司法書士 過去問
令和6年度
問39 (午後の部 問4)

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問題

司法書士試験 令和6年度 問39(午後の部 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

裁判によらない訴訟の完結に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  請求の放棄は、書面でしなければならない。
イ  請求の認諾を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。
ウ  当事者間における訴えの取下げに関する裁判外の合意の成立が証拠上認められるときは、訴えの取下げがあったものとみなされる。
エ  裁判所は、口頭弁論を終結した後判決の言渡しまでの間に和解を試みるときは、口頭弁論を再開しなければならない。
オ  裁判所が当事者の共同の申立てにより事件の解決のために適当な和解条項を定めるときは、その和解条項の定めは、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日における告知その他相当と認める方法による告知によってする。
  • アウ
  • アエ
  • イウ
  • イオ
  • エオ

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この過去問の解説 (2件)

01

裁判によらない訴訟の完結は、取下げや放棄・認諾、和解などさまざまな方法が存在します。それぞれの意義を理解し、要件などを確認してください。

 

各選択肢については以下の通りです。


 

選択肢1. アウ

ア: 請求の放棄や認諾は、口頭によるができます。

 

 

ウ: 当事者間における訴えの取下げに関する裁判外の合意が成立したときは、取下書を書面で提出する必要があります。訴えの取下げがあったものとみなされることはありません。

選択肢2. アエ

エ: 和解の合意は、原則として期日においてすることになっています。期日がすでに経過している場合には、いつでも和解期日を開いて和解を試みることができます。

選択肢3. イウ

イ: 請求の放棄や認諾が調書に記載されると、訴訟終了の効果が生じます。認諾が記載された場合請求認容の確定判決と同一の効力が生じます。


 

選択肢4. イオ

オ: 和解条項の定めは、口頭弁論等の期日における告知その他相当と認める方法による告知によってすることになっています。

選択肢5. エオ

解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。

まとめ

口頭によることができるか否かを問う問題は頻出ですので、まとめて覚えておくと良いでしょう。

参考になった数1

02

訴訟を裁判によらずに完結させる制度には、請求の認諾、訴えの取下げ、和解などがあります。これらは当事者の意思によって訴訟の終了を導く手段であり、訴訟経済や当事者自治の観点からも重要な役割を果たしています。条文だけでなく、判例の解釈も含めて、訴訟手続に与える効果を正確に理解しておくことが求められます。

選択肢4. イオ


請求の放棄や認諾は、口頭弁論で行うのが原則であり(民事訴訟法261条1項)、書面でしなければならないという規定はありません。書面による意思表示が認められるのは例外で、記述はそれを当然の要件として誤解させる内容になっています。
本記述は誤りです。


請求の認諾が裁判所の調書に記載された場合、その記載は確定判決と同一の効力を持ちます(民事訴訟法267条)。この効力には執行力も含まれ、判決と同様に取り扱われます。
本記述は正しいです。


当事者が訴えを取り下げることについて裁判外で合意していたとしても、それだけで訴えが取り下げられたことにはなりません。取下げは、裁判所に対する明示的な意思表示が必要であり、黙示や合意の存在だけで成立したとはみなされないというのが判例の立場です(最判昭和34年12月18日)。
本記述は誤りです。


裁判所が口頭弁論終結後に和解を試みる場合、必ずしも口頭弁論を再開しなければならないわけではありません。確かに判決前に和解をする場合、必要に応じて口頭弁論を再開することはありますが、当事者の同意や状況によっては弁論を再開せずに和解が成立することもあり得ます。
この点に関しては、明文の規定はなく、本記述のように「再開しなければならない」と断定するのは誤りです。


和解条項の定め方については、民事訴訟法275条2項により、口頭弁論・弁論準備手続・和解期日での告知、または相当と認める方法によることができます。この記述は条文に即しており正確です。
本記述は正しいです。

まとめ

裁判によらない訴訟の完結に関する問題では、認諾・放棄・訴えの取下げ・和解など、当事者の意思により訴訟を終了させる手段の内容と効果が問われます。形式的な手続要件と実体的な効力のバランスを理解し、特に判例で明確にされている解釈については丁寧に押さえておくことが大切です。

 

 

 

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