公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問10

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問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

成人の脳波について、正しいものを1つ選べ。
  • α波は閉眼で抑制される。
  • α波は前頭部に優位である。
  • β波はレム睡眠で抑制される。
  • δ波は覚醒時に増加する。
  • θ波は認知症で増加する。

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この過去問の解説 (3件)

01

脳波については表にまとめるなどして丸暗記しておくと
どのような尋ねられ方でも正答を導くことができます。
この問題では“成人の”とあることにも要注意です。

β:14~30Hz・速波・精神作業、情動興奮、前頭部に優勢
α:8〜13Hz・―・閉眼安静時、後頭部と頭頂部に優勢
θ:4〜7Hz・徐波・小児期の基本律動、単純集中作業時
δ:0.5〜3Hz・徐波・新生児、成人の睡眠時

小児の脳波はθが中心的であり、成長に従いα波が中心になります。


1.α波は閉眼安静時に見られます。

2.α波は後頭部と頭頂部に優勢です。
前頭部に優勢なのはβ波です。

3.β波は精神作業時に見られるもので、
レム睡眠・ノンレム睡眠ともに睡眠時は抑制されています。

4.δ波は睡眠時に見られます。

5.これが正答です。
認知症に特徴的な脳波として、θ波の出現増加があります。

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02

正解は、5です。

各脳波の周波数と、活動状態について押さえておきましょう。

δ波(0.5 ~ 4 Hz未満)は、深い睡眠時に出現します。
θ波(4 ~ 8 Hz未満)は、入眠時に出現します。また、θ波は認知症により増加します。
α波(8 ~ 13 Hz未満)は、閉眼安静時に出現します。
β波(13 Hz以上)は、覚醒・活動時に出現します。

各選択肢については、以下の通りです。

1→α波は、閉眼時に出現します。
よって選択肢は、誤りです。

2→α波は、後頭部に優位に出現します。
よって選択肢は、誤りです。

3→β波は、覚醒・活動時に出現します。
よって選択肢は、誤りです。

4→δ波は、深い眠りの時に出現します。
よって選択肢は、誤りです。

5→上記での説明にもあるように、θ波は、認知症で増加します。
よって選択肢は、正しいです。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。

脳波の種類や発生部位、それぞれの脳波の特徴だけでなく、どの状況でどの脳波がどのように活動するか、周波数の出現するパターンについて、一連の流れとして理解しておく必要があります。それでは問題を見てみましょう。

選択肢1. α波は閉眼で抑制される。

α波は閉眼時に出現するため、間違いです。

選択肢2. α波は前頭部に優位である。

主に後頭部に優位であるため、間違いです。優位であって、ほかに出現しないわけではありませんので、注意しましょう。

選択肢3. β波はレム睡眠で抑制される。

β波は人が集中して活動しているときに出現します。レム睡眠は急速眼球運動などが生じることで鑑別されます。レム睡眠では様々な脳波が混在して出現します。必ずしも抑制されるとは言い切れないため、間違いです。

選択肢4. δ波は覚醒時に増加する。

覚醒しているときの閉眼時はθ波同様、ほとんど出現しないため、間違いです。

選択肢5. θ波は認知症で増加する。

認知症に関する脳波の出現は一律ではなく諸派分かれるところです。

一般的に除波(θ波、δ波)は増加するといわれています。

まとめ

特にレム睡眠、ノンレム睡眠と脳波の関連性については丁寧に整理して覚えておくとよいでしょう。優位に活動する、抑制されるなど、独特な単語を用いていますので、それぞれの言葉の意味も確認しておきましょう。

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