司法書士 過去問
令和6年度
問50 (午後の部 問15)

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問題

司法書士試験 令和6年度 問50(午後の部 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

不動産登記の申請の却下又は取下げに関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  申請代理人が甲土地の所有権の移転の登記の申請を取り下げて、当該申請の際に納付した印紙の再使用証明を受けた場合には、当該申請代理人は、当該申請の申請人以外の者を申請人とする甲土地と同一の登記所の管轄区域内にある乙土地の所有権の移転の登記の申請のために、当該印紙を使用することはできない。
イ  法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用する方法により登記の申請をした場合において、当該申請を取り下げるときは、当該申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法によることができる。
ウ  「承役地の所有者は承役地の浸冠水その他の影響について一切異議求償等を申立てない」旨の特約を申請情報として地役権の設定の登記を申請した場合には、当該申請は却下される。
エ  書面申請の方法により登記の申請をした場合において、当該申請が却下されたときは、当該申請の申請書は還付されない。
オ  外国に住所を有する登記義務者が登記識別情報を提供することができないために事前通知による手続を利用して登記の申請をする場合において、登記官が事前通知を発送した日から2週間内に当該登記義務者から申請の内容が真実である旨の申出がされなかったときは、当該申請は却下される。
  • アイ
  • アエ
  • イオ
  • ウエ
  • ウオ

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この過去問の解説 (2件)

01

再使用証明や取下げ、却下に関する出題です。あまり重要な分野ではありませんが、実務上必要となる知識です。

 

各選択肢については以下の通りです。

選択肢1. アイ

ア: 再使用証明書を受けた代理人は、再使用証明を受けた管轄登記所に限り、その他の不動産登記や商業登記に再使用証明を受けた印紙を利用することができます。

 

近年では実務上オンライン申請が一般的ですので、再使用証明の出番は減少しています。もっとも書面申請でなければならない場合(事故簿など)もありますので、知識としては知っておくと良いでしょう。

 

 

イ: オンライン申請をしている場合における取下げは、オンラインによります。また、書面申請における取下げは書面によります。

選択肢2. アエ

エ: 登記申請が却下された場合には添付書類は還付されますが、申請書は還付されません。また偽造書面などについては還付されません。

選択肢3. イオ

オ: 登記識別情報を提供できない場合に事前通知制度を利用するときは、登記官が事前通知を発送した日から2週間内に当該登記義務者から申請の内容が真実である旨の申出がされなかったときは、当該申請は却下されます。ただし登記義務者の住所が海外であるときは、4週間となります。

 

頻出のひっかけとして、「事前通知が到着して」2週間というものがあります。起算日を常に確認してください。

 

選択肢4. ウエ

ウ: 当該特約は却下されますが、知らなくて問題ありません。この選択肢は深入りせずに、他の選択肢を復習してください。

1961年(昭和36年)9月15日民甲2324号回答という法務局長からの回答を根拠としています。

選択肢5. ウオ

解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。

まとめ

却下や取下げは、司法書士としてはしたくないものですが、いつかは出会ってしまうかもしれません。実際の登記をイメージしながら勉強すると良いでしょう。

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02

不動産登記の申請に関しては、申請の取り下げや却下の条件、書類の取り扱い、印紙の再使用、登記義務者の応答など、手続面での細かな規定が存在します。条文や登記実務の運用に沿って一つずつ確認することが大切です。

選択肢4. ウエ


再使用証明を受けた印紙は、元の申請と同じ申請人による申請にしか使えません。申請人が異なる登記には再使用できないことになっています。この記述では、申請代理人が別の申請人の登記に使おうとしており、不適切です。
本記述は誤りです。


オンライン申請を取り下げる場合、取り下げの情報は電子情報処理組織で送信しなければなりません(不動産登記規則61条2項)。紙の書面で提出することは認められていません。
本記述は誤りです。


申請情報に地役権の内容として、「承役地の所有者は異議等を申し立てない」といった特約だけを記載した場合、これは権利の内容として登記簿に記録できるものではないため、却下の対象となります(登記研究など実務通達に基づく扱い)。
本記述は正しいです。


登記申請が却下された場合、申請書は登記所に保存され、返却されません(不動産登記規則119条)。

本記述は正しいです。


事前通知を受けた登記義務者が2週間以内に応答しない場合、申請は却下される可能性があります。ただし、必ず却下されるとは限らず、補正などの対応がとられることもあります。「必ず却下される」と断定している点が不適切です。
本記述は誤りです。

まとめ

申請の却下や取下げに関する問題では、印紙の扱い、電子申請の取り下げ方法、登記原因の内容、書類の還付、通知制度の期限など、実務的な運用の知識が問われます。条文だけでなく、通達や登記所の取扱いも意識して整理しておくことが重要です。

 

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