司法書士 過去問
令和6年度
問49 (午後の部 問14)
問題文
代位による登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、AからBへ、BからCへと順次売買がされたが、Bが所有権の移転の登記の申請に協力しない場合において、CがBに代位してAと共同してAからBへの所有権の移転の登記の申請をするときに提供すべき代位原因を証する情報は、BからCへの所有権の移転の登記手続を命ずる旨の確定判決の正本でなければならない。
イ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Bを抵当権者とし、Cを債務者とする抵当権の設定の登記がされている場合において、Cの住所に変更が生じたときは、Bは、Aに代位して、単独で、Cの債務者の住所の変更の登記を申請することができる。
ウ 売買を原因とするAからBへの所有権の移転の登記と同時にした買戻しの特約の登記がされている甲不動産について、その後、Cを抵当権者とする抵当権の設定の登記がされ、当該抵当権の担保不動産競売開始決定に基づく差押えの登記がされた場合において、CがBに代位してAと共同して買戻しの特約の登記の抹消を申請するときは、代位原因を証する情報の提供を要しない。
エ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Aが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの債権者であるCが、Bに代位して相続を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了したときは、登記官は、B及びCに対して登記が完了した旨を通知しなければならない。
オ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Aが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの債権者であるCが、Bに代位して相続を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了したときは、Cに対して登記識別情報が通知される。
ア Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、AからBへ、BからCへと順次売買がされたが、Bが所有権の移転の登記の申請に協力しない場合において、CがBに代位してAと共同してAからBへの所有権の移転の登記の申請をするときに提供すべき代位原因を証する情報は、BからCへの所有権の移転の登記手続を命ずる旨の確定判決の正本でなければならない。
イ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Bを抵当権者とし、Cを債務者とする抵当権の設定の登記がされている場合において、Cの住所に変更が生じたときは、Bは、Aに代位して、単独で、Cの債務者の住所の変更の登記を申請することができる。
ウ 売買を原因とするAからBへの所有権の移転の登記と同時にした買戻しの特約の登記がされている甲不動産について、その後、Cを抵当権者とする抵当権の設定の登記がされ、当該抵当権の担保不動産競売開始決定に基づく差押えの登記がされた場合において、CがBに代位してAと共同して買戻しの特約の登記の抹消を申請するときは、代位原因を証する情報の提供を要しない。
エ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Aが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの債権者であるCが、Bに代位して相続を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了したときは、登記官は、B及びCに対して登記が完了した旨を通知しなければならない。
オ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Aが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの債権者であるCが、Bに代位して相続を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了したときは、Cに対して登記識別情報が通知される。
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問題
司法書士試験 令和6年度 問49(午後の部 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
代位による登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、AからBへ、BからCへと順次売買がされたが、Bが所有権の移転の登記の申請に協力しない場合において、CがBに代位してAと共同してAからBへの所有権の移転の登記の申請をするときに提供すべき代位原因を証する情報は、BからCへの所有権の移転の登記手続を命ずる旨の確定判決の正本でなければならない。
イ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Bを抵当権者とし、Cを債務者とする抵当権の設定の登記がされている場合において、Cの住所に変更が生じたときは、Bは、Aに代位して、単独で、Cの債務者の住所の変更の登記を申請することができる。
ウ 売買を原因とするAからBへの所有権の移転の登記と同時にした買戻しの特約の登記がされている甲不動産について、その後、Cを抵当権者とする抵当権の設定の登記がされ、当該抵当権の担保不動産競売開始決定に基づく差押えの登記がされた場合において、CがBに代位してAと共同して買戻しの特約の登記の抹消を申請するときは、代位原因を証する情報の提供を要しない。
エ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Aが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの債権者であるCが、Bに代位して相続を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了したときは、登記官は、B及びCに対して登記が完了した旨を通知しなければならない。
オ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Aが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの債権者であるCが、Bに代位して相続を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了したときは、Cに対して登記識別情報が通知される。
ア Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、AからBへ、BからCへと順次売買がされたが、Bが所有権の移転の登記の申請に協力しない場合において、CがBに代位してAと共同してAからBへの所有権の移転の登記の申請をするときに提供すべき代位原因を証する情報は、BからCへの所有権の移転の登記手続を命ずる旨の確定判決の正本でなければならない。
イ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Bを抵当権者とし、Cを債務者とする抵当権の設定の登記がされている場合において、Cの住所に変更が生じたときは、Bは、Aに代位して、単独で、Cの債務者の住所の変更の登記を申請することができる。
ウ 売買を原因とするAからBへの所有権の移転の登記と同時にした買戻しの特約の登記がされている甲不動産について、その後、Cを抵当権者とする抵当権の設定の登記がされ、当該抵当権の担保不動産競売開始決定に基づく差押えの登記がされた場合において、CがBに代位してAと共同して買戻しの特約の登記の抹消を申請するときは、代位原因を証する情報の提供を要しない。
エ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Aが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの債権者であるCが、Bに代位して相続を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了したときは、登記官は、B及びCに対して登記が完了した旨を通知しなければならない。
オ Aが所有権の登記名義人である甲不動産について、Aが死亡し、その相続人がBである場合において、Bの債権者であるCが、Bに代位して相続を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了したときは、Cに対して登記識別情報が通知される。
- アウ
- アオ
- イエ
- イオ
- ウエ
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この過去問の解説 (2件)
01
登記法の問題は実務に非常に直結しており、実務に出る上で最低限の知識となります。ウを除き、基本問題ですので解説を参照してください。
各選択肢については以下の通りです。
ア: 代位原因を証する情報は、確定判決の正本に限られず私文書でも構いません。
ウ: 本事例の場合には代位原因証明情報の提供は不要となりますが、非常に難問です。知らない方が大半かと思います。抵当権の担保不動産競売開始決定に基づく差押えの登記がされた場合に買戻特約を代位で抹消できるということを知っていれば問題ありません。
オ: 代位で登記申請をしている場合には、代位者に登記識別情報は通知されません。(登記の名義人ではないからです。)
イ: 抵当権の債務者の住所変更は、抵当権者と設定者が共同して登記申請することになります。
代位は、債務者の協力なしに必要な登記を実現する手段であるため、安易に認められるべきものではありません。共同申請により登記の真正を担保するという不動産登記法の原則を潜脱することとなるからです。
エ: 代位で登記申請された場合であっても登記完了証は発行されます。
登記完了証と登記識別情報の相違は実務上も非常に重要となりますので、必ず理解しましょう。
解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。
解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。
特にオの登記識別情報通知が発行されるかどうかは重要ですので、どのような場合に発行されないか覚えておきましょう。
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02
代位による登記では、本来登記申請義務を負う者が申請に協力しない場合に、利害関係を持つ第三者がその者に代わって登記を申請できます。ただし、代位が認められるには、法定の要件と、代位原因を証する情報の提供が必要となります。
ア
代位による登記の申請には、確定判決の正本が必要とは限らず、公正証書や執行証書など他の書面でも足りる場合があります(不動産登記規則182条1項)。「正本でなければならない」と限定している点が誤りです。
本記述は誤りです。
イ
債務者Cの住所変更登記は、登記名義人であるC本人の申請が必要です。抵当権者Bが代位して申請することはできません。
本記述は誤りです。
ウ
差押登記によって抵当権者Cが買戻し権に利害関係を持つことになるため、CはBに代位して買戻し特約の抹消登記を申請できます。この場合、代位原因を証する情報の提供は不要です(不登規則182条2項)。
本記述は正しいです。
エ
相続登記を代位によって申請した場合でも、登記完了の通知は、登記名義人となるBと申請人Cの双方にされます(不動産登記規則188条2項)。
本記述は正しいです。
オ
代位による登記の場合、申請人は登記義務者本人ではないため、登記識別情報は通知されません(不動産登記規則189条1項2号)。
Cには通知されないので、本記述は誤りです。
代位による登記では、申請できる範囲、代位原因の立証方法、通知や識別情報の扱いに違いがあります。登記規則に定められた要件や例外を押さえて、形式や添付書面に関する細かい点まで確認しておくことが必要です。
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