公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午前 問9

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第1回(2018年) 午前 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

パーソナリティの特性に根源特性と表面特性とを仮定し、根源特性として16因子を見出した心理学者は誰か。正しいものを1つ選べ。
  • C. R. Cloninger
  • G. A. Kelly
  • H. J. Eysenck
  • J. P. Guilford
  • R. B. Cattell

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

「パーソナリティの特性に根源特性と表面特性とを仮定し、
根源特性として16因子を見出した心理学者」といえば、
5.の R. B. Cattell (キャッテル)です。

選択肢の中にはあまりお見かけしないお名前も登場しており、
悩ましいかもしれませんが、
キーワードと紐付けて覚えておきましょう。

1. C. R. Cloninger(クロニンジャー)は、
4つの気質・3つの性格・7因子モデル の提唱者です。

2. G. A. Kelly(ケリー)は、
パーソナル・コンストラクト理論の提唱者です。
ある人の人格を理解するには、
その人に特有の物事の捉え方の傾向(コンストラクト)を知ることが重要である
という考え方です。

3. H. J. Eysenck(アイゼンク)は、
アイゼンク性格検査の考案者です。
アイゼンク性格検査は、
外向性内向性・神経症的傾向・精神病的傾向の因子による性格検査です。

4. J. P. Guilford(ギルフォード)は、
YG性格検査の元となるギルフォード性格検査の考案者です。

5. R. B. Cattell(キャッテル)は、
因子分析法を用いて人格研究を行いました。
表面的特性とは観察可能なもの、
根源的特性とは観察不可能なものを指します。

参考になった数183

02

正解は、5です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→C.R.Cloningerは、パーソナリティを気質と性格に分ける7因子モデルを提唱した人物です。
よって選択肢は、誤りです。

2→G.A.Kellyは、パーソナル・コンストラクト理論を提唱した人物です。
人は、出来事の類似点や相違点を認知し、コンストラクトを形成します。
そのコンストラクトを選択していくことで、最適な結果が起こると仮定し、行動するとされています。
よって選択肢は、誤りです。

3→H.J.Eysenckは、精神分析を批判し、学習理論に基づく行動療法を広めた人物です。
パーソナリティは遺伝と環境で決定されると考え、MPIを開発しました。
よって選択肢は、誤りです。

4→J.P.Guilfordは、性格特性を12因子によって測定した人物です。
この検査は、YG性格検査の基になった検査でもあります。
よって選択肢は、誤りです。

5→R.B.Cattellは、16因子モデルを提唱した人物です。
また、それをもとに、16P-F人格検査を作成しました。
これは、16因子を測定するもので、187の質問項目からなる検査です。
よって選択肢は、正しいです。

参考になった数114

03

この問題で覚えておくべきポイントは以下のとおりです。

様々な心理学者が何を提唱したか、そもそもどのような学派に属しているかを記憶しておくことで、思い出すためのヒントとなると思います。検査名や内容と結びつけておくこともよいでしょう。また提唱した内容のポイントは何か、さらにどのように発展させたかについても、系統だてて整理しておく必要があります。それでは問題を見てみましょう。

選択肢1. C. R. Cloninger

パーソナリティの構造について分類していますが、「気質」に4次元と「性格」は3次元の計7次元へ分類しています。

そのため、間違いです。

選択肢2. G. A. Kelly

パーソナル・コンストラクト理論の提唱者です。人は予め物事の捉え方に枠組み(認知構造)を持ち、それに基づいて判断するため、その認知構造を知ることでパーソナリティを理解できる、という理論ですので、間違いです。

選択肢3. H. J. Eysenck

のちのMPI(モーズレイ性格検査)に発展した理論の提唱者です。パーソナリティを3因子(内向性-外向性、神経症傾向、精神病傾向)で分類しています。そのため間違いです。

選択肢4. J. P. Guilford

知能な3次元(領域・所作・働き)の組み合わせで成り立つという知能構造論の提唱者ですので、間違いです。

選択肢5. R. B. Cattell

問題文通りですので、正解です。のちの16PF(16性格因子テスト)の開発につながっています。

まとめ

類似した理論も多いため、どのような理論で、どのような根拠(因子分析論など)で発展しているかについても、整理して覚えておくと、開発した検査やその分析方法まで一つの流れで覚えておくことができます。実際の検査がどのような考え方で作られているかについて、注意深く勉強しておくと、提唱者の頭の中が理解しやすいかもしれません。

参考になった数1