公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問10
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問題
公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
社会的判断に用いる方略を4種類に分類し、用いられる方略によって感情が及ぼす影響が異なると考える、感情に関するモデル・説として、正しいものを1つ選べ。
- 感情入力説
- 認知容量説
- 感情混入モデル
- 感情情報機能説
- 感情ネットワークモデル
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この過去問の解説 (3件)
01
各選択肢については、以下の通りです。
1→感情入力説とは、状況によって感情の意味や及ぼす影響が異なるとした説です。
よって選択肢は、誤りです。
2→認知容量説とは、ポジティブな気分の方が、ネガティブな気分よりも認知容量を多く使用しているとする説です。
よって選択肢は、誤りです。
3→感情混入モデルとは、問題文の通り、社会的判断に用いる方略を4種類に分類し、用いられる方略によって感情が及ぼす影響が異なるとする説のことです。
よって選択肢は、正しいです。
4→感情情報機能説とは、自らの感情状態を判断や評価の手がかりとなる情報基盤として用いているとする説のことです。
よって選択肢は、誤りです。
5→感情ネットワークモデルとは、感情が様々な知識や体験と結び付けられているとする説です。
よって選択肢は、誤りです。
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02
正解は3です。
「社会的判断に用いる方略を4種類に分類し、用いられる方略によって感情が及ぼす影響が異なると考える、感情に関するモデル・説」とありますが、これは「感情混入モデル」のことを示しています。
4種類の方略とは、「課題の性質(感情の影響を受けやすいか、受けにくいか)」という横軸と、「要求される努力の高低(課題の難易度や重要度等)」という縦軸によって、以下のように分類されたものです。
感情の影響を受け、かつ、要求される努力が高いと「実質的処理」という方略で判断しがちです。
感情の影響を受けつつ、要求される努力が低いと「ヒューリスティック処理」という方略で判断しがちです。
感情の影響を受けにくく、かつ、要求される努力が高いと「動機充足処理」という方略で判断しがちです。
感情の影響を受けにくく、要求される努力が低いと「直接アクセス処理」という方略で判断しがちです。
1.→感情入力説とは、例えば、同じ課題に取り組むときでも、教示によって気分を示す意味を変えると、行動の持続が変わってくるという説です。社会的判断に用いる方略を4種類に分類しているわけではないため、1は誤りです。
2.→認知容量説とは、ポジティブな気分の方が、ネガティブな気分の時よりも認知容量を多く使用するという説です。社会的判断に用いる方略を4種類には分類していないため、2は誤りです。
3.→上述の通り、感情混入モデルとは、感情の影響を受けにくい2種類の処理方略と、感情の影響を受けやすい2種類の処理方略があると考えられており、感情が判断に与える影響の大きさは、処理される課題の難易度や重要度等の条件によって異なるという考え方に基づいたモデルです。よって、3は正しいです。
4.→感情情報機能説とは、人は評価を行う判断材料が乏しいと、自己の感情状態を判断の基盤として用いてしまい、感情状態に引きつけられた方向に判断が傾いてしまうという考え方です。よって、4は誤りです。
5.→感情ネットワークモデルとは、感情や反応・行動・知識などがネットワーク状に繋がり合っていると想定し、ある感情が活性化されると、それにつながっている反応や、その感情を引き起こす出来事等の知識が活性化されるというモデルです。感情ネットワークモデルは、認知行動療法にも影響を与えたとされています。よって、5は誤りです。
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03
1:感情入力説とは、感情が、人の行動の持続に関わるという考え方です。行動の持続を止めるルールには、エンジョイルールや、イナフルールがあると言われています。
2:認知容量説とは、ポジティブな気分の方が、ネガティブの気分よりも、認知容量を多く使用することを示した説です。
3:正しいです。
4:感情情報機能説とは、感情が、適応に関する情報を提供する機能を持つ、という考え方です。
5:感情ネットワークモデルとは、感情が、様々な知識や体験と結びつけられている、ということを示したモデルです。
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