司法書士の過去問
令和5年度
午後の部 問21
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問題
令和5年度 司法書士試験 午後の部 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
敷地権付き区分建物又は所有権が敷地権である旨の登記がされている土地についての登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
なお、建物の区分所有等に関する法律第22条第1項ただし書の規約はないものとする。
ア 敷地権付き区分建物についての処分禁止の仮処分の登記は、当該敷地権が生じた後に当該仮処分がされた場合であっても、敷地権の目的である土地のみを目的とすることができる。
イ 敷地権付き区分建物について所有権の移転の登記を申請する場合において、当該区分建物の不動産番号を申請情報の内容としたときは、敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目、地積、敷地権の種類及び割合を申請情報の内容とすることを要しない。
ウ 敷地権である旨の登記がされた土地のみを目的として、当該敷地権が生じた日より後の日付を登記原因の日付とする区分地上権の設定の登記を申請することはできない。
エ 抵当権の設定の登記がされた土地を敷地権の目的として区分建物が新築され、敷地権である旨の登記がされた後、当該抵当権の被担保債権と同一の債権を担保するために当該区分建物のみを目的として抵当権の追加設定の登記を申請することができる。
オ 敷地権付き区分建物の建物のみを目的として、当該敷地権が生じた日より後の日付を登記原因の日付とする賃借権の設定の登記を申請することはできない。
(参考)
建物の区分所有等に関する法律
第22条 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2・3(略)
なお、建物の区分所有等に関する法律第22条第1項ただし書の規約はないものとする。
ア 敷地権付き区分建物についての処分禁止の仮処分の登記は、当該敷地権が生じた後に当該仮処分がされた場合であっても、敷地権の目的である土地のみを目的とすることができる。
イ 敷地権付き区分建物について所有権の移転の登記を申請する場合において、当該区分建物の不動産番号を申請情報の内容としたときは、敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目、地積、敷地権の種類及び割合を申請情報の内容とすることを要しない。
ウ 敷地権である旨の登記がされた土地のみを目的として、当該敷地権が生じた日より後の日付を登記原因の日付とする区分地上権の設定の登記を申請することはできない。
エ 抵当権の設定の登記がされた土地を敷地権の目的として区分建物が新築され、敷地権である旨の登記がされた後、当該抵当権の被担保債権と同一の債権を担保するために当該区分建物のみを目的として抵当権の追加設定の登記を申請することができる。
オ 敷地権付き区分建物の建物のみを目的として、当該敷地権が生じた日より後の日付を登記原因の日付とする賃借権の設定の登記を申請することはできない。
(参考)
建物の区分所有等に関する法律
第22条 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2・3(略)
- アウ
- アエ
- イエ
- イオ
- ウオ
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この過去問の解説 (1件)
01
不動産登記法(区分建物の登記)に関する問題です。ほぼ毎年1問は出題されます。
(ア)敷地権付区分建物について敷地権が生じた後に、敷地権の目的である土地の権利について処分禁止の仮処分がなされた場合には、当該土地のみを目的として、処分禁止の登記の嘱託が可能です。土地のみについて処分禁止の登記を行うことは、敷地権付区分建物の分離処分禁止の原則違反にならないからです。従って、本肢は正しいです。
(イ)敷地権付区分建物について、所有権移転の登記を申請する場合に、当該区分建物の不動産番号を申請情報の内容とするときは、敷地権の目的となる土地の所有する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目、地積を申請情報の内容とすることは不要です。しかしこの場合でも、敷地権の種類及び敷地権割合については、その提供を省略することはできません。従って、本肢は誤りです。
(ウ)区分地上権の設定日付が、区分建物について敷地権が生じた日の前か後かを問わず、敷地権の目的である土地のみについて、区分地上権の設定登記の申請ができます。区分地上権を土地又は建物の一方に設定しても、敷地権付区分建物の分離処分禁止の原則違反にならないからです。従って、本肢は誤りです。
(エ)敷地権の目的である土地が敷地権となる前に当該土地について抵当権の設定の登記がされている場合に、当該抵当権と同一の債権を担保するために、区分建物のみを目的とする抵当権の追加設定登記をすることができます。この登記により、土地と区分建物の双方について、同一の債権を担保する抵当権の設定登記がされることになり、敷地権付区分建物の分離処分禁止の原則からみて望ましい状態になるためです。従って、本肢は正しいです。
(オ)賃借権の設定日付が、区分建物について敷地権が生じた日の前か後かを問わず、賃借権は土地又は建物のみを目的として設定されます。区分建物のみを目的とする賃借権の効力は、敷地所有権には及びません。従って、本肢は誤りです。
区分建物に関する問題は、区分建物とその敷地権の分離処分禁止原則に関する論点が中心です。この論点をしっかり習得しておけば、司法書士試験のほとんどは組み合わせ問題なので、正解できると思います。
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