司法書士 過去問
令和6年度
問47 (午後の部 問12)

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問題

司法書士試験 令和6年度 問47(午後の部 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

次のアからオまでの登記のうち、主登記によってするものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  根抵当権の共有者間における根抵当権の優先の定めの登記
イ  賃借権が敷地利用権である場合にする敷地権である旨の登記
ウ  民法第398条の8第1項の合意の登記
エ  仮登記がされた所有権移転請求権の移転の登記
オ  抵当権の順位の変更の登記

(参考)
民法
第398条の8元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が
相続の開始後に取得する債権を担保する。
 2~4(略)
  • アイ
  • アウ
  • イオ
  • ウエ
  • エオ

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この過去問の解説 (2件)

01

主登記でされるか付記登記でされるかは、司法書士として非常に常識的な問題といえます。少しでも不安がある方はよく復習をしてください。

 

各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. アイ

ア: 優先の定めの登記は付記登記でされます。

 

イ: 敷地権である旨の登記は、敷地権の内容を問わず、主登記でされます。

選択肢2. アウ

ウ: 民法第398条の8第1項の合意の登記は、一般的な根抵当権の変更登記に準じて、付記登記でされます。

選択肢3. イオ

オ: 順位変更の登記は主登記でされます。一方で順位の譲渡や放棄は付記登記でされます。

選択肢4. ウエ

エ: 所有権移転請求権の移転は付記登記でされます。またこれは実体的な物権変動ですので、本登記でされます。

選択肢5. エオ

解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。

まとめ

こちらは基本問題ですので、必ず確認してください。またエに関して、本登記でされるか仮登記でされるかという出題もありますので、併せて復習してください。

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02

登記には、大きく分けて主登記付記登記があり、主登記は独立した権利や負担の発生・変更などを記録する際に使われます。一方、付記登記は既に登記されている事項に付随して行われる登記です。どちらの形式になるかは、不動産登記規則などに基づいて判断されます。

選択肢3. イオ


根抵当権の共有者間での優先の定めの登記は、既にある根抵当権の内容に関する追加情報を記録するもので、根抵当権という主たる権利の登記に付随して行われます。
このような登記は付記登記で処理されます。


賃借権が敷地利用権である場合の「敷地権である旨の登記」は、当該賃借権自体を新たに表示する登記となるため、主登記によって行われます。


民法398条の8第1項に基づく合意の登記(相続人が取得する債権を担保する旨の合意)は、すでに登記されている根抵当権に付加的に記録される情報であるため、付記登記で行います。

仮登記がされた所有権移転請求権の移転の登記は、仮登記の権利内容に変更がある場合に行うもので、元の仮登記に付随する登記として処理されます。これも付記登記です。


抵当権の順位の変更は、抵当権という主たる権利の地位そのものに変更が生じる登記です。この変更は登記簿上、主登記として行われます。
 

まとめ

主登記と付記登記の区別では、その登記が独立して登記簿に表示される性質のものか、既存の権利に関連づけられるものかを見極めることが重要です。権利の発生や順位変更などは主登記となりやすく、内容変更や合意の登記などは付記登記として処理されます。

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