司法書士 過去問
令和6年度
問33 (午前の部 問33)

ア：　合同会社は計算書類を公告する義務はありません。合同会社は利害関係人があまり多くないため、公告まで要求されません。

ウ：　合名会社から合同会社に変更するには定款を変更する必要がありますので、総社員の同意書を添付いたします。組織変更をする必要はありませんので、組織変更計画書の作成は不要です。

オ：　有限責任社員は、出資の価額を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負います。したがって、当該合資会社の財産に対する強制執行が功を奏しなかった場合にも債務を弁済する責任を負いません。

イ：　有限責任社員は、金銭その他の財産のみ出資することが出来ます。一方で無限責任社員は労務や信用も出資の目的とすることが出来ます。

エ：　法人が業務執行社員となる場合、当該法人は業務執行社員の職務を行なうべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければなりません。

解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。

合同会社は、各事業年度に係る貸借対照表の作成後遅滞なく、当該貸借対照表を公告しなければならない。

✕誤った選択肢です。

会社法第617条2項において、「持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類（貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。）を作成しなければならない。」と定められています。株式会社と異なり、公告までは求められていません。

よって本肢は誤りです。

合資会社の有限責任社員は、労務や信用を出資の目的とすることはできない。

◯正しい選択肢です。

会社法第576条1項6号において、「社員の出資の目的（有限責任社員にあっては、金銭等に限る。）及びその価額又は評価の標準」と定められています。

よって本肢は正しい選択肢です。

合名会社が合同会社となるためには、組織変更計画を作成しなければならない。

✕誤った選択肢です。

会社法第638条1項3号において、「合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、当該各号に定める種類の持分会社となる。」「三　その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更　合同会社」と定められています。種類の変更は定款の変更により行う事ができます。

よって本肢は誤りです。

法人が合同会社の業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。

◯正しい選択肢です。

会社法第598条1項において、「法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。」と定められています。

よって本肢は正しい選択肢です。

既に合資会社に出資の履行をした有限責任社員は、当該合資会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合には、連帯して、当該合資会社の債務を弁済する責任を負う。

✕誤った選択肢です。

会社法第580条2項において、「有限責任社員は、その出資の価額（既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。）を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。」と定められています。

よって本肢は誤りです。