公認心理師の過去問
第1回(2018年)
午後 問128
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
公認心理師試験 第1回(2018年) 午後 問128 (訂正依頼・報告はこちら)
日本で開発された心理療法について、正しいものを2つ選べ。
- 森田療法における入院療法では、最初の約1週間は終日横になったままで過ごす。
- 森田療法では、不安を「あるがままに」受けとめた上で、不安が引き起こす症状の意味や内容を探求していく。
- 内観療法における集中内観では、指導者を含め他人と一切話をしてはならない。
- 内観療法では、「してもらったこと」、「して返したこと」、「迷惑をかけたこと」及び「して返したいこと」という4項目のテーマが設定されている。
- 動作法では、心理的な問題の内容や意味を心理療法の展開の主な要因としては扱わない。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
各選択肢については、以下の通りです。
1→森田療法の絶対臥褥期では、1週間、食事・洗面・トイレ以外は横になって過ごします。
よって選択肢の内容は、正しいです。
2→森田療法では、不安が引き起こす症状の意味や内容を探求しません。
よって選択肢の内容は、誤りです。
3→内観療法では、1~2時間おきに指導者と面談し、振り返りを報告します。
よって選択肢の内容は、誤りです。
4→内観療法では内観3項目が設定されています。3項目とは「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」です。
よって選択肢の内容は、誤りです。
5→動作法は、言葉ではなく動作を治療の媒体とすることが特徴です。
よって選択肢の内容は、正しいです。
参考になった数61
この解説の修正を提案する
02
正答は1と5です。
1 森田療法は、森田正馬によって、神経症(対人恐怖・強迫性障害・パニック障害等)を対象に開発された心理療法です。
森田療法には「入院療法」と「外来療法」の2つの方法があり、元来は入院療法が基本とされていました。
入院治療は、①絶対臥褥期、②軽作業期、③重作業期、④生活訓練期に分けられており、最初の約1週間すなわち絶対臥褥期においては、何もせずひたすら横になり、自分の存在を受け入れる時期と設定されています。したがって、記述は正しいです。
2 森田療法においては、症状は直接取り上げず、不安をあるがままに受け止めることが重要視されています。そのため、「不安が引き起こす症状の意味や内容を探求していく」という部分が誤りとなります。不安がありながらも必要な行動ができるようになることが目的とされています。
3 内観療法とは、吉本伊信により開発された心理療法であり、過去の事実を調べる内観を行うことで、価値観や人生観の変化を促す療法です。1週間ほど施設に宿泊して行うとされる集中内観において、基本的には他者との連絡が制限されますが、内観した内容を面接者に報告する作業は行います。したがって、記述は誤りとなります。
4 家族や友人など身の回りの人に対して、①してもらったこと、②して返したこと、③迷惑を掛けたことの3項目のテーマを取り扱います。したがって、記述は誤りとなります。
5 動作法とは、成瀬悟策が開発した心理療法であり、文字通りクライエントの動作に焦点を当てた療法です。
例えば、セラピストが緊張を緩めるための課題を設定し、クライエントが課題に取り組む中で、自分の体の変化への気付きを得たり、自分の意志で緊張を緩めることができたという自己達成感を高めたりすることが望まれます。心理的な問題の内容や意味でなく、動作を扱っているアプローチであり、記述は正しいです。
参考になった数43
この解説の修正を提案する
03
正解は1、5です。
各選択肢については、以下の通りです。
1.森田療法は、1919年に森田正馬により創始されたもので、現代で言うところのうつ状態の治療に用いられます。絶対臥褥期、軽作業期、重作業期、退院準備期が設定されています。
森田療法の絶対臥褥期では、1週間程度、患者は終日個室で横になったまま過ごします。食事・洗面・トイレ以外の行為は禁止されています。よって選択肢の内容は、正しいです。
2.患者は、不安や症状は起こるままにしておくように指示されます。
不安が引き起こす症状の意味や内容を探求することはありません。よって選択肢の内容は、誤りです。
3.集中内観では、一週間施設に泊まり込んで研修を受けます。内観は一人で行いますが、指導者と面談をしたり、振り返りをしたりします。内観面接者は患者から面接で語られた内容を受容的に傾聴し、批判したり、解釈を加えたりしません。よって選択肢の内容は、誤りです。
4.母親(または母親代わりの人)に対し、「お世話になったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3項目に関して自分自身を振り返ります。よって選択肢の内容は、誤りです。
5.動作法は、脳性まひの子どもの動作不自由を改善するために開発されました。現在では、ASDや発達障害児の支援技法としても用いられています。また、臨床動作法は、動作を通して心理的問題を改善する心理療法です。よって選択肢の内容は、正しいです。
参考になった数39
この解説の修正を提案する
前の問題(問127)へ
第1回(2018年)問題一覧
次の問題(問129)へ