公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問17

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

治療者自身が相互作用に影響を与えることを含め、治療者とクライエントの間で起きていることに十分注意を払うことを何というか、最も適切なものを1つ選べ。
  • 自己開示の活用
  • 治療同盟の確立
  • 応用行動分析の適用
  • 関与しながらの観察
  • 自動思考への気づき

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解:4】

1:自己開示とは、自分についてのプライベートな情報を相手にありのままに伝える行為です。

2:治療同盟とは、精神分析における概念で、クライエントと治療者との、協力や共同作業を示す概念です。作業同盟とも言われています。

3:応用行動分析(ABA)とは、人間の行動の因果関係を客観的に捉えようとする方法論のことで、主に発達障がい児の療育の現場で取り入れられています。

4:問題文の記述は、サリヴァンの「関与しながらの観察」に関するものですから、これが正解です。
サリヴァンは新フロイト派と呼ばれる精神分析学派の1人で、治療における患者と治療者の関係性を重視し、関与しながらの観察を提唱しました。

5:自動思考とは認知療法における概念で、文字通り、ある体験をしたときに自動的に浮かび上がってくる思考のことです。“認知のクセ”と言われることもあります。

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02

正解は4です。

1.→自己開示とは、自分の考えや気持ち、生い立ちや人生歴など、個人的な情報を他者に知らせることです。治療者とクライエントが相互理解を深めるために、ありのままの自分を伝えるという、コミュニケーションのひとつです。よって、1は誤りです。

2.→治療同盟とは、治療過程における現実的な協力や共同作業をあらわす概念であり、治療同盟の確立とは、治療者とクライエントとの間の作業関係の確立を指します。信頼感が治療場面において表出され、同意した目標を達成するために、治療者とクライエントが治療関係に入ることを意識し、治療契約がなされることを言います。よって、2は誤りです。

3.→応用行動分析とは、指導者が子どもに介入することにより外部の環境を系統的に操作し、望ましい行動を教え、また不適切な行動に対処することで、子どもが適切な行動を獲得することを支援する方法です。主に発達障害の療育場面において適用されます。よって、3は誤りです。

4.→関与しながらの観察は、サリヴァンが「精神医学的面接」で提唱したものです。「精神医学のデータは関与的観察を通してのみ獲得できるもの」であり、他者の行動を理解するには、面接に参加している治療者自身もまたクライエントに影響を与えていることを認識する必要性があります。治療者とクライエントの間で起きていることに十分注意を払う必要があるということです。よって、4が正しいです。

5.→認知療法で、何気なく浮かぶ心の声、思い込みを「自動思考」と言いますが、治療者がその治療者自身の「自動思考」に気づく必要性があるということです。これは、治療者自身が相互作用に影響を与えることではなく、治療者自身が自分の内側で浮かんでいる心の声、思い込みと向き合う必要があるということです。よって、5は誤りです。

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03

正解は4です。

よって選択肢より、正解は4となります。

1→自己開示の活用とは、自己開示することで相手も心を開き、コミュニケーションが円滑になるとした概念です。
よって選択肢は、不適切です。

2→治療同盟の確立とは、治療過程における現実的な協力や共同作業を表し、治療者とクライエントの間の作業関係を確立することです。
よって選択肢は、不適切です。

3応用行動分析の適応とは、オペラント条件づけから発展した行動療法の1つです。
よって選択肢は、不適切です。

4→関与しながらの観察とは、問題文の通り、治療者自身が相互作用に影響を与えることを含め、治療者とクライエントの間で起きていることに十分注意を払うことです。
よって選択肢は、適切です。

5→自動思考への気づきとは、無意識にふと頭に浮かぶ考えに気づくことです。
認知療法で用いられます。
よって選択肢は、不適切です。

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