、午後の部で1問出題されます。例年、司法書士法は平易な問題が出題されることが多く、今年も例にたがわず、比較的簡単な問題が出題されました。
(ア)司法書士法49条第1項は「何人も、司法書士又は司法書士法人に司法書士法又は司法書士法に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、法務大臣に対して、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる」と規定しています。本肢は、条文そのままですので、正しいです。
(イ)司法書士法48条第1項は「司法書士法人が司法書士法又は司法書士法に基づく命令に違反した場合には、法務大臣は、当該司法書士法人に対して、次に掲げる処分をすることができる。(一)戒告、(二)2年以内の業務の全部または一部の停止、(三)解散」と規定しています。一部業務停止の処分も可能なので、本肢は誤りです。
(ウ)司法書士法人の社員である司法書士が、当該司法書士法人の業務について、司法書士法又は司法書士法に基づく命令に違反した場合、法務大臣は、当該司法書士法人と、当該行為を行った当該司法書士法人の所員である司法書士の双方に対して、懲戒処分をすることができます。よって、本肢は誤りです。
(エ)法務大臣は、司法書士に戒告の処分をしようとする場合は、当該司法書士の聴聞を行わなくてはなりません。(司法書士法47条第3項、47条、47条第1号参考)従って、本肢は正しいです。
(オ)司法書士法23条は「司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会の会則を守らなくてはならない」と規定し、同46条において、この規定は、司法書士法人について準用されています。そして、司法書士又は司法書士法人は、この会則遵守義務違反を理由に、懲戒処分を受けることがあります。従って、本肢は正しいです。
司法書士法は、実務では大変重要な法律ですが、試験ではあまり難しいところが出ないので、得点源になります。
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02
司法書士法の論点です。司法書士法も1問だけの出題となりますが、出題されるのは、概ね、条文知識のみと考えて良いでしょう。さらに、ある程度出題されやすい論点も絞れるので、まずは過去問を中心に学習を進めると良いでしょう。
ア 49条1項で、”何人も、司法書士又は司法書士法人に司法書士法又は司法書士法に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、法務大臣に対して、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる”とあるので、本肢は、正解となります。
イ 48条1項で”司法書士法人が司法書士法又は司法書士法に基づく命令に違反した場合には、法務大臣は、当該司法書士法人に対して、次に掲げる処分をすることができる。(一)戒告、(二)2年以内の業務の全部または一部の停止、(三)解散”とあり、業務の一部の停止も可能なので、本肢は不正解となります。
ウ 80条で”法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第七十五条第二項若しくは第三項又は第七十七条から前条までの違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。”とあり、その行為者を罰するほか、法人又は人に対してとある以上、行為者と法人の両方が処罰されることがありうると言えるので、本肢は不正解となります。
エ 47条で”司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、法務大臣は、当該司法書士に対し、次に掲げる処分をすることができる。
一戒告
二二年以内の業務の停止
三業務の禁止
”とあり、49条3項で、”法務大臣は、第四十七条第一号若しくは第二号又は前条第一項第一号若しくは第二号に掲げる処分をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。”とあります。よって、戒告処分をする場合は聴聞を行わなけれなならないので、本肢は正解となります。
オ 23条により、”司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会の会則を守らなくてはならない”、同法46条で、”第四十六条第一条、第二条、第二十条、第二十一条及び第二十三条の規定は、司法書士法人について準用する。”とあるので、本肢の司法書士又は司法書士法人は、この会則遵守義務違反を理由に、懲戒処分を受けることがあるとする、本肢の記述は正解となります。
解法のポイント
懲戒の主体が法務大臣に改正されていることに注意が必要です。
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