司法書士 過去問
令和6年度
問69 (午後の部 問34)
問題文
次の対話は、新設分割の登記に関する司法書士と補助者との対話である。司法書士の質問に対する次のアからオまでの補助者の解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとする。
※問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
司法書士: 国民の祝日である日を変更の年月日として、新設分割株式会社の新設分割による変更の登記を申請することができますか。
補助者:ア はい。この場合、新設分割計画で定められた効力発生日に新設分割の効力が生じますので、新設分割株式会社については、当該日を変更の年月日として、その後法定の期間内に変更の登記を申請することができます。
司法書士: 新設分割株式会社の本店所在地を管轄する登記所がA法務局、新設分割設立株式会社の本店所在地を管轄する登記所がB法務局の場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書と新設分割株式会社の変更の登記の申請書は、どの法務局に提出しますか。
補助者:イ B法務局に対し、同時に提出します。
司法書士: 新設分割計画において、会社法第763条第1項第12号に掲げる事項の定めがなく、かつ、新設分割株式会社が新設分割設立株式会社に承継させる債務の全てにつき新設分割株式会社が重畳的債務引受けをする旨の定めがある場合には、新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書には、債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要がありますか。
補助者:ウ この場合、当該登記の申請書に債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要はありません。
司法書士: 新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書に、新設分割計画が承認されたことを証する書面として株主総会の議事録を添付する必要がないのは、どのような場合ですか。
補助者:エ いわゆる簡易分割又は略式分割の場合には、当該登記の申請書に株主総会の議事録を添付する必要はありません。
司法書士: 最後に、新設分割設立株式会社の資本金の額が1000万円である場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記をする場合の登録免許税の額は、いくらですか。
補助者:オ 15万円です。
(参考)
会社法
第763条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、
新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一~十一 (略)
十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨
イ 第171条第1項の規定による株式の取得(同項第1号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。)
ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。)
2(略)
なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとする。
※問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
司法書士: 国民の祝日である日を変更の年月日として、新設分割株式会社の新設分割による変更の登記を申請することができますか。
補助者:ア はい。この場合、新設分割計画で定められた効力発生日に新設分割の効力が生じますので、新設分割株式会社については、当該日を変更の年月日として、その後法定の期間内に変更の登記を申請することができます。
司法書士: 新設分割株式会社の本店所在地を管轄する登記所がA法務局、新設分割設立株式会社の本店所在地を管轄する登記所がB法務局の場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書と新設分割株式会社の変更の登記の申請書は、どの法務局に提出しますか。
補助者:イ B法務局に対し、同時に提出します。
司法書士: 新設分割計画において、会社法第763条第1項第12号に掲げる事項の定めがなく、かつ、新設分割株式会社が新設分割設立株式会社に承継させる債務の全てにつき新設分割株式会社が重畳的債務引受けをする旨の定めがある場合には、新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書には、債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要がありますか。
補助者:ウ この場合、当該登記の申請書に債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要はありません。
司法書士: 新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書に、新設分割計画が承認されたことを証する書面として株主総会の議事録を添付する必要がないのは、どのような場合ですか。
補助者:エ いわゆる簡易分割又は略式分割の場合には、当該登記の申請書に株主総会の議事録を添付する必要はありません。
司法書士: 最後に、新設分割設立株式会社の資本金の額が1000万円である場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記をする場合の登録免許税の額は、いくらですか。
補助者:オ 15万円です。
(参考)
会社法
第763条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、
新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一~十一 (略)
十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨
イ 第171条第1項の規定による株式の取得(同項第1号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。)
ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。)
2(略)
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問題
司法書士試験 令和6年度 問69(午後の部 問34) (訂正依頼・報告はこちら)
次の対話は、新設分割の登記に関する司法書士と補助者との対話である。司法書士の質問に対する次のアからオまでの補助者の解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとする。
※問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
司法書士: 国民の祝日である日を変更の年月日として、新設分割株式会社の新設分割による変更の登記を申請することができますか。
補助者:ア はい。この場合、新設分割計画で定められた効力発生日に新設分割の効力が生じますので、新設分割株式会社については、当該日を変更の年月日として、その後法定の期間内に変更の登記を申請することができます。
司法書士: 新設分割株式会社の本店所在地を管轄する登記所がA法務局、新設分割設立株式会社の本店所在地を管轄する登記所がB法務局の場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書と新設分割株式会社の変更の登記の申請書は、どの法務局に提出しますか。
補助者:イ B法務局に対し、同時に提出します。
司法書士: 新設分割計画において、会社法第763条第1項第12号に掲げる事項の定めがなく、かつ、新設分割株式会社が新設分割設立株式会社に承継させる債務の全てにつき新設分割株式会社が重畳的債務引受けをする旨の定めがある場合には、新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書には、債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要がありますか。
補助者:ウ この場合、当該登記の申請書に債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要はありません。
司法書士: 新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書に、新設分割計画が承認されたことを証する書面として株主総会の議事録を添付する必要がないのは、どのような場合ですか。
補助者:エ いわゆる簡易分割又は略式分割の場合には、当該登記の申請書に株主総会の議事録を添付する必要はありません。
司法書士: 最後に、新設分割設立株式会社の資本金の額が1000万円である場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記をする場合の登録免許税の額は、いくらですか。
補助者:オ 15万円です。
(参考)
会社法
第763条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、
新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一~十一 (略)
十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨
イ 第171条第1項の規定による株式の取得(同項第1号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。)
ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。)
2(略)
なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとする。
※問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
司法書士: 国民の祝日である日を変更の年月日として、新設分割株式会社の新設分割による変更の登記を申請することができますか。
補助者:ア はい。この場合、新設分割計画で定められた効力発生日に新設分割の効力が生じますので、新設分割株式会社については、当該日を変更の年月日として、その後法定の期間内に変更の登記を申請することができます。
司法書士: 新設分割株式会社の本店所在地を管轄する登記所がA法務局、新設分割設立株式会社の本店所在地を管轄する登記所がB法務局の場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書と新設分割株式会社の変更の登記の申請書は、どの法務局に提出しますか。
補助者:イ B法務局に対し、同時に提出します。
司法書士: 新設分割計画において、会社法第763条第1項第12号に掲げる事項の定めがなく、かつ、新設分割株式会社が新設分割設立株式会社に承継させる債務の全てにつき新設分割株式会社が重畳的債務引受けをする旨の定めがある場合には、新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書には、債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要がありますか。
補助者:ウ この場合、当該登記の申請書に債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要はありません。
司法書士: 新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書に、新設分割計画が承認されたことを証する書面として株主総会の議事録を添付する必要がないのは、どのような場合ですか。
補助者:エ いわゆる簡易分割又は略式分割の場合には、当該登記の申請書に株主総会の議事録を添付する必要はありません。
司法書士: 最後に、新設分割設立株式会社の資本金の額が1000万円である場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記をする場合の登録免許税の額は、いくらですか。
補助者:オ 15万円です。
(参考)
会社法
第763条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、
新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一~十一 (略)
十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨
イ 第171条第1項の規定による株式の取得(同項第1号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。)
ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。)
2(略)
- アイ
- アエ
- イウ
- ウオ
- エオ
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この過去問の解説 (1件)
01
例年問34では組織再編に関する問題が出題されます。組織再編は商業登記の中で最も複雑なものをいえます。まずはどのような組織再編が存在しどのような書面を提供する必要があるか確認しましょう。
各選択肢については以下の通りです。
ア: 新設型の組織再編は登記申請日が効力発生日となります。
イ: 新設分割の場合には、設立会社の本店所在地を管轄する登記所に対し、分割による設立の登記申請書と分割会社についての変更登記申請書を同時に提出する必要があります。
エ: 新設型の組織再編の場合、登記をするまで設立会社(親会社)は存在しないため、略式組織再編というものは存在し得ません。
なお、簡易組織再編については新設分割に限り、認められています。
ウ: 新設分割会社が連帯保証や併存的債務引受けをしている場合には、債権者を債権者を害するおそれが無いため、債権者保護手続きは不要となります。また同じ理由で、債権者が新設分割後に新設分割会社に対して債務の履行を請求することができる場合にも債権者保護手続きが不要となります。
オ: 新設分割による設立会社の設立登記の登録免許税は、資本金額の0.7%です。一方で、新設分割会社の変更登記は1件3万円となります。
解説は他選択肢に記載しておりますので、そちらを参照してください。
組織再編に関する問題は、暗記ではなく理解が非常に重要となります。株券提出公告や債権者保護手続き、登記手続きなど手続きが多岐に渡りますので、まず流れを理解しましょう。
参考になった数2
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