司法書士 過去問
令和6年度
問38 (午後の部 問3)

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問題

司法書士試験 令和6年度 問38(午後の部 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

当事者の出頭に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  原告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭しないときであっても、裁判所は、原告が提出した訴状に記載した事項を陳述したものとみなし、その期日に出頭した被告に弁論をさせることができる。
イ  訴えの取下げに被告の同意が必要な場合において、被告が出頭しない口頭弁論の期日で原告が口頭で訴えを取り下げ、その期日から2週間以内に被告が異議を述べないときは、被告は、訴えの取下げに同意したものとみなされる。
ウ  当事者本人を尋問する場合において、その当事者が正当な理由なく出頭しなかったときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めなければならない。
エ  裁判所は、当事者の一方が弁論準備手続の期日に出頭した場合に限り、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、その期日における手続を行うことができる。
オ  被告が口頭弁論の期日に出頭したが、原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、原告の請求を認容するときは、裁判所は、判決書の原本に基づかないで判決を言い渡すことができる。
  • アウ
  • アオ
  • イエ
  • イオ
  • ウエ

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この過去問の解説 (2件)

01

民事訴訟の手続きは、当事者が出頭しないことも考えられるため、擬制の規定が多く設けられています。これらの規定は頻出ですので理解しておきましょう。


各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. アウ

ア: 原告自らが最初の口頭弁論期日に出頭しない時であっても、裁判所は記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができます。

 

ウ: 当事者尋問において、相手方が正当な理由なく出頭しなかった場合には、裁判所は尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができます

選択肢2. アオ

オ: 被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、原告の請求を認容するときは、裁判所は、判決書の原本に基づかないで判決を言い渡すことができます。

この他、被告が公示送達による呼出しを受けたにもかかわらず口頭弁論の期日に出頭しない場合についても、同様です。

選択肢3. イエ

イ: 訴えの取下げに被告の同意が必要な場合において、被告が出頭しない口頭弁論の期日で原告が口頭で訴えを取り下げ、訴えの取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に被告が異議を述べないときは、被告は、訴えの取下げに同意したものとみなされます。

 

 

エ: 令和5年に改正となり、当事者が弁論準備手続に出頭しなくても、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、その期日における手続を行うことができます。

選択肢4. イオ

解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。

選択肢5. ウエ

解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。

まとめ

他にも証人尋問と当事者尋問、争点整理手続きの区別に関する問題もよく出題されてますので、これを機に復習しておくと良いでしょう。

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02

当事者の出頭に関する問題です。

関連する条文について押さえておきましょう。

選択肢2. アオ

原告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭しないときであっても、裁判所は、原告が提出した訴状に記載した事項を陳述したものとみなし、その期日に出頭した被告に弁論をさせることができる。

◯正しい選択肢です。

民事訴訟法第158条において、「原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。」と定められています。

よって本肢は正しい選択肢です。

 

訴えの取下げに被告の同意が必要な場合において、被告が出頭しない口頭弁論の期日で原告が口頭で訴えを取り下げ、その期日から2週間以内に被告が異議を述べないときは、被告は、訴えの取下げに同意したものとみなされる。

✕誤った選択肢です。

民事訴訟法第261条5項において、「訴えの取下げの書面の送達を受けた日から二週間以内に相手方が異議を述べないときは、訴えの取下げに同意したものとみなす。訴えの取下げが口頭弁論等の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは訴えの取下げがあった日から、相手方がその期日に出頭しなかったときは前項の謄本の送達があった日から二週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。」と定められています。

よって本肢は誤りです。


 

当事者本人を尋問する場合において、その当事者が正当な理由なく出頭しなかったときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めなければならない。

✕誤った選択肢です。

民事訴訟法第208条において、「当事者本人を尋問する場合において、その当事者が、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる。」と定められています。必ず認めなければならないわけではありません。

よって本肢は誤りです。


 

裁判所は、当事者の一方が弁論準備手続の期日に出頭した場合に限り、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、その期日における手続を行うことができる。

✕誤った選択肢です。

民事訴訟法第170条3項において、「裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、弁論準備手続の期日における手続を行うことができる。」と定められています。当事者の一方の出頭は要件ではありません。

よって本肢は誤りです。


 

被告が口頭弁論の期日に出頭したが、原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、原告の請求を認容するときは、裁判所は、判決書の原本に基づかないで判決を言い渡すことができる。

◯正しい選択肢です。

民事訴訟法第254条1項において、「次に掲げる場合において、原告の請求を認容するときは、判決の言渡しは、第二百五十二条の規定にかかわらず、判決書の原本に基づかないですることができる。

一 被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合・・・」と定められています。

よって本肢は正しい選択肢です。

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